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November 22, 2008

秋季 茶碗展 ~国焼を中心に~

茶の湯ぶらり旅(第30回)

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「秋季 茶碗展 ~国焼を中心に~展」を見るため、「滴翠美術館」に行って来た(写真左 : 入口・写真中左 : 入口通路・写真中右 : 美術館)。ご存知のとおり「滴翠美術館」は、旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)の前身である山口銀行の頭取であった故山口吉郎兵衛氏の蒐集品の寄贈を受け創設された。陶磁器・人形・かるた・羽子板類等、約1,500点が収蔵にのぼる。現在美術館として使用している建物は、山口吉郎兵衛氏の自宅を改装したもので(写真右 : 庭側からみた建物・写真下 : 庭)、近年の関西モダニズム建築20にも選ばれている。この美術館の名前になっている「滴翠」は、山口吉郎兵衛氏の雅号であり、また「背後に六甲山の翠巒を負うている」(「滴翠美術館」案内書より)という位置環境も考慮して付けられたようだ。

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大阪・梅田から、阪急電車「阪急芦屋川駅」で下車。北西、徒歩10分ぐらい、大きな家の並ぶ住宅街の中にある。多くの車が入って来たので、美術館の混雑を予想したのだが、美術館を訪ねる人は一人もいない。皆さん、併設されている「陶芸研究所・滴翠窯」に向かっていた(写真)。焼き物作りを楽しんでいるのだ。

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作品については、茶碗を中心に、軸、巻物、硯箱、筆架、水滴の他、御所人形や宮廷調度絵合わせなど、約40点が展示されている(写真)。展示図録や館臓品図録などが販売されていなかったので、作品の写真をほとんど示す事が出来ないのだが、展示作品の中から、私が気になった5点をご紹介する。なお、説明については、かなりの部分を展示解説から引用した。

① 茶碗・「志野焼・無地志野(むじしの)」(桃山時代)
桃山時代に、美濃で焼かれた文様の無い志野焼。茶碗を中心に花入、ぐい呑みなども製作された。

② 茶碗・「赤織部・沓形」(桃山時代)[写真 : 滴翠美術館発行絵葉書より ]
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桃山時代に、美濃で焼かれた織部焼の一種。鉄絵と白泥で、幾何学的な文様が描かれたものが多い。

③ 茶碗・「南紀男山焼・染付雲龍手写(吸江斎箱)」(江戸時代)
1827年、和歌山県広川町にて崎山利兵衛が、紀州藩の保護の下に開窯。藩の御用窯として、欽古堂亀祐や伊万里焼の陶工を招いて指導を仰ぎ、染付や色絵の日用雑器などを多く焼成した。偕楽園焼、瑞芝焼(ずいしやき)と並んで、「紀州の三大窯」と呼ばれている。

④ 茶碗・「虫明焼・伊賀写(瓢の画)」(三猿候作・「むしあけ」印)
備前国、岡山県邑久郡邑久町虫明の焼き物。寛政年間(1789~1801)に、藩主池田候の家老、伊木家の御庭焼きとして開窯。その後文政二年(1819)に仁阿弥道八も招かれ、池奥窯が築窯されるが、天保13年(1842)に廃窯。また五年後の弘化4年(1847)、伊木三猿斎が清風与平を招いて新しく間口窯を開き、現在に至る。

⑤ 茶碗「相馬駒焼・色絵鷹羽文(初代田代清治右衛門作・在印) 」
相馬藩主の命により、田代源吾右衛門(後に清治右衛門と改名)が京都にて野々村仁清に陶法を学び、相馬郡中村(福島県)で開いた御用窯。初期は京焼風の色絵で焼成されていたが、二代目になると走馬絵を下絵で描き、それが駒焼と言われるようになった。

以上5点をご紹介したが、これ以外にも「出雲焼」や「比良焼」、「高原焼」、「赤膚焼」、「尾戸焼」の茶碗など、興味を魅かれる作品が多数展示されているので、ご覧になることをお薦めする。会期は11月30日(日)まで。

余談になるが、美術館の帰りに、陶芸教室が開かれている「陶芸研究所・滴翠窯」を見学させてもらった。20名以上の生徒さん達が作品作りに熱中し、粘土をこねたり、轆轤を回したりしている。別の部屋では初心者コースが開かれているというので、そちらも案内して頂く。3カ月で7回のコース。ひも状にした粘土からの成形を学ぶ方、釉薬のかけ方を習う方など、数名がいた。皆さん集中しているので、私に気がつかない様子だ。数多くの作品を見て、どのようにして作るのかと言った解説を読んでいても、何か腑に落ちないのは、自分で作ったことが無いからかもしれない。一度体験してみようかと思い始めたのだが・・・。

滴翠美術館のHP
http://tekisui-museum.biz-web.jp/

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