北村美術館「深秋のころ」展
茶の湯ぶらり旅(第25回)

「北村美術館」に行って来た。現在、平成20年秋季特別展「深秋のころ」が開催されている。京阪電鉄「出町柳駅」で下車。南西方向に徒歩で約10分。メイン通りから一つ奥に入った、静かな場所に位置する。赤いタイル煉瓦の建物が印象に残る(写真)。階段を上り、少し重そうな扉を開けて中に入ると、左手に受付がある。見学者は1~2名と少ない。平日の夕方だからであろう。展示は3F。階段を上り、展示室に向かった。
美術館で頂いた展示目録によると、「茶の湯の正月である開炉・口切りもすぎ、京都は北山時雨とともに、深まりゆく秋の風情となります。今回の取り合わせ展示は、そのころを想定し、小間での濃茶、続き薄茶と懐石道具を味わっていただこうと用意しました。床の利休居士の文は、羽柴忠三郎こと蒲生氏郷が、茶事を控えての準備のためかいろいろ質問をしたことに対し、狂歌でもって返答した内容の掛物です」との事。
展示は、「小間・濃茶」、「小間・薄茶」、「小間・懐石」に分けられていた。以下、展示内容を見る。
① 「小間・濃茶」(写真左)




・茶灼(清厳宗渭作・共筒・銘 見色明心 / 大龍箱 : 写真中左)
・掛物(利休筆・蒲生氏郷(がもううじさと)宛 燈籠の文 : 写真中右)
・花入(古伊賀耳付杵形)
・釜(古天明・霰傘地文)
・炉縁(利休好木地殴・比老斎箱)
・水指(朝鮮唐津一重口)
・茶入(古瀬戸肩衝・銘 末廣 / 江岑直書・如心斎箱)
・茶碗(彫三島・銘 内海(だいかい) : 写真右)
・出袱紗(福寿文紹巴・豊太閤陣羽織裏地裂)
・建水(南蛮内渋・金森宗和箱)
・蓋置(古竹・江月在判 / 普斎所持)
・香合(保全作・伽藍 / 吸江斎箱)
・薄茶器(不昧好・羊遊斎(ようゆうさい)作・大菊棗・銘 山路 : 写真中)
八重の菊、一重の菊、裏から見た姿の菊を重ね合わせ、花芯には
・干菓子盆(根来輪花 / 黒澤明旧蔵)
・茶碗(古萩・筆洗形)
・替(楽宗入作・黒・銘 山猿 : 不見斎箱 : 写真右)
・替(鳴瀧焼・瓢文)
・干菓子盆(根来輪花・黒澤明旧蔵)
③ 「小間・懐石」(写真左)


・焼物鉢(重要文化財・織部松皮菱(写真右)・保全作・青磁汁次・天啓赤絵写匙(さじ))
・強肴鉢(御本三島)
・徳利(古備前饅頭抜け)
・石盃(絵志野・四方・唐津・保全作・呉須赤絵写)

これら以外に特別展示として、「仏教美術」と「魯山人と数寄者の手遊び」というテーマで、展示されていた。中でも、北大路魯山人作「絵瀬戸秋草文壺」と「直書名刺」、同じく魯山人筆・扁額「静観」は印象に残る(写真)。
約1時間、ゆっくり見学させてもらった。展示に合わせ、濃茶席、薄茶席などでこれらの茶器を使っているところを想像すると、楽しく見ることが出来る。このような展示方法も面白いと思った。本展は12月7日(日)まで開催されているので、一度訪ねてみては如何だろうか。
(参考文献)
・「茶道雑誌10月号」(河原書店)
北村美術館・秋季展に関するHP
http://www2.ocn.ne.jp/~domoto/imade/kitamura.htm





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