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March 21, 2009

政府紙幣コレクション(その2)

政府紙幣コレクション(その2)

④ 「改造紙幣」

前回、「新紙幣(明治通宝)」(通称 : ゲルマン紙幣)は、「太政官札」などの旧札と交換して紙幣を統一するという目的を果たし、明治11年頃には流通札が「新紙幣」一色になったというお話をした。しかしこの紙幣は改ざんされ易く、また傷み易かったので、明治14年に「改造紙幣」と呼ばれる紙幣が発行されることになったということもお話しした。今回は、その新しく発行された「改造紙幣」についてご案内する。

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10円、5円、1円、50銭、20銭(写真)の5種類が発行された。当初の紙幣改造計画では、10円、5円、1円の3種類を発行して「新紙幣(明治通宝)」と交換、半円、20銭、10銭の「新紙幣(明治通宝)」については、銀銅の補助貨(硬貨)と交換することになっていた。しかし少額券の損傷が多いにもかかわらず、補助貨幣の鋳造が進まなかったため、50銭、20銭の少額紙幣も発行されることになったのである。

「改造紙幣」のうち、10円、5円(写真)、1円については、表面に「神功皇后」がデザインされていることから、これらの紙幣は「神功皇后札」と呼ばれている。紙幣の原版彫刻は、イタリア人のエドアルド・キョッソーネが製作した。「神功皇后」の顔立ちが西洋人的な印象を持っているのは、外国人による原版の作成だったからだと言われている。「容貌に関しては「日本書紀」中に、幼にして聡明叡智、容貌壮麗という文があるだけで、このほかによるべきものはなく、この短い文から想像して、イタリア人キヨソネが原図を描き原版彫刻を行ったのである。しかし実際は印刷局勤務者の中で美人と目される数名の写真から眉・眼・鼻・口などを参考として、今日行われているモンタージュ写真作成と似た方法を用いて、一つの像を完成したのではなかろうかと推定されている」(「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」より)との事。ちなみに、明治14年に発行された1円札よりも明治15年に発行された5円札の方が、「神功皇后」の顔は日本人的になっており、明治16年に発行された10円札は、さらに日本人顔になっている。

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ところで、なぜ「神功皇后」の肖像が選ばれたのであろうか。それは、「紙幣局の伺いによると、わが国貨幣の濫觴ははっきりしないが、「日本書紀」中に神功皇后が摂政のとき三韓から金銀を貢納した明文があり、このことは古来、金銀が貴重な存在であったことの徴証と考えられるので、皇后の尊影を掲載することを案出したとある。そのほか当時の征韓論なども影響しているものと考えられよう」(前掲「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」より)との事。
この「改造紙幣」は、その形・色が美しく、紙質も良かったことから、非常に好評を博したという。なお、10円札と5円札には、初めて「透かし」がすき入れらた。

・ウィキペディア・フリー百科事典(改造紙幣)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%B9%E9%80%A0%E7%B4%99%E5%B9%A3
・ウィキペディア・フリー百科事典(神功皇后)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%8A%9F%E7%9A%87%E5%90%8E
・ウィキペディア・フリー百科事典(エドアルド・キヨッソーネ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A8%E3%83%83%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%8D


(参考文献)
・「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」(日本銀行調査局編)[東洋経済新報社刊]
・「日本貨幣カタログ」(日本貨幣商協同組合編・刊)
・「日本紙幣収集事典」(石原幸一郎編)[原点社刊]
・「紙幣肖像の歴史」(植村峻著)[東京美術刊]
・「お札になった人々」(武光誠著)[青春出版社刊]
・「詳説日本史」(石井進ほか著)[山川出版刊]
・「新編日本史図表」(坂本賞三ほか編)[第一学習社刊]

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March 20, 2009

景気循環・バブルの波

今後の経済について考える(その6 : 最終回)

麻生太郎首相は、今月16日から「経済危機克服のための有識者会合」を開き、「金融」「社会保障」などのテーマごと、合計八十三人の有識者から意見を聞き始めた。失業者に120万円を給付する、贈与税を免除する、預金保有に課税する、還付付き消費税を導入するなどの提言がなされているようだ。

このブログでどのような政策をとるべきかを論じても、政策に反映されることはないので意味はない。しかし、どのような政策がとられるのかを考えることは、今後の日本経済を占う上で必要なことだ。特に次の投資のタイミングを決めるためには、必要不可欠である。では、どのような政策に注目すればよいのだろうか。私は、運用先を求めて世界を漂う巨額マネーを呼び込めるか否かがポイントになると考えている。

ところで、「100年に一度」、「未曾有」と言われている経済危機だが、本当にそうなのだろうか。不良債権の処理に目途がつき、世界を漂う巨額マネーが動き始めると、株や不動産などが上昇し、景気も回復に向かうのではないか。そして、その様な動き誘う政策は、欧米金融機関に対する公的資金の投入であろう。中央銀行や国の資金が、市中銀行の不良債権を買い取り、増資を引き受けることで、銀行の自己資本が充実して積極的な融資が行われるようになると、世界を漂う巨額マネーも安心してリスクを取りに出る。運用益が出はじめると消費が刺激され、実態経済も上向く。そして「売上増」→「企業業績向上」→「株価上昇」→「消費増」→「売上増」→「新規設備投資」→・・・・・ といった良い循環に入ることになるのだ。ただ問題なのは、景気が上向いてもそれほど雇用は増えず、賃金の上昇も見込めないことである。

ここで少し、これまでの経済について考えてみたい。ご存知の通り、景気には循環があるといわれている。よく知られているものとしては、「キチンの波」、「ジュグラーの波」、「クズネッツの波」、「コンドラチェフの波」である。「キチンの波」は40か月程度の波で、在庫の変動によるものと説明されている。「ジュグラーの波」は約10年の中期の波で、設備投資の変動によるものと言われている。「クズネッツの波」は、住宅投資に起因する20年程度の中期の波だ。最後の「コンドラチェフの波」は、約50年の長期波動で、技術革新を理由に挙げている。これまでの経済を振り返ると、これらの波の存在は頷ける。しかしこれからの経済を考える場合、もう一つ新たな波に注目しなければならないのではないだろうか。

ウィキペディア・フリー百科事典(景気循環)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AF%E6%B0%97%E5%BE%AA%E7%92%B0


ここから先は、完全に私のファンタジーであることを踏まえ、お読み頂きたい。私の考えている新しい波とは、「バブル(循環)の波」である。1970年代までの実物経済が中心であった時代にも、いわゆるバブルというものがあったことは否定できないが、循環としてみる必要はなかった。しかし、金融経済が実物経済より大きくなった1980年代以降は、バブルが定期的に起きるようになった。米国の「メーデー」、英国の「ビッグバン」、日本の「日本版ビッグバン」などの規制緩和、金融改革が起因となっているのであろう。各国で余剰になったマネーが、運用先を求めて世界をさまよい始めたのである。余剰資金だけではない。融資先に困っていた銀行が運用資金を融資することで、世界を漂うようマネーがますます巨額になった。そしてこれらのマネーが、儲かりそうなマーケットに流れ込む。株、不動産などの資産価格が上がると消費が増え、景気も上向き、好循環に入る。景気の良い所に、マネーは集まってくる。この結果バブルが起き、やがて弾ける。景気対策が取られ、不良債権処理が一段落すると、再び巨額のマネーが動き始める。景気が上向き、銀行融資が行われるようになると、バブルが生じ、やがて弾ける。

最近のバブルを見ると、1980年代後半の不動産バブル、2000年のITバブル、そして直近のバブル。バブルの起きる間隔は短くなり、漂うマネーは毎回巨額になる。投資の対象になる資産は、株と不動産。今回は原油や小麦、トウモロコシ、非鉄金属などの商品も対象になった。世界を漂う巨額マネーは、バブルが弾けるといち早く退散し、銀行に残った不良債権処理が終わると、再び積極的な投資が行われ、これに銀行融資が加わって投資マネーは膨らみ、やがてバブルになる。

ウィキペディア・フリー百科事典(バブル経済)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB%E7%B5%8C%E6%B8%88
ウィキペディア・フリー百科事典(バブル景気)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB%E6%99%AF%E6%B0%97


