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November 03, 2008

不思議な形の亀甲竹

茶の湯ぶらり旅(第27回)

Dsc09929
先日、「千家十職・黒田正玄家の竹工芸展」についてお話ししたが(10月29日付当ブログ・茶の湯ぶらり旅(第23回))、その際、地下に展示されていた各種竹や柄杓については全く触れず、別の機会に譲るとした。今回はその中から、竹の素材について取り上げる(写真 : 地下展示の様子)。

竹は非常に身近な植物のため、竹を知らない日本人はいないと思う。しかし、竹の種類や性質、用途などについて尋ねられると、実は竹について何も知らなかったのだということを自覚することになる。今回は「千家十職・黒田正玄家の竹工芸展」での展示品の中から、竹の素材に関するものを取り上げる。
なお、解説文は展示解説から引用、また「千家十職黒田正玄家の竹工芸-茶の湯工芸の伝統と創造―」を参考にした。

① キッコウチク(亀甲竹)[写真 : 左]
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竹竿の節間が交互に大きく膨張し、その形が亀の甲を想像させることから漢字で亀甲竹と書く。この亀甲状の形はモウソウチクが突然変異を起こして出現したもので、まさに変竹である。しかし、枝下あたりから上方は普通のモウソウチクと同様に正常な節間になるのも不思議である。この特異な形状から本種は京銘竹に指定されている。この不思議な形が珍重され、花入や住居用柱、また茶席の結界などに使われたりする。
② ハチク(淡竹) [写真 : 中]
ハチクは漢字で淡竹と書かれるように、表面は淡い緑色あるいは緑灰色を呈する。中国原産とも言われるが定かでない。高さ15m以上に達し、直径10cmにもなる大型で、マダケ、モウソウチクと並んで三大有用竹類に位置づけられている。節はマダケに似て二輪状になる。筍は食用になり、材は細く縦に割ることができ、茶筅の原料にもなっている。
③ モウソウチク(孟宗竹) ゴマ竹[写真 : 右]
モウソウチクの表面に黒い斑点が出現した竹で、その点々がゴマのように見えることからゴマ竹と呼ばれる。このゴマ状斑点は、竹が枯れた時に付着するバクテリアの一種であるが、これを人工的に出現させたものが多い。太いモウソウチクのゴマ竹は京都府指定伝統工芸品の京銘竹の一つである。マダケにもゴマ竹がある。建築材や竹工芸用材料として珍重されている。

④ モウソウチク(孟宗竹) 白竹[写真 : 左]
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中国江南地方の原産で、江戸時代に九州に移植され、全国に分布した。漢字で孟宗竹と書く。食用として一般に親しまれている。直径20cm以上に成長する日本最大の竹である。節が一輪状になるのが特徴である。白竹は”火あぶり”によって油抜きして仕上げた表面が白い光沢のある竹で、京都府指定の伝統工芸品「京銘竹」の一つである。
⑤ シボ竹[写真 : 中]
これはマダケの一種で、細かい縦皺(たてじわ)の表れた竹で、そのため皺竹(しわたけ)という漢字が当てられる。これもマダケの突然変異体であるが、大変貴重な品種で、当代正玄は、自宅の庭に移植され、近年、その風合いを活かした茶器、香合、花入をつくっておられる。これは一度油抜きされたシボ竹である。なお、その縦皺が節間交互に発現したものをカタボシといい、兵庫県龍野市で天然記念物に指定されている。
⑥ マダケ(苦竹) すす竹[写真 : 右]
すす竹は、何百年も経つ古い茅葺きあるいは藁葺きの家屋の天井に使われていたマダケが、囲炉裏やおくどさんからでる薪やわらの煙によって長年いぶされて出来た竹で、漢字で煤竹(すす竹)と書く。縄目の跡が褐色の濃淡をつくり、その景色をうまく取り込んだ竹の道具は多い。表千家の茶筅にはこのすす竹が使われる。しかし近年、古い家屋が激減していることからすす竹の供給が著しく限定されてきた。

⑦ マダケ(真竹・苦竹) しゅみ竹[写真 : 左]
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マダケの表皮に茶褐色で不規則な模様が出現した竹で、「しゅみ竹」あるいは「しみ竹」などと呼ばれる。これは表皮に一種のバクテリアが付着したものなどと見られている。まさに自然のなせる技で、花入、茶灼などにその風情を巧みに取り込んでつくられる。
⑧ マダケ(真竹・苦竹) 白竹[写真 : 中]
収穫したマダケの青竹を”火あぶり”で油抜き処理し、表面を光沢のある白い竹に仕上げたものがマダケの白竹である。この白竹も京銘竹の一つとして建築、竹工芸、編組等、広く利活用され、もっとも利用範囲の広い竹である。白竹は竹稈(ちくかん)内部までしっかり熱しられたことにより、虫害の被害が少なく、また割れたりする危険性も低減される。
⑨ マダケ(真竹・苦竹) [写真 : 右]
東北以南の各地に自生している最も一般的な竹の一種がマダケである。漢字で真竹・苦竹と書く。高さ20m、最大直径13cmに成長する。竹細工をはじめ建築材・庭園材料等、用途は広範囲である。花入、茶器、茶灼、蓋置、柄杓、茶筅、箸など茶の湯にかかわる竹はほとんど全て本種といってもよい。節は二輪状を呈する。深い青緑の稈を有し、まさに竹の緑の典型を示す。

(参考文献)
・「千家十職黒田正玄家の竹工芸-茶の湯工芸の伝統と創造―」(表千家北山会館)

表千家北山会館のHP
http://www.kitayamakaikan.jp/special/index.html

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