世界経済は新しい舞台へ
世界経済は新しい舞台へ
今回は「スペインの旅」をお休みして、先日参加した講演会についてお話しする。2月17日(土)に、野村證券主催の「関西ノムラ資産管理フェア2007」に行ってきた。出展社数は130近く、4つの資産管理セミナールームでは、ほぼ常時セミナーが行われていた。興味を持った会社のブースを訪れ、IR担当者などから色々なお話を聞く機会を得た。セミナールームで開催されているセミナーにも出席した。「ロシア東欧の動向と投資戦略」と「上場不動産投信セミナー」、「為替相場の展望と外債投資の魅力」の3つだ。まだまだ聞いてみたいテーマのセミナーが開催されていたが、時間の都合上断念した。
ところで、このフェアの目玉の一つが講演会である。本日の講師は、午前の部「大前研一」氏、午後の部「海津政信」氏だ。私は午前の部に出席した。テーマは「世界経済は新しい舞台へ」である。今回の内容は、起業家向けの高度な内容のものではないが、一般投資家に向けて、平易ながらも新しい内容を含むもので、飽きることなく興味をもって聴くことが出来た。以下その内容を簡単にご紹介する。なお、私の聴き違い、勘違いがあるかもしれないことを、事前にお詫びしておく。
『現在は、投資対象が世界に広がっている。国債残高が多く、ゼロ金利、加えて人口減少社会であるわが国の、中でも預貯金に資金を眠らせておくのは間違いだ。世界の標準利回りは10%程度、優秀なものは15%以上の利回りを達成している。もっと海外への投資を考えるべきで、そのための勉強もしなければならない。
10年ほど前、新外為法に変わってからは、収益の申告さえ行えば、世界のどこででも資金運用ができるようになった。通貨別に分散投資し、強い通貨で支払うといったことも可能だ。円安は資金が目減りしているのだ、という意識を持たなければならない。破綻の可能性が高い日本だけに投資しておくのは誤りである。
破綻の可能性については、次のように考えると分かり易い。最近財政破綻で話題になっている夕張市。その債務残高は650億円、人口は12,000人である。この数字を1万倍すると650兆円、1億2千万人だ。これは丁度、国債発行残高と日本国の人口に近い数字になる。国の場合はこれに財投債や年金債務も加わるので、債務残高は更に膨らむ。しかも人口が減少するのであるから、とても返済できる状況にはないのだ。数年前に、日本国債の格付けがアフリカのボツワナ以下であると言われ、当時の財務大臣が怒っていたが、数字の上では破綻した夕張市以上に悪いのだから、格付けが低いのも当然のことなのである。財政建て直しのためには次の三つの方法がある。
① 新円切り替えなどで、借金を棒引きする。いわゆる徳政令だ。
② 税金を上げる。消費税アップだけで計算すると、税率20%は必要になる。結果、社会保険料などを含めた国民負担率は50%ぐらいになる。
③ 金利を7~8%程度にまで上げ、海外から資金を呼び込む。しかし、利払い負担で借金は増え続け、やがては破綻する。
以上のように、国民にとって都合の良い解決方法は無いのである。さらにニートや引きこもりなどもあり、教育の平均水準の落ちている将来の世代が、このような借金を返済していけるとは思えない。
一方、お金をどのように使うかも考えるべきだ。年金をもらうようになった後にも、預貯金の残高が増え続け、死亡した時の残高がピークになるのは日本人くらいだ。米国人は自分の保有資産残高を把握し、住宅を担保にしてまでお金を活用する。お金は使って初めて価値が出るのである。
ところで、日本人はお金の使い方を知らないので、お金の使い方、遊び方も教えなければならない。最大のネックは、遊び相手がいないことだ。米国には、元気なお年寄りを対象にした街づくりが為されている。そこでは色々な倶楽部があり、1人が5~6の倶楽部に所属している。米国人は、北で働き、リタイヤ後をフロリダなどの南で過ごす。ドイツ人の金持ちはリタイヤ後をギリシャに移住し、それ以外の人はトルコで過ごす。イギリス人はポルトガルやスペインのコスタ・デル・ソルなどで暮らす。日本人の場合、60歳まで生きた人の平均寿命は、男性85歳、女性90歳で、介護が必要な人は四分の一に過ぎない。四分の三は元気な老人である。これからは米国と同じ様に、こういった「アクティブ・シニア」を対象にした街づくりが必要なのだ。いつまでも仕事をしていたときの住まいに縛られる必要は無い。大前氏も千葉県に5万坪の土地を確保し、「アクティブ・シニア・タウン」を作ることを計画しているようだ。
亡くなるときが預金残高のピークと言うのでは淋しい。毎年80万人ずつ老人が増える高齢化社会、毎年38万人の移民が無ければ、これからの人口減少社会、「いざと言う時」に備えてお金を持っていても、人手不足では介護も受けられない。世界に目を向けた資金運用をするとともに、お金をどのように使うか、つまりどのような人生を送るかという事を考えることも大切である。』


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