バブルが生じるには、銀行の不良債権処理以外に、金融緩和とテーマが必要だ。前者はすでに低金利政策をとり、国債を買い取るなどの対応を見せている。後者については、「環境」だ。「情報スーパーハイウェイ構想」から始まった「ITバブル」と同じく、「グリーン・ニューディール」から「環境バブル」が始まるのだ。太陽光発電、風力発電、電池、エコカー、エネルギーとITの融合など等。金融危機と言われてから約半年。世界を漂う巨額マネーは、もう我慢が出来ない。きっと何かに仕掛けているに違いない。それが分かれば波に乗れる。しかし私のような素人投資家は、銀行の不良債権処理が終わり、経済の安定的回復が見えてから投資しても遅くない。5~10年に一度、大きく儲かればよいのだ。キーワードは「不良債権処理」と「環境」だと考えている。

なお、我が国に眠る約1,400兆円の金融資産が動き、内需が拡大されて経済成長すれば良いのだが、政治不信と将来に対する不安が払拭されない限り、動き始めることはないであろう。政治と金の問題、年金問題、医療・介護問題などの解決が求められるが、当面期待できないからだ。結局、次のバブルを期待するしかないのでないだろうか。

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March 17, 2009

今年の春も高見盛への歓声がNO.1

今年の春も高見盛への歓声がNO.1

先週半ばから昨日まで、風邪のため体調不良が続いていたのだが、ようやく回復の兆しが見えてきた。今年遂に花粉症になってしまったと思い、鼻水をすすりながら机に向かっていたのだが、これが良くなかった。実は風邪だったので、こじらせてしまったのだ。体調が悪いと、外出を計画していても、当日の朝になると中止してしまう。しかし、元気になると違う。まして本日のように暖かいと、計画していなくても外出したくなってしまう。

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本日は、大相撲春場所(3日目)を見るため、大阪府立体育館に行ってきた。朝9:00頃体育館のチケット売り場に寄り、一番安い自由席券(2,000円)を購入。別の用事を済ませ、館内に入ったのは午後4:00頃。土俵入りが終わったところであった。土俵下や土俵に近いマス席は満席だったが、椅子席はかなり空いていた。まだ3日目、しかも平日なのでこんなものであろう。ちなみに土日、祝日の前売り券は、すでに8割程度売れている。

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幕の内の取り組みは「土佐の海VS木村山」から始まり、結びの「朝青龍VS北勝力」までの21番だ。そして最も場内が盛り上がったのは、「出島VS高見盛」戦である。毎場所のことだが、土俵上でほかの力士が仕切っていても、高見盛が入場してくると、館内にざわめきが起こり、拍手が響く。相変わらずの人気である。呼び出しの声で土俵に上がると、拍手の嵐。そして次は懸賞金である。ご存知のとおり、高見盛は永谷園をスポンサーとしているので、同社から必ず5本の懸賞金がかかる。TVを見ているとアナウンサーの声に消されて良く分からなくなってしまうのだが、懸賞金一本ごとにスポンサー企業の場内アナウンスがある。「さけ茶漬けの永谷園」、「梅干茶漬けの永谷園」、「たらこ茶漬けの永谷園」、「わさび茶漬けの永谷園」、「朝のお茶漬け永谷園」とアナウンスが続くごとに館内は「ウォー」という声と笑いが大きくなった。

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そして「ロボコップ」といわれる高見盛のコミカルな動き。以前、TVのインタビューで、土俵に上がると恐怖心が襲ってくるので、それを振り払うため気合いを入れているのだと言っていたが、観戦者から見ると非常に面白い。また、勝ち名乗りを受けた時は胸を張って花道を引き揚げ、負けた時は下を向いてションボリと花道を下がるしぐさは、何とも愛くるしい。相撲自体は少しずつ弱くなっているように思うのだが、人気は一向に衰えない。本日は、出島に「送り出し」で勝利した。胸を張って花道を引き揚げたことは言うまでもない。

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次に盛り上がりを見せたのは、「豪栄道VS把瑠都」戦である。豪栄道が大阪出身力士だからという理由もあるが、こちらは相撲内容で館内を沸かせたのだ。立会、豪栄道はもろ差し。当然把瑠都は腕をきめてくる。そして土俵際まで追い詰めたのだが、豪栄道は俵に足をかけてしぶとく残り、巨体の把瑠都を豪快にうっちゃったのである。把瑠都は土俵下に吹っ飛んで行った。館内は拍手の嵐だ。手に汗握る一番、「うっちゃり」で豪栄道の勝ち。(写真右端は毎日新聞ネットより)

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その他に「朝青龍VS北勝力」や「鶴竜VS白鵬」の横綱戦、人気の「魁皇VS琴奨菊」戦も、いつも通りの盛り上がりを見せたが、もうひとつ拍手と声援の多かったのが、「垣添VS山本山」戦だ。幕内最重量(248kg)の山本山の人気は高いようだ。垣添を捕まえ、体重をうまく使って一気に寄って出た。「押し出し」て山本山の勝ち。3戦全勝だ。このまま勝ち星を重ね、上位との対戦が組まれれば、一段と盛り上がるのではないだろうか。期待したい。

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約2時間の観戦であったが、TVで見るのとは違った雰囲気の中で相撲を楽しむことができた。「荒れる春場所」といわれるが、本日の相撲を見ていると、順当に両横綱の争いになるのではないかと思える。果たしてだれが優勝するのか、残りの12日間を楽しみにしたい。


日本相撲協会公式サイト
http://www.sumo.or.jp

(ご参考 : 当ブログ)
・2006年3月18日付「高見盛と永谷園の懸賞金」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2006/03/post_7069.html
・2007年3月16日付「大歓声と拍手の嵐、高見盛(大相撲春場所)」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2007/03/post_d2b7.html
・2007年3月22日付「大相撲春場所の優勝争いは益々面白い展開に」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2007/03/post_0d5c.html


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March 14, 2009

政府紙幣コレクション(その1)

政府紙幣コレクション(その1)

10年ぐらい前から、日本が構造的デフレを抜け出すための政策として、「政府紙幣」の発行が叫ばれるようになった。ノーベル賞経済学賞受賞者で経済学者のスティグリッツや、米連邦準備制度理事会(FRB)議長のバーナンキなども「政府紙幣」の発行を支持している。また今月10日に、自民党の政府紙幣と無利子国債を検討する議員連盟(田村耕太郎会長)は、「政府紙幣」などの発行を政府に求める提言をまとめた。

こういった「政府紙幣」の話が出ると、前例を見るため、過去に発行された「政府紙幣」について触れることも多いが、中央銀行制度が出来た後に発行された「政府紙幣」は、補助単位の少額のものに過ぎず、現在提言されている「政府紙幣」を議論する場合の参考とするには無理がある。しかしコレクターの立場から、「政府紙幣」と称されるものを集めてみるのは面白い。そこで今回、一般に「政府紙幣」と言われるものを集めてみた。
なお、海外でも数多くの「政府紙幣」が発行されているが、ここでは国内のものだけを取り上げた。

※フランスの革命政府が発行した政府紙幣「アッシニア」については、当ブログ、2009年2月15日付「第6回おおさか大収集まつり」をご参照願いたい。
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2009/02/26-131b.html


① 「太政官札」

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明治維新直後、財政補填と産業振興に充てるため政府が発行した紙幣で、十両、五両、一両、一分、一朱(写真左 : 表面・右 : 裏面)の5種類がある。明治元年(慶応4年 : 戊辰)5月から明治2年7月まで発行され、発行高は4,800万両にもなったが、当初の目的の一つである産業振興にはほとんど使われず、財政補填、特に軍事費として支出された。大政奉還後も「鳥羽伏見の戦い」や「戊辰戦争」など幕府軍との戦いが続いていたからである。経済の実力を遥かに超える紙幣が発行されたため、「太政官札」の価値は金百両に対し40両にまで下がったが、明治2年5月の布告で「金札5,000万両増発計画を3,250万両に制限すると同時に、通用期限13カ年を5カ年に短縮し、金札製造器械の焼棄を決め、明治2年冬から同5年までに新貨をもって金札を兌換し、この兌換にもれる金札があれば1カ月5朱(年6分)の利子をつけることにした」(図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―より)ことから、相場は持ち直した。しかし、「太政官札」の信用が上がると、今度は偽札が出回り、流通が阻害されるようになった。

写真の「太政官札」は、明治元年(慶応4年 : 戊辰)に発行されたもので、通用期限は13年である。昨今の政府紙幣に関する解説の中に、紙幣の流通期限近くになると日銀券と交換しようとする動きが出たり、政府紙幣を受け取らなくなるのではないかといった内容のものを見かけたが、これは、「政府紙幣」→「太政官札」→「流通期限」というイメージから出てきたものなのであろう。

