ジャイプル観光(その2 : ジャンタル・マンタル、シティ・パレス、ビルラー寺院)
インドの旅(第15回)
昼食を終え、我々は次の目的地である「ジャンタル・マンタル」に向かった。旧市街の中にあるので、「アンベール城」から朝来た道を戻り、「ゾラワル門」から街中に入る。旧市街の中心より東側に位置する。
「ジャンタル・マンタル」とは天文台のことで、「ジャンタル」は「機械装置」を、「マントラ」は「魔法の手法」を意味する。この天文台は、1728年、ジャイプルの街を築いた「ジャイ・スィン二世」によって造られた。彼はここだけでなく、1724年にデリーで、また1734年ウッジャイン、1737年バナーラス、1738年マトゥーラにも天文台を造っている。これらの中でもジャイプルのものが最大で、最重要視されており、1901年の修復作業を経て、保存状態も良好だ。
「ジャイ・スィン二世」は、生涯を通じて天文学に取り組んでおり、インド最後の古典天文学者だと言われている。ペルシャやヨーロッパの文献を読み解き、ウルグ・ベクの天文台(現ウズベキスタン・サマルカンド)も参考にしながら、天文観測をより正確に行うべく、日時計や照準儀、子午線儀などの観測儀を巨大な寸法に拡大して屋外に造ったのである。
全部で20種類以上の巨大な観測儀が置かれていたが、見学する時間があまりなかったので、数種類を見るだけで終わった。最も印象に残ったのは、「サムラット・ヤントラ(大きな日時計)」(写真左)だ。世界最大の日時計で、最も高い部分は27.4mもある。2秒単位の時間計測ができるという。その他には、「ラグ・サムラット・ヤントラ(小さな太陽)」や「ジャイ・プラカッシュ・