« 世界遺産・シギショアラ観光 | Main | ロープストリートとカテリーナ門 »

July 06, 2009

世界遺産・ビエルタンの要塞教会

ブルガリア・ルーマニアの旅(第22回)

Dsc02667Dsc02677Dsc02680Dsc02686

午後1:20、バスでシギショアラを出発。ホップ畑の続く中、一直線の道路を走り抜ける。「ビエルタン」は、シギショアラから南西約27kmに位置する。30分ほどで到着。午後1:52、バスから降りて、入場口のある建物に入る(写真左)。階段を上り(写真中左)、踊り場に出た後さらに階段は続く(写真中右左)。こちらの階段は、シギショアラの「山上教会」に行くために昇った階段と同じで、屋根付きの木製である。階段が何段あったのかは、数えるのを忘れていたので分からないが、「山上教会」ほどではない。階段を上り表に出ると、正面に「要塞教会」(写真右)が現れた。

ここで「要塞教会」についての概要を知るため、現地で入手した「ビエルタン要塞教会(日本語版)」の解説文を引用する。「ビエルダンという町は、1283年の文書にその名がはじめて出ており、ザクセン人のトランシルバニアにおける最古の集落です。要塞の中の教会は、さらに昔からあったカトリック教会の場所に建てられました。最初はカトリック教会として使われたが、十六世紀初頭の宗教改革以降エヴァンゼル教会になりました。壮大なゴシック様式の建物ですが、説教台、北の門、財宝の置場などにルネッサンスやバロックの要素も見られます。この教会はトランシルバニアにおけるザクセン人の最大の教会のひとつで、1993年からUNESCO世界遺産に登録されています」。

Dsc02766Dsc02759Dsc02694Dsc02698Dsc02695Dsc02697Dsc02696Dsc02699


この「要塞教会」(写真左・中左)は、オスマン・トルコの侵略を防ぐため、三重の巨大な厚い壁に守られている。この地域に要塞教会は幾つもあるが、他で三重のものは無いようだ。教会内に入ると、正面に素晴らしい祭壇がある(写真中右)。この祭壇はトランシルバニアで最大級のもの。1483年~1513年の間に、ニユルンベルグやウィーンの師匠達によって制作され、28枚の絵が掲げられている。三部から成る開閉式で、閉じたままでは10枚、完全に開いた状態で18枚の絵を見る事が出来る。我々が訪れた時は祭壇が開かれていたので、中央に置かれたイエスの磔の彫像(写真右)と18枚の絵が見える。最上段中央(写真下左)には、十二使徒とキリストの磔の絵が、また祭壇左扉には「聖母マリアの出産」や「聖母マリアとジョセフの婚約」の絵(写真下中左)などが見られる。祭壇右扉には「受胎告知」や「イエスの生誕」など(写真下中右)、また最下段では「聖母マリアの家族」など(写真下右)の絵が描かれている。

Dsc02710Dsc02709Dsc02708Dsc02718

祭壇に向かって左手には、「財宝蔵」(写真左)がある。1515年に造られたもので、樫の木製の頑丈な扉(写真中左)が付けられ、表側には美しい彫り込みのデザインがなされている。注目すべきは、19種類のロック装置。うち4種類は鍵で動かし、残り15種類はレバーで動かすようになっているという(写真中右・右)。

Dsc02731Dsc02719Dsc02693
「財宝蔵」の手前、祭壇に向かった両側には、聖職者の座席がある。菩提樹の木に象牙などを嵌めこんで造られた、非常に美しいもの。祭壇に向かって右側に司教、神父などが、そして左側に他の聖職者が座る決まりになっていたとの事(写真左 : 祭壇に向かって右側)。教会の中央にある「説教台」も素晴らしい(写真中)。1523年に、ブラショフのユルリッヒ師匠により、一塊の石から彫られたもので、ルネッサンスの影響を受けたゴシック様式。説教台のカバーは、1754年に造られた。木造のバロック様式。教会西側のパイプオルガン(写真右)は、1869年、ウィーンのカール・ヘッセによって制作されたもので、350本のパイプを持つ。数回修復され、現在も良好な状態を保っているようだ。

Dsc02748Dsc02747

教会の建物を出て、公開されている一つの塔を覗くと、男女の人形が置かれていた。ここは「家族用監禁所」である(写真)。離婚希望のカップルが閉じ込められる部屋だ。ここにはベッド、テーブル、椅子、スプーンなどがそれぞれ一つしか無いため、カップルの二人はすべてを共有しなければならず、離婚を止めるまでこの部屋から出られなかったという。

Dsc02743Dsc02755Dsc02754


最後に、堡塁からビエルダンの村を眺めた。赤い屋根の集落と緑の丘陵は、中世の村がそのまま目の前に広がっているようで、非常に素晴らしい(写真)。

ウィキペディア・フリー百科事典(ビエルタン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3
ウィキペディア・フリー百科事典(ビエルタン : 英語版)
http://en.wikipedia.org/wiki/Biertan
ビエルタン案内(英語版)
http://www.biertan.ro/