ところでこれらの「太政官札」は、明治2年5月の布告通り、新貨に兌換されたのであろうか。答えは「否」である。元々財源がなく、金札の価値、信用を回復させるための布告に過ぎず、結局新紙幣(※)との交換をはかり、再び「太政官札」を不換紙幣化して、先の正貨兌換の約束を反故にしたのである。なお、1カ月5朱(年6分)の利子をつけることは実施され、「金札引換公債証書」と交換された。

(※)「新紙幣」は、③で取り上げる「新紙幣」(「明治通宝」 : 通称「ゲルマン紙幣」)のこと。

・ウィキペディア・フリー百科事典(太政官札)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E6%94%BF%E5%AE%98%E6%9C%AD


② 「民部省札」

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先にみた通り、「太政官札」は5種類発行されたが、概して額面が大きく、日常取引に支障を生じていた。この少額紙幣不足を補うために発行されたのが「民部省札」である。「太政官札」でも「一分」と「一朱」は発行されていたが、これらの少額札は発行された札全体の13%にすぎなかったのだ。太政官制が続いていたのに、「太政官札」ではなく「民部省札」という名称になったのは、当時「大蔵省」と「民部省」が合併したばかりで、通貨政策は「民部省」が担当していたからのようである。

「民部省札」は、二分、一分、二朱(写真左 : 表面・右 : 裏面)、一朱の4種類が発行された。当初は発行と同時に、同額面の「太政官札」を回収する予定であったが、廃藩置県にともなう行政費をはじめとする歳出増加に伴う「財政不足を補うため太政官札につけ加えて発行され、不換紙幣の流通に拍車をかける結果となった。だが、この札は太政官札の価値がかなり安定したのちに発行されたので、流通は比較的円滑」(図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―より)だったとの事。

写真の「民部省札」は、明治2年(巳巳)に発行されたもの。「太政官札」とは異なり、「十三年限」といった通用年限は示されていない。

ところで、これらの「民部省札」も「太政官札」と性格が同一だったので、明治2年5月の布告の適用を受けることになるのだが、新貨に兌換されたのであろうか。答えは「否」。「太政官札」と同じく新紙幣または「金札引換公債証書」と交換されたのである。

・ウィキペディア・フリー百科事典(民部省札)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E9%83%A8%E7%9C%81%E6%9C%AD


③ 「新紙幣」(「明治通宝」 : 通称「ゲルマン紙幣」)

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印刷の粗雑な「太政官札」や「民部省札」、「藩札」と交換して、紙幣を統一するために発行された紙幣で、ドイツに注文して製造した高級印刷の紙幣であることから、「ゲルマン紙幣」とも呼ばれている。100円、50円、10円、5円、2円、1円(写真左 : 表面・右 : 裏面)、半円、20銭、10銭の9種類。100円、50円、10円、5円の4種は明治4年12月から、残りの5種は明治5年2月から発行された。

「新紙幣」の製造高は1億4,944万円で、うち三分の二にあたる1億353万円はドイツで、残りの三分の一にあたる4,590万円はドイツ製の原盤を用いて日本で製造されたものである。①「太政官札」のところで述べたように、札の信用が上がるに伴い偽札が出回り、流通が阻害されるようになったことから、精緻な新札を作ろうとしたが、当時の日本には高度な印刷技術は無かった。そこで、当初政府の顧問的協力者であったロンドンのオリエンタル・バンクに製造を依頼する予定だったが、フランクフルトのドンドルフ・ナウマン社が証券印刷のエキスパートであり、また最近開発した印刷技術が偽造防止に最適であること、そして印刷技術の我が国への移転も見込めたことから、ドイツの会社に製造依頼することになったのである。

「新紙幣」は①精巧美麗であること、②政府の基礎が強固になり政府紙幣に対する信用が確定したこと、③国民が紙幣の使用に慣れたことなどもあって、不換紙幣であるにもかかわらず順調に流通した。しかし、しばらくすると次のような欠点が指摘された。
第一に、9券種あるにもかかわらず、すべて同一デザインで、かつ4つのサイズに集約されていたことから、額面の改ざんが行われる。
第二に、洋紙に印刷されていたため、傷みやすく、変色しやすい。

国産化により紙質は改善されたが、額面改ざんの問題は解決しなかったことから、明治14年に「改造紙幣」と呼ばれる紙幣が発行されることになった。

ところで最初にお話ししたように、この紙幣は「太政官札」などの旧札と交換して、紙幣を統一するために発行されたのだが、この目的は順調に進み、最終的には100%近い回収となり、明治11年頃には流通札が「新紙幣」一色になったという。

・ウィキペディア・フリー百科事典(明治通宝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E9%80%9A%E5%AE%9D

(ご参考 : 当ブログ)
・2006年4月25日付「ゲルマン紙幣」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2006/04/post_b98f.html
・2006年4月27日付「ゲルマン紙幣一億円」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2006/04/post_7b4d.html

(参考文献)
・「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」(日本銀行調査局編)[東洋経済新報社刊]
・「日本貨幣カタログ」(日本貨幣商協同組合編・刊)
・「日本紙幣収集事典」(石原幸一郎編)[原点社刊]
・「詳説日本史」(石井進ほか著)[山川出版刊]
・「新編日本史図表」(坂本賞三ほか編)[第一学習社刊]

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March 13, 2009

今後の経済について考える(その5)

今後の経済について考える(その5)

百年に一度の経済危機と叫ばれる中、財政出動による景気刺激策が期待されている。先月ローマで開催された主要七カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明にも、「国内需要と雇用創出を刺激するため、各国が財政政策を前倒しし、迅速に実施する」と盛り込まれた。ご存知の通り、米国のオバマ大統領は、公共事業や環境分野向け投資などの歳出増と減税の両面から経済を下支えするため、約7,800億ドル(約72兆円)の景気対策法案に署名した。金額ベースでは世界最大の景気対策だ。エネルギーや環境関連分野への投資を起爆剤に経済の活性化図ろうとする事から、1930年代の世界恐慌克服のためルーズベルト大統領がとった「ニューディール政策」にならい、「グリーンニューディール政策」と呼ばれている。

・ウィキペディア・フリー百科事典(ニューディール政策)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%94%BF%E7%AD%96


しかし最近になり、ユーロ圏内の政府で財政赤字に対する警戒論が浮上している。赤字幅を「域内総生産(GDP)比で三%以内」とする安定・成長協定(財政協定)が形骸化し、ユーロへの信認が揺らぐことを懸念しているのだ。先進国では最悪の財政赤字を抱えるわが国でも、円への信認を勘案すれば、これ以上財政赤字を膨らませるべきではないようにも思える。またグローバル化、ボーダレス化した現在の環境を考えると、財政政策による経済への波及効果にも疑問がわく。

戦後のインフレーションを収束されるために取られた経済政策である「ドッジ・ライン」以後、「証券不況(40年不況)」までの財政収支は均衡していた。しかし、この不況の拡大を防ぐため戦後初めての赤字国債が発行され、以後バブル絶頂期など数年を除き、特例法による赤字国債の発行が常態化した。昨年12月末現在の国債及び借入金の残高は約850兆円と、わが国GDPの1.5倍以上になっている。1990年代のいわゆるバブル崩壊後、「失われた10年」といわれながらもGDPが拡大したのは、財政支出の下支えがあったことは間違いない。では、今回も百年に一度ということで、大盤振る舞いして財政による景気の下支えを行うべきなのだろうか。これには疑問を感じる。かつてほど、財政出動の効果がないのからである。これにはいくつかの理由があると思う。
第一に、財政出動というと公共投資が主となるが、バブル期に見られたように用地買収の費用の占める割合が高く、波及効果の高い工事そのものに対する支出が少なくなっている。
第二に、川上でお金が吸い上げられ、末端にまで十分お金がいきわたらない。つまり、大手ゼネコンなど建設会社の収益にはなっても、建設現場で働く人々すべてが潤うようにはならない。
第三に、公共工事が行われるのは、地方経済救済の意味合いが強く、広がりが限定される。またこのことと関連して、本当に経済の効率性を高めるところに資金が回らない。

・ウィキペディア・フリー百科事典(ドッジ・ライン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
・ウィキペディア・フリー百科事典(証券不況)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BC%E5%88%B8%E4%B8%8D%E6%B3%81
・ウィキペディア・フリー百科事典(赤字国債)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E5%AD%97%E5%9B%BD%E5%82%B5
・財務省(国債及び借入金現在高)
http://www.mof.go.jp/gbb/2012.htm
・内閣府(GDP)
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe084-2/gdemenuja.html


同じ財政出動するのであれば、地域や業種などに偏りのない形が好ましいが、なかなか難しい。この点から見れば、減税や定額給付金などが提案されるのも、ある意味理解できる。なるべく広く、偏りなくお金を行き渡らせ、消費に回してもらうというアイデアだ。しかし、机上で考えた事を、思い通りに実行するのは難しい。ご存知の通り、定額給付金を配るだけでも事務費用が膨大になるとか、住民票の無い人には配れないなどの問題点が生じている。また、無事全員に配ることが出来たとしても、すべてが消費に回るわけではない。各地方自治体では、プレミアム商品券を販売するなど、地元で消費してもらえるように工夫しているが、これまでの生活費でこれらを購入するだけで、定額給付金を貰ったことで生まれる新たな消費は一時的かつそれほど大きくはなく、GDPを押し上げる効果も僅かなのではないだろうか。

・ウィキペディア・フリー百科事典(定額給付金)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E9%A1%8D%E7%B5%A6%E4%BB%98%E9%87%91

輸出主導で成長してきた日本経済。その輸出を伸ばせない現在、期待すべきは内需、特にGDPで最大の割合を占める「個人消費」だ。株価の下落や円高などもあったので減少はしていると思うが、それでも個人の金融資産は1,400兆程度あるであろう。このうち数パーセントが消費に向かえば、GDPを押し上げる効果も高い。しかしこれら金融資産のうちの60%程度を、20%ぐらいの人が持っており、そのうちかなりが60歳以上なのである。このことから、「相続税免除特典付き無利子国債の発行」や「3年間贈与税の一律10%(現行10-50%)減免」などの提案がなされるのだろう。前者は相続税を回避するためタンスに眠っている現金を動かすため、また後者はお金持ちの高齢者から、お金はないが消費意欲旺盛な次の世代にお金を移転させることを狙っているのであろう。アイデアとしては分からなくもないが、「金持ち優遇批判」をはじめ、実行するのにはハードルが多いように思える。

・日本銀行(国際比較)
http://www.boj.or.jp/type/exp/seisaku/exphikaku.htm
・総務省(家計調査)
http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm
総務省(家計調査 : 平成12年貯蓄動向調査)
http://e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000000430002&cycode=0


「相続税免除特典付き無利子国債の発行」や「3年間贈与税の減免」は、すでにあるお金を動かして消費に結びつけようとするアイデアだが、新たにお金を発行することで消費を増やそうとするアイデアもある。それが「政府紙幣の発行」である。国民一人当たり20~40万円を配るという提言も出されている。ゼロ金利にしても、インターバンクをはじめ短期金融市場のお金をジャブジャブにしても効果が薄いのなら、いっそのことお金をばらまいて、使ってもらおうという考えだ。政府紙幣なら国債発行と違い国の債務増加にならない。しかしこのような事をしても、問題はないのだろうか。ハイパーインフレは起きないのか、また通貨に対する信認は維持できるのか。政府紙幣を緩やかに市場に出すのであればハイパーインフレを引き起こすことはないという意見や、一回限りということを政治レベルで明確に確認すれば大丈夫であるという考え、またデフレの時であれば問題はないという主張もあるようだが、バブル崩壊と同じで、ある日突然何かのキッカケで紙幣に対する信認がなくならないとも限らない。そうなると、少しでも早くモノに換えたいとか、信用力の高い通貨を購入しようといった動きになり、ハイパーインフレや超円安になることも否定できない。経済理論では説明できない、心理的な部分を予想するのは難しい。

・ウィキペディア・フリー百科事典(政府紙幣)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BF%E5%BA%9C%E7%B4%99%E5%B9%A3


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March 12, 2009

「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」展

「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」展

「堺市立東文化会館文化ホール」で開催されている、「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」展に行って来た。「東京・日本橋三越」、「滋賀・佐川美術館」、「名古屋・松阪屋美術館」を巡回し、「堺市立東文化会館文化ホール」が最後の開催である。

ご存知の通り「北斎」は、「富獄三十六景」の出版によりその名を不動にした。文政末から天保初期にかけて流行った庶民の旅は、この作品が起因になったと言われている。このようなことから風景画家のイメージが強い「北斎」だが、実は肉筆美人画や狂歌絵本などに活躍し、読本挿絵で第一人者の地位にあったというから驚きである。本展では、「冨嶽三十六景」とそれに続いて上梓された「富嶽百景」から、合計155点が展示されている。今回はその中から、特に印象に残った作品5点をご紹介する。なお、写真は展示会図録の「北斎 富士を描く」から用いた。

① 「冨嶽三十六景 (神奈川沖浪裏 : かながわおきなみうら)」
Dsc05366


北斎の富士といえば、本作品か次にご紹介する「凱風快晴」を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。恐ろしく大きな波が、船に襲いかかろうとする瞬間をとらえた作品。「神奈川沖浪裏」という題名だが、木更津寄りの海から見た景色という説もあるようだ。


② 「冨嶽三十六景 (凱風快晴 : がいふうかいせい)」
Dsc05367

こちらも、「冨嶽三十六景」の中では名作である。通称「赤富士」。太陽を受けて、山肌の溶岩大地が暗赤色に染まる現象で、夏の日の早朝などに見ることができるようだ。本図は4枚の版木と7回の摺りで出来ているという。中腹に見える版木の木目は、初摺りを見分けるポイントになるとの事。

③ 「冨嶽三十六景(山下白雨 : さんかはくう)」
Dsc05369

夏空にむくむくと入道雲が沸き起こり、山頂は晴れ渡っている。山肌は夕日に赤く染まり、尾根襞に沿って残雪の白い筋をつくっている。②でご紹介した「凱風快晴」と、同じ場所から描かれたものと推定される。

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④ 「富嶽百景(木花開耶姫命 : このはなさくやひめのみこと)」
Dsc05372


「富嶽百景」の冒頭を飾るこの作品に、富士の姿はなく、女性の姿のみ。実はこの女性、富士のご神体である「木花開耶姫」なのである。日本神話における、絶世の美女だ。木花開耶姫と富士の結びつきは、一般教養として江戸の民間に深く浸透しており、「富嶽百景」の有力な購買層と想定された、富士信者の関心を得るのにはふさわしい画題であったようだ。

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⑤ 「富嶽百景(海上の不二 : かいじょうのふじ)」
Dsc05370Dsc05371


天空を割ってうねる波。砕け散る波頭と思ったら、実は飛び交う千鳥の姿。波間から富士が見える。①で紹介した「冨嶽三十六景 (神奈川沖浪裏)」と似た部分もあるが、こちらの方がより躍動的で、激しさを感じさせる。

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その他にも、素晴らしい作品が多数展示されている。北斎ファン、風景版画ファン、富士山ファンの方にはお薦めである。会期は3月22日(日)まで。なお、展覧会会期中、富士山を撮影した写真を持参すると入場料(一般500円)が無料になるので、お持ちの方は持参しよう。ちなみに、写真は富士山の全景が写っているオリジナル作品で、写真プリントLサイズ(86mm×127mm)相当のものに限るのでご留意を。

堺市立東文化会館文化ホール・「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」のHP
http://www3.ocn.ne.jp/~buntaro/bunkahall/hokusai.html
堺市・「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」のHP
http://www.city.sakai.osaka.jp/event/event_detail.cgi?kanriid=200901006
http://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_bunka/event.html
NHKプロモーション・「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」のHP
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/20080219_181055.html
佐川美術館・「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」のHP
http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/cgi-bin/topics/detail.cgi?file_id=20080610_00000020
松阪屋美術館・「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」のHP
http://www.matsuzakaya.co.jp/museum/hokusai2008/index2.html
ウィキペディア・フリー百科事典(葛飾北斎)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E9%A3%BE%E5%8C%97%E6%96%8E

(参考文献)
・「北斎 富士を描く」(大久保純一監修)[NHKプロモーション発行]
・週刊アーティストジャパン「葛飾北斎」(河北倫明監修)[デアゴスティーニ・ジャパン発行]

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March 11, 2009

今後の経済について考える(その4)

今後の経済について考える(その4)