約1時間の見学を終え、午後2:45ブラショフに戻るためバスで出発した。午後4:10~4:32、来た時と同じガソリンスタンドで トイレ休憩を取り、午後5:45、ブラショフのホテルに到着した。一旦部屋に戻り、入浴と資料整理を済ませ、午後6:55、市街散策に出かける。本日の夕食は午後8:00から。時間は十分にあったので、昨日、スファルトゥルイ広場にあるインフォメーションセンターでもらった地図に書かれている観光ポイントのうち、まだ廻っていない場所と、ブラショフ最大のデパート「スター百貨店」を訪ねることにした。

Dsc02785Dsc02786Dsc02787Dsc02788

最初に訪れたのは「スター百貨店」(写真)。全部で4フロアあったので、最上階から順に各フロアを廻りながら下りてきた。ここも、他のヨーロッパの国々の百貨店と同じような雰囲気。日本の百貨店とは大きく異なり、どちらかと言えば単独で建つ(複合型ではない)大型スーパーと言った感じである。4Fはスポーツ用品、おもちゃ、雑貨、書籍など、3Fは紳士物で、2Fが婦人物、1Fは文具、書籍、宝石・貴金属などの売り場だ。ここでの買い物は、書籍売り場で購入した「ルーマニア語―英語」の辞書1冊。普段使うことはないが、例えばこのブログを書く時に、ルーマニア語の資料しかなかった場合などに役立つのだ。

スター百貨店
http://www.tourist-informator.info/en/tourist-information/brasov/services-shopping-magazinul_universal_star-197-brasov/presentation/


Dsc02794Dsc02795Dsc02824Dsc02828

「スター百貨店」を出ると、小雨が降り始めた。傘を持っていたので、そのまま「Nicolae Balcescu通り」を、南西方向に向かって歩きはじめた。石畳の道が一直線に続く。道の中央には、屋外カフェのテーブルと椅子が並び、洒落た雰囲気だ(写真左・中左)。500mほど歩いたところで右折し、50mほど北に進むと、スファルトゥルイ広場に出た。インフォメーションセンターでもらった地図に書かれている観光ポイントの中で、まだ行っていないポイントにも行こうと思っていたのだが、百貨店で予想外に時間を使ってしまった。出発時間が近づいていたので、「聖母被昇天教会」(写真中右)と「CASA MURESENILOR 博物館」(写真右)で写真を撮り、ホテルへ戻ることにした。

ブラショフ観光情報ウエブサイト(聖母被昇天教会 : 英語版)
http://www.brasovtravelguide.ro/en/brasov/sightseeing/other-church.php
CASA MURESENILOR 博物館(英語版)
http://www.museum.com/ja/museum/id=15063&show=1
http://www.muzeulmuresenilor.ro/mureseni_eng/index.html


午後7:50 、一旦部屋へ戻り、午後8:00、ロビーに集合。当初、レストランまで歩いて行く予定であったが、雷を伴う強い雨になったため、バスで行くことになった。徒歩で2~3分と場所に行くのに、バスだと一方通行等の規制があるため、約10分後の午後8:10 頃レストランに到着した。しかし、バスはレストランの前に泊まれないため、バスを降りてからレストランまでの100~150mを濡れながら歩かなければならなかった。レストランの名前は「CERBUL CARPATIN」。我々が宿泊しているホテル「アロー・パレス」の系列レストランだ。

Dsc02864Dsc02888Dsc02876Dsc02880Dsc02899Dsc02903Dsc02909Dsc02914Dsc02915Dsc02920Dsc02944Dsc02953

最初に通されたのは、レストランの地下にあるワインセラー。ワインの入った樽が寝かされている通路を抜け(写真左)、軽食の用意された部屋に出る。ここで音楽と踊りを楽しみながら、ワインのテイスティングである(写真中左・中右・右)。ワインは、赤2種類と白2種類。ここで30分ほど楽しんだ後、1Fのレストランに移動。ここでも、音楽と踊りを楽しみながら食事をとる。数多くの音楽と踊りが披露されたが、どれが何の踊りなのかということについては、サッパリわからない。写真だけはたくさん撮って来たので、ご紹介する(写真中段・下段)。

午後8:50~10:30までの約1時間半、夕食を楽しみ、バスでホテルに戻る。午後10:45、ホテルに到着。風呂で汗を流して、午後11:15ベッドに入る。

ホテル・アロー・パレス系列レストラン「Cerbul Carpatin」
http://www.aro-palace.ro/restaurante_cerbul_carpatin_en.htm


(参考文献)
・「’09~’10地球の歩き方 ブルガリア・ルーマニア」(地球の歩き方編集室編)[ダイヤモンド・ビッグ社刊]
・「ビエルタン要塞教会(日本語版)」(S.C.DABI GRUP SRL Medias jud.Sibiu編)
・「旅名人ブックス ルーマニア」(旅名人編集室編)[日経BP企画刊]
・「図説バルカンの歴史(ふくろうの本)」(柴宣弘著)[河出書房新社刊]


« 世界遺産・シギショアラ観光 | Main | ロープストリートとカテリーナ門 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/53560/45479355

Listed below are links to weblogs that reference 世界遺産・ビエルタンの要塞教会:

« 世界遺産・シギショアラ観光 | Main | ロープストリートとカテリーナ門 »