景気が良くなれば資金需要が増え、マネーサプライも増加する。しかし、景気が良くなることで物に対する需要が増えてインフレ気味になり、また資金需要も増えることから、金利が上昇して借入が抑制され、景気の過熱が抑えられる。景気が後退すると資金需要が減って金利が下がり、ものに対する需要が増え、再び資金需要が生じてくる。資金需要に応えるのが銀行の融資で、銀行による預金の受け入れと融資の実行によりマネーサプライが増えていく過程が「信用創造」である。そしてマネーサプライは、経済の成長とともに増えていく。金融のテキストでは、通常このように説明されているのではないだろうか。

もう一つ。「今後の経済について考える」の第一回目でお話しした、国内で生産された財やサービスは、必ず何かの用途に利用され生産と同額の支出が行われ、また生産で生まれた付加価値は、全て誰かに帰属しているので、賃金や企業所得などに分配されるという「三面等価の原則」から導かれるのだが、分配されたものは消費されるか消費されずに貯蓄に回るかのどちらかである。従って「国民所得=消費+貯蓄」が成り立つ。投資が行われれば所得になり、一定割合の消費が起きるため、それと同じだけの所得が生まれる。これの繰り返しにより国民所得が乗数的に増えていくため、「乗数効果」と呼ばれている。不景気な時には財政投資が行われるのは、この乗数効果による需要拡大のためである。これも経済学の入門書に書かれている事だ。

・ウィキペディア・フリー百科事典(乗数効果)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%97%E6%95%B0%E5%8A%B9%E6%9E%9C
・ウィキペディア・フリー百科事典(信用創造)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E7%94%A8%E5%89%B5%E9%80%A0

しかし、現在の経済情勢を見ると、どうも納得できない。金利は低くても資金需要は低調で、資金をジャブジャブに供給してもインフレにならない。景気刺激のために公共投資という財政支出を行っても広がりが見られないため、乗数効果が効いているようには思えない。一体どうなっているのだろうか。ここから先は、まったく私の空想に過ぎないので、根拠を示せと言われても示すことはできない。しかし、これまでに読み、見て、聞いたことなどからの想像なので、まったくの絵空事でもないのではないかと考えている。そのことを踏まえてお読み頂きたい。

現在の経済を考える上でベースにすべきことは、経済の規模に応じて増えるべきマネーが、その規模を無視して異常に供給されていることである。しかし、マネーの供給が多すぎるのであれば、なぜインフレーションになっていないのかという疑問が湧く。貨幣の供給量が増えると、貨幣価値が下がりモノの値段が上がるのではないのか。供給余力もあるのだろうが、金融マーケットの存在が大きい。余ったお金がモノに向かい、それが供給以上の需要を生むのであればインフレーションになるのだろうが、モノよりもお金を増やすニーズの方が高く、余ったお金が金融マーケットに流れている限り、インフレーションは起きない。株式市場にお金が流れて株価が上昇すれば、お金を増やそうとする人たちのお金がますます集まる。やがて手元資金だけでなく、借入してまで元手を増やそうとする人々も現れる。ここで止まるのであれば、それほど問題はない。しかしマネーは貪欲である。より高い収益を求めてさまよい始める。不動産にお金が流れる。地価が高騰すると、これから不動産を購入しようと考えている人や賃料を支払っている人に影響が出る。また間接的に、モノの値段に地価の上昇分が反映され、物価の上昇につながることもあるであろう。しかし既に不動産を保有している人にとっては、売却益を得たり、値上がり分の担保余力が出たり、賃料収入が上がるなどのメリットを生じる。株であれ、不動産であれ、値上がりが見込める場合、マネーが集まってくる。さらに余ったマネーは海外にも向かう。ボーダレス化したマネーはどこにでも向かう。1990年代のバブル期に、日本の不動産会社が、ニューヨークのティファニービルやロックフェラーセンタービルを買収したことは周知の通りである。これらのことを、我々は1980年代後半から1990年代前半に経験した。そしていわゆるバブルの崩壊である。銀行からの借り入れで投資を行っていた投資家は傷つき、彼らに融資していた金融機関は不良債権の山を抱えることになった。その結果、銀行は新たな融資出来ず、資金が必要なところに十分なお金が流れなくなり、倒産が増え、不良債権も増えるという悪循環に陥った。もちろん、これまでのように不動産などへの投資資金も融資されず、それが資産価格の下落を招き、さらに不良債権を増やしたことも忘れてはならない。

話が横道にそれたが、お金の供給が多過ぎたとしても、そのお金が株や不動産などの金融資産に向かっている間は、それほどインフレーションを恐れる必要はないように思う。しかし、昨年の場合は少し異なる。世界金融恐慌といっても良い今回の経済状況になる直前は、インフレーションが懸念されていたのだ。それは、商品市場という小さなマーケットに、大量のマネーが流れ込んだからである。これまでも鞘取りなど金融市場的な動きがあったことは間違いないが、市場規模が小さく、大きなマネーが入るのは難しいと言われていた。だが、儲かりそうだと思えば、どこにでもマネーは流れるようになっていた。小さな市場に大きなマネーが流れると、当然価格が上昇する。しかし自らが抜ければ価格は暴落する。しかし、他も追随するようであれば、価格はますます上がり、自らが抜けることで価格を崩すことはない。後はババ抜きゲームである。投資家はそれでもよいが、困るのは庶民である。食料やエネルギーの価格が上がり、生活に影響を及ぼしたことは記憶に新しい。国によっては暴動が起きていたことを思い出す。原油については、1970年代後半、OPECの政策により価格が決定されるという戦略商品であったが、やがてマーケットで価格が決まる市況商品になり、そして今回金融商品になった。トウモロコシ、小麦、大豆、銅なども、市況商品から金融商品になってしまったのだ。マネーは余っているので、向かう先によっては、いつインフレーションにならないとも限らない。

・ウィキペディア・フリー百科事典(インフレーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
・ウィキペディア・フリー百科事典(バブル経済)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB%E7%B5%8C%E6%B8%88

少し話は戻るが、今回のバブルについて見てみよう。余ったマネーはどのように動いたのだろうか。単純化していえば、①新興経済国、②高金利国、③不動産の3つに向かったと言えるであろう。ご存知のとおり、①についてはBRICsやVISTA、ネクスト・イレブンなどである。②については、豪ドル、NZドル、南アフリカランドなど、また③についてはアイルランド、英国、スペインなどで、わが国でもREITを通じて収益性の高い不動産の価格は上昇した。余ったマネーだけでなく、レバレッジを効かせるため借り入れたマネーも流入していたのだ。そして①②③のどれもがパブルとなった後、儲かりそうな市場として残された最後の市場が商品だったのである。

・ウィキペディア・フリー百科事典(BRICs)
http://ja.wikipedia.org/wiki/BRICs
・ウィキペディア・フリー百科事典(VISTA)
http://ja.wikipedia.org/wiki/VISTA
・ウィキペディア・フリー百科事典(NEXT11)
http://ja.wikipedia.org/wiki/NEXT11
・ウィキペディア・フリー百科事典(レバレッジ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8

以上のような空想に基づくと、お金をジャブジャブに供給してもインフレーションにならないのは、余ったお金が金融市場に流れ込むからである。但し、商品市場であるモノのマーケットに大量のマネーが流れ込んだ場合は、インフレーションを警戒しなければならない。また、低金利でも資金需要が無いというのは実体経済の部分について言えることで、金融経済の面からみると、レバレッジを効かせたり、高金利通貨で利鞘を稼ぐといった投資のための資金需要は十分にある。

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March 10, 2009

今後の経済について考える(その3)

今後の経済について考える(その3)

米国の過剰ともいえる強い消費と新興国の急成長という2つの大きな需要に支えられて成長してきた我が国経済だが、どちらの需要も低調になった現在、今後は何が景気を引っ張ってくれるのであろうか。オバマ政権による経済政策で、米国が立ち直ることを期待するぐらいしかないのだろうか。先月、オバマ大統領は約7,800億ドル(約72兆円)の景気対策法案に署名した。金額ベースでは世界最大の景気対策である。公共事業や環境分野向け投資などの歳出増と減税の両面から米経済を下支えし、急速に拡大している米経済の需要不足を政府支出で穴埋めする考えのようだ。しかし、優先して行わなければならないのは、銀行に対する公的資金の投入である。1990年代のいわゆるバブル崩壊の後、わが国の経済は「失われた10年」などと呼ばれている。銀行の不良債権問題に対し、公的資金を投入し、自己資本を回復させ、融資などを通じて資金が循環するようにしなければならなかったのだが、なぜ銀行だけを救済するのかと言った国民の反対意見を気にするあまり、結果ズルズルと景気の低迷を招くことになってしまった。現在の米国も、わが国と同様の問題に直面しているのだが、やはり世論の反発に配慮し、なかなか前向きな解決が出来ないでいるようだ。ただ、米国の場合は、わが国の銀行の不良債権問題よりも、さらに難しい点があるという。それは、米国の銀行の不良債権の多くを占めるCDO(債務担保証券)を、どのように評価するのかが難しいためである。我が国の場合は、不動産価格の下落や企業倒産などによる不良債権だったため、現在の米国に比べればまだ金額確定は容易であったのだ。不良債権を買い取るにしても、また公的資金を投入するにしても、ハッキリした評価が出来なければ、対処のしようがない。自己資本が充実しなければ、銀行も積極的な融資はできない。グズグスしていると、その間にも景気悪化が進んで企業の資金繰りは厳しくなり、倒産が増え、さらなる景気悪化を招いてしまう。

・ウィキペディア・フリー百科事典(CDO)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Collateralized_Debt_Obligation


ところで、今回の問題が起きる以前は、何が米国経済を引っ張っていたのだろうか。それは個人消費である。ご存知のように、米国のGDPに占める個人消費の割合は70%前後もある。そして賃金が伸びない中、この個人消費を支えてきたのが個人ローンと住宅価格の値上がりだ。ローンを組んで住宅を購入する。不動産価格の上昇により生じた担保余力を利用し、消費者ローンの枠を設定して消費を増やす。リボルビング払いなどを利用するため、月々の支払額はそれほど増えないので、借入額が増えた程の負担感は生じてこない。不動産価格の上昇が続いている間は、さらなる借り入れ余力が生まれ、消費も増えていく。しかし、不動産価格の上昇は永遠ではなかった。「サブプライムローン問題」はここから始まったのだ。不動産価格の上昇を前提に、本来ローンが組めないような人にまで貸し出す。ローン債権はすぐに売却すればリスクを抱えずに済むため、ローンの審査はますます甘くなる。しかも、そのようなローンでも、CDOの素材として直ぐに売れてしまうため、融資する側もそのようなローンを組むことを止めようとはしなかった。そして住宅価格の下落だ。住宅価格が上昇していれば、金利の安いプライムローンに切り替える予定だったが、住宅価格が下落したため、プライムローンに切り替えが出来ないだけでなく、サブプライムローンの金利まで上がってしまい、債務者はローンの返済できなくなってしまったのだ。このようにキャッシュフローの止まったローンは、いわゆる不良債権である。その結果がどのようになったかは、ご存知の通りだ。

・ウィキペディア・フリー百科事典(サブプライムローン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3


借金してでも増やす消費、世界中から買う米国。基軸通貨でもある自国通貨ドルで支払、国の借金である国債を購入してもらい、資金を還流させる。輪転機を回してドル紙幣を印刷し世界中から物を買う、などと言われることもあるが、実際その通りであろう。2回の世界大戦で、本土に被害を受けなかった唯一の大国アメリカ。戦場となったヨーロッパの国々は、生産拠点を破壊されたため、必要な物資を輸入する。第一次世界大戦のときは日本も恩恵を受けたが、第二次世界大戦のときは、米国だけに恩恵をもたらしたと言っても良いであろう。第二次世界大戦後は、世界の富の6~70%が米国に集まり、一人勝ちの経済大国になった。その結果、戦後のブレトンウッズ体制は米国が中心となり、また「金1オンス=35米ドル」をベースに各国通貨の交換比率を定め、基軸通貨は英国ポンドから米ドルに移った。しかし、日本やドイツなどが復興してくると、米国は競争に敗れ、またベトナム戦争などで経済は疲弊。そして米国は、米ドルと金の兌換を停止した。スミソニアン協定で「金1オンス=38米ドル」に変更し、これをベースに各国通貨の交換比率を定め直したが、米国の貿易赤字拡大が止まらなかったことから、ついに変動相場制に移行することになった。

・ウィキペディア・フリー百科事典(ブレトンウッズ体制)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%83%E3%82%BA%E5%8D%94%E5%AE%9A
・ウィキペディア・フリー百科事典(スミソニアン協定)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%AE%9A


企業の多国籍化が進み、産業の空洞化も言われていた米国の貿易赤字体質は改善されず、インフレ懸念から金利引き上げが行われた時には、世界中からマネーが集まってドル高になったことから、ますます輸入が増加することとなった。その後インフレが鎮静化して金利が下がると、国内景気は回復し、その結果輸入が増えて貿易赤字はさらに増大した。このためドルへの信認が揺らぎ、ドルが不安定化することを避けるため、先進5カ国の合意により協調的なドル安を作りだした。これが「プラザ合意」である。その後行き過ぎたドル安を止めるため、「ルーブル合意」なども行われたが、財政と貿易のいわゆる「双子の赤字」を抱える国の通貨である米ドルは、その価値を下げ続けた。

・ウィキペディア・フリー百科事典(プラザ合意)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B6%E5%90%88%E6%84%8F

話は横道にそれたが、世界経済を牽引する米国経済は疲弊していたにもかかわらず、基軸通貨である米ドルを武器に借金をしながら、現在まで世界中からものを買い続けていたのである。ものを買うが、支払は借金の証文である米国債で支払う。出ていったお金を自国に還流させるシステムを作り上げたことで、世界経済を引っ張り続けてきた米国経済。そして今、米国経済の中心を占める個人消費を伸ばす源泉となった住宅の値上がりをベースとした借金システムは崩壊、米ドル還流システムも揺らぎ始めており、世界最大の買い手である米国に従来通りの役割を期待することはできなくなった。

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March 09, 2009

今後の経済について考える(その2)

今後の経済について考える(その2)

今回の経済危機は、「百年に一度」とか「未曽有」などと言われているが、昨年「サブプライムローン問題」や「リーマンショック」が騒がれていた時は、日本の銀行はそれらのデリバティブ商品をほとんど所有していないので、世界のなかでも「最も影響が少ない」と言われていた。しかし、今になってみると、大きなダメージを受けている。これはなぜなのだろうか。最大の理由は、「輸出」主導で経済成長していたことにある。前回お話ししたように、米国の過剰ともいえる強い消費と新興国の急成長という2つの大きな需要に応じて、自動車や電機など競争力の強い製造業が輸出を伸ばしてきた。しかし、「サブプライムローン問題」で傷ついた米国の消費は衰え、輸出を伸ばす事が出来なくなったのである。では新興国へ輸出すれば良いではないかという疑問が湧いてくる。しかしこれらの新興国の需要も、最終消費者である米国向けの輸出に依存していたため、米国の消費需要が減退すると、新興国の需要も同じように減ってしまったのだ。

・ウィキペディア・フリー百科事典(サブプライムローン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3


我が国輸出企業にダメージを与える原因は、これらの需要減だけではない。もう一つの大きな理由は「円高」である。ご存知のように、「リーマンショック」が起きる前までは、ほぼゼロ金利である日本の円を借りて、高い金利の通貨に投資する「円キヤリートレード」が盛んに行われていた。円を借り、他国の通貨に替えて投資するので、当然円が売られ円安になる。円安は輸出企業にとって競争上有利なだけでなく、円換算の収益も膨らませてくれる。国内投資家も為替益と高金利を狙い外貨に投資するため、ますます円安になる。このような循環により、円安が続いていた。しかし、「リーマンショック」以後は、これが逆回転し始めた。「サブプライムローン」などのデリバティブ商品の損を埋めるため、利益の出ている商品を見境なく売却する。また借入でレバレッジを効かせていた投資を手じまう。借り入れていた円を返済するため、円を買い戻す。いわゆる「円キャリートレードの巻き戻し」だ。これらの行動により、急激な円高になった。輸出企業にとり円高は、競争力の低下と円建て収益の目減りを意味する。自動車や電機など競争力の強い製造業は上場企業である。収益見通しの下方修正があると、当然株価は下がる。投資家は為替損失外に、株価下落による損失も被る。

・ウィキペディア・フリー百科事典(円キャリー取引)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%8F%96%E5%BC%95

そしてさらに被害は広がった。「デリバティブ商品」の保有は少なく、ほとんど影響はないと言われていた国内の金融機関のダメージが大きくなって来たのである。株価の下落により、自己資本の毀損が進み、企業への融資などの金融機能が麻痺し始めたのだ。ご存知の通り、銀行はいわゆるBIS規制により自己資本比率を遵守しなければならないのだが、問題は自己資本に補完的項目として有価証券含み益の45%相当額を組み入れることが出来る点にある。今回のような急激な株価下落があると、一気に有価証券含み益が吹き飛んでしまうからだ。国際業務を行う銀行は自己資本比率8%以上を、また国内業務だけでも自己資本比率4%以上が求められるので、株価下落により自己資本が毀損して自己資本比率が下がると、銀行は自己資本比率を維持するために総資産を圧縮(分母を小さくする)するか、自己資本を増やさなければならなくなる(分子を大きくする)。最近銀行が増資したり劣後債を発行するのは、自己資本を増やすためである。そしてもう一方の総資産を圧縮する方法の一つが、融資の抑制である。新規貸し出しを止め、既存の貸し出しを回収する。こうなると、必要なところに資金が回らなくなり、黒字でも資金繰り難から倒産する企業も出始める。景気悪化により収益が減り、資金繰りがうまくいかなくなると、企業倒産が増える。すると、銀行は不良債権の増加による自己資本の毀損を恐れ、ますます融資に慎重になる。悪循環の繰り返しだ。日銀が短期金利を下げ、またインターバンクをはじめ短期金融市場に資金を供給しても、それ以上先、つまり銀行から企業にはお金が流れない。財務の健全性を損なうリスクがあるにもかかわらず、日銀が企業からCPなどの買い取りを決めたのは、お金が銀行から企業に流れるパイプの目詰まりにより急速に悪化した企業の資金繰りを支援し、景気の底割を防ぐためである。なお、日銀が財務の健全性を守らなければならないのは、わが国唯一の発券銀行であり、紙幣の価値を担保する為であることは言うまでもない。

・日本銀行(バーゼル合意[いわゆるBIS自己資本比率規制])
http://www.boj.or.jp/oshiete/pfsys/04102001.htm
・三菱東京UFJ銀行(BIS自己資本比率)
http://www.bk.mufg.jp/minasama/ir/bond/bis.html
・日本銀行(2009年2月19日付「当面の金融政策運営について」)
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/k090219.pdf

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March 08, 2009

今後の経済について考える

今後の経済について考える

今月5日、全国の先陣を切り、定額給付金の支給が、青森県西目屋村と北海道西興部村で始まった。定額給付金については、首相の「さもしい」発言などもあり、かなりケチがついてしまったが、それでもお金がもらえるとなれば、庶民で受け取りを拒否する人はいないのではないだろうか。さて、この定額給付金だが、生活困窮者を助けるという目的以外に、消費に刺激を与えるという目的もあるという。だが、貯金やローン返済、日常生活資金に充てられ、経済を浮揚させるほど消費が増えることはないのではないかという意見も多く聞かれる。実際のところどうなのであろうか。

・総務省・「定額給付金の給付について」
http://www.soumu.go.jp/teigakukyufu/index.html

先月16日に内閣府が発表した2008年10―12月期のGDP(国内総生産)は、前期比年率で12.7%減となり、第一次石油危機以来の大きなマイナスとなった。世界経済の急速な落ち込みのため、輸出に急ブレーキがかかったのが主因だ。2002年2月から2007年10月までの69カ月は、戦後最長の景気回復局面と言われているが、このように息の長い景気拡大が続いたのは、米国の過剰ともいえる強い消費と新興国の急成長という2つの大きな需要に応じて、自動車や電機など競争力の強い製造業が輸出を伸ばすことができたからである。外需主導、輸出頼みだったのだ。しかし一方では、成長率の水準は低く、実感なき経済成長とも呼ばれた。これは、企業が上げた収益ほど賃金アップなどを通じて個人に分配されず、個人消費の伸びも低調であったからだと言われている。

・内閣府「2008年10―12月期のGDP(国内総生産)速報」
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe084/main1.pdf

ところで、GDP(国内総生産)と言いながら、なぜ消費や設備投資、輸出などで説明されるのだろうか。生産ではなく消費ではないかという疑問がわく。これについては、経済学の入門書に書かれている。簡単に説明すると、GDPは国内で生産された付加価値の累計で、これらはすべて等しく消費され、また等しく分配されるという「三面等価の原則」に従っているのだ。つまり、国内で生産された財やサービスは、必ず何かの用途に利用され生産と同額の支出が行われる。また、生産で生まれた付加価値は、全て誰かに帰属しているので、賃金や企業所得などに分配される。このため、GDP=国内総支出(個人消費や企業の設備投資など : GDE)で表されるのである。ちなみに、総務省から発表される統計には「国内総生産(支出側)」と書かれている。

・ウィキペディア・フリー百科事典(国民経済計算)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%B5%8C%E6%B8%88%E8%A8%88%E7%AE%97

では、内閣府が発表する支出側からみたGDPは、どのような項目からなっているのだろうか。以前にもお話ししたが、一般に「個人消費(家計最終消費支出)+民間設備投資+民間在庫投資+民間住宅投資+政府支出(政府最終消費支出+公的資本形成+公的在庫投資)+純輸出(輸出-輸入)」で説明されている。そして最近のこれらの構成比を見ると、最もの大きいのが「個人消費」で55~60%、続いて「政府支出」が15~20%、「民間設備投資」は15%前後、「住宅投資」と「純輸出」は5%未満である。2002年2月から2007年10月までの69カ月、戦後最長の景気回復局面をみると、GDPへの寄与度は「輸出」が最も大きく、構成比が最大の「個人消費」の寄与度はわずかであった。これは、わが国のGDPの伸びは米国や新興国の需要に支えられた「輸出」が主導で、個人消費拡大にはあまり結び付いていないということを示している。そして「輸出」の内訳を見ると、自動車や電機などが突出している。つまり、国際競争力の強い自動車や電機などの大手企業だけが成長に寄与していたと言っても過言ではない。誤解を恐れずに言えば、これらの企業に属していた社員以外は、戦後最長の景気回復局面といわれても実感できないのは当然のことなのである。しかし、これらの組織に属する社員といえども、企業業績ほどの分配には預かれていないのが実態なのだ。収益を従業員に分配するよりも、株主配当や経営者報酬、設備投資に回したからである。

・内閣府(統計表一覧)
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/toukei.html#qe


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March 07, 2009

ニュージーランド・フィッシュパイ

第15回ニュージーランド(NZ)料理教室

NZ料理教室に参加した。今回で8回目。講師は前回と同じ、ニュージーランド人のご夫婦である。参加者は、4つのテーブルに各5名ずつで、計20名だ。私のテーブルには、前回ご一緒した男性と、ずっと以前にご一緒した主婦の方がいた。あとは年配の女性と、20歳代前半と思われる女性だ。

今回のメニューは次の4品。
① クマラ&ベーコンサラダ
② ニュージーランド・フィッシュパイ
③ ミニ・パブロバ
④ チョコレート・ファジツ・フィンガー

レシピは次の通り(各4人前)。

① クマラ&ベーコンサラダ
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(材料)
・さつま芋 : 大2個
・薄切りベーコン : 2人分(※1人分=3~4枚)
・オリーブオイル(塗る用) : 適量
・松の実 : カップ1/4
・アボガド : 1個
・レタス : 1個
・ヴィネグットソース(例えばレモン) : 大さじ2~3

(作り方)
1,さつま芋わ薄くスライスし、オープンのトレイの上に並べる。
2.オリーブオイルをふりかける。
3.200℃の温度で15~20分間オーブンで焼く。
4.松の実とベーコンを加え、もう3分オーブンで焼く。取れ分け用のお皿で粗熱を取り、残りの材料を加える。ヴィネグレットソース(※)をサラダに加え軽くかき混ぜる。

※ヴイネグレットソースの作り方
(材料)
・オリーブオイル : 1/4カップ
・レモン果汁 : 大さじ2
・にんにく : 1かけ
・塩 : 小さじ3/4
・胡椒 : 少々
(作り方)
1. にんにく、塩、胡椒をボールに入れる。
2. 混ぜながらレモン果汁を少しずつ入れる。
3. 混ぜながらオリーブオイルを少しずつ入れる。
(生のタイムや乾燥バジルを加えても良い)


② ニュージーランド・フィッシュパイ
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(材料)
・牛乳 : 適量
・塩・黒胡椒 : 適量
・じゃが芋 : 1kg
・にんじん : 1本
・セロリ : 2本
・チーズ(すりおろし用) : 150g
・レモン : 1個
・パセリ : 適量
・鮭の切り身(皮と骨を取り除いたもの) : 300g
・鱈の切り身(皮と骨を取り除いたもの) : 300g
・オリーブオイル : 適量
・ほうれん草(きざんでおく) : 1握
・完熟トマト : 2個

(下ごしらえ)
1. オーブンを200℃に余熱しておき、大き目の鍋で塩水を沸騰させる。
2. じゃが芋の皮をむき、2cmの大きさに切る。
3. 水が沸騰したら、ポテトを加え約12分間、軟らかくなるまで茹でる。
4. その間、オーブン用の深皿を用意し、チーズ用おろし金を用意しておく。
5. にんじんの皮をむく。
6. おろし金の粗い面でセロリ、にんじん、チェダーチーズをおろしておく。
7. おろし金の細かい面を使い、レモンから薄い皮を剥いておく。
8. パセリの葉と茎を細かいみじん切りにし、これらをトレイに加えておく。

(作り方)
1. 鮭と鱈を一口の大きさに切り、トレイに加えておく。
2. 皮を剥いたレモンから果汁を絞り、オリーブオイルにふりかけ、ひとつまみの塩胡椒を加える。
3. ほうれん草とトマトを加える。
4. 全て一緒にし、よく混ぜる。
5. ポテトが茹で上がったら、ザルで水気をきりフライパンに戻す。
6. 少量のオリーブオイルをふりかけ、ひとつまみの塩胡椒を加える。
7. なめらかになるまでよく潰し、魚とおろした野菜の上に広げる。
8. 余熱したオープンの中に入れ、約40分間または表面がきつね色になるまで焼く。


③ ミニ・パブロバ
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(材料)
・卵の白身(室温に戻しておく) : 2個分
・グラニュー糖 : 2/3カップ
・キウイフルーツ、ホイップクリーム : 適量

(作り方)
1. オーブンを100℃に余熱する。クッキングシートを引いたオーブン皿を置く。きれいなボールに卵の白身を入れ、角が立つまで泡立てる。
2. 大さじ1の砂糖を加え、途切れないよう泡立て続ける。固く、つやつやとするまでさらに泡立てる。
3. 余熱したオーブントレイに山状にスプーンですくい、メレンゲが固く乾燥した状態になるまで約1時間30分焼く。オーブンから取り出し完全に冷えるまで冷ましておく。
4. ホイップクリームとスライスしたキウイフルーツと一緒にメレンゲを盛り付ける。


④ チョコレート・ファジツ・フィンガー
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(材料)
・バター : 125g
・砂糖 : 1/2カップ
・ココア : 大さじ1
・卵 : 1個
・ビスケツト(細かく砕いたもの) : 2カップ

(作り方)
1,バターは小さな鍋に入れ、焦がさないように低い温度でとろ火でグツグツと煮る。
2.バターと砂糖とココアを加え、一度バターを溶かし砂糖を溶かし、成分を溶かす。
3.卵を混ぜ、混ぜたものに加える。
4.砕いたビスケットを鍋に加える。
5.完全に混ぜ、ビスケット全体にバターをからめる。
6.薄いトレイに入れ冷めるまで置いておく(冷蔵庫にいれてもよい)。

※取り分ける前にチョコレートアイシングを塗る。
チョコレートアイシングの作り方
(材料)
・粉砂糖 : 195g
・ココア : 大さじ1
・バター(常温) : 10g(大さじ2)
・水(お湯) : 大さじ1
(作り方)
4. ボウル(サイズ : 中)に、砂糖とココアをふるいながら入れる。
5. バターと水(お湯)を加え、なめらかになるまでかき混ぜる。

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以上のレシピに従い料理を作り、その後は食事会。今回もボリュームがあったので、半分ぐらいを持ち帰った。講師のご主人の方に、ニュージーランドではいつもこれぐらいの分量を食べるのかと訊ねると、自分たちにも多すぎるとの事。チョッと安心した。今回は、ニュージーランド産のワインが2種類(ロゼとスパークリング)用意されていたが、車に乗って行ったので、パインジュースを頂いた。皆さんと協力してできた料理。話も弾み、楽しくかつ美味しく頂くことができた。是非、次回も参加したいと思う。


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March 06, 2009

マニラで見つかった精巧な偽造1万円札

マニラで見つかった精巧な偽造1万円札

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2009年3月5日付「朝日新聞(ネツト版)」によると、フィリピンのマニラ市内などで、極めて精巧な偽1万円札が出回っていることが分かったという。国家警察当局は5日までに、偽札事件として捜査に着手、情報収集に乗り出したとの事(写真 : 上が本物、下が偽物・前出朝日新聞(ネツト版)より)。

今回の偽札は、2004年から発行されている新たな偽造防止技術を施した1万円札。日本の偽札鑑定の専門家によると、「北朝鮮が関与していると言われる偽1万円札よりも数段精巧で、商業印刷のレベルを超えている。知る限り最も高精度で秀逸な出来栄えで、現金自動受払機(ATM)を通過する可能性もあり、日本円のスーパーノート(北朝鮮が関与したとされる精巧な偽造米100ドル札)が出現したと言わざるを得ない」との事(2009年3月5日付毎日新聞(ネツト版)より)。

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例えば、見る角度で色や模様が変わるホログラム(写真左・中左・中右 : 日本銀行「新しい日本銀行券(一万円券)の偽造防止技術について」より)には、固定する特殊な透明シートが使用され、また、カラーコピーやレーザープリンターでは再現できない、マイクロ文字(写真右 : 前掲より)と呼ばれる肉眼では判別が難しい小さな文字がすべて再現されるなど、最新技術が模倣されている。高性能の設備を使って大量に印刷されたとみられ、組織的に製造された可能性が強いとの事。

まだ国内には持ち込まれていないようだが、出回ったとしても一見して本物と見分けがつかないぐらい精巧なもののようだ。偽札には
① 表の右側の太いカーブの部分にある細い線が印刷されていない
② ホログラムの図柄がやや不鮮明で、なぞると本物よりわずかに凹凸がある
③ 本物では札の端部分に入っている縦棒の透かしがぼやけ、わずかに薄い
④ 紙質は似ているが、色合いなどは真札と微妙に異なる
などの違いはあるという。

もし、不審な日本銀行券を見つけた時には、ただちに近くの警察、または日本銀行まで知らせよう。
なお、偽札を作ったり、偽札と知りながらそれを使用した場合には、法律で罰せられる。また、本物の日本銀行券の額面を書き換えたり、切ったりして変造することも、同じように法律で罰せられるのでご留意を。

主な取締法規)
▽ 通貨偽造・変造罪(刑法第148条第1項)
  → 無期又は3年以上の懲役
▽ 偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)
  → 無期又は3年以上の懲役

(ご参考)
日本銀行「新しい日本銀行券(一万円券)の偽造防止技術について」
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako03/bnnew3.htm
2009年3月5日付朝日新聞(ネツト版)
http://www.asahi.com/international/update/0305/TKY200903050311.html
2009年3月5日付毎日新聞(ネツト版)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090305-00000012-maip-soci

( ご参考 : 当ブログ)
2007年9月24日付「アナタの財布も危ない!ニセ札の恐怖」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2007/09/post_0839.html
2006年7月17日付「ニセ札はなぜ見破られるのか?」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2006/07/post_1889.html
2005年10月18日付「偽造ユーロ紙幣現る」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2005/10/post_cd3a.html
2005年1月22日付「これで偽札を撃退しよう!」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2005/01/post_29.html
2005年1月8日付「贋札は持たず、作らず、使わせず」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2005/01/post_10.html

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March 01, 2009

地方自治法施行記念貨幣(平成22年度前半発行分)決定

地方自治法施行記念貨幣(平成22年度前半発行分)決定

平成21年2月26日、財務省は平成22年度前半に発行する「地方自治法施行60周年記念貨幣」について発表した。発行される県とテーマは次の通り。 
 
① 福井県(テーマ : アジアの恐竜研究拠点)
② 岐阜県(テーマ : 長良川の鵜飼)
③ 高知県(テーマ : 坂本龍馬と太平洋~時代を切り拓いた土佐人とその風土)

詳細は次のHPをご参照願いたい。

財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk210226.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page48.html

(ご参考)
平成21年前半
・長野県(テーマ : 上高地・善光寺と牛)
・新潟県(テーマ : トキと佐渡島・トキと棚田)

平成21年後半
・茨城県(テーマ : 科学技術創造立県)
・奈良県(テーマ : 平城遷都1300年祭)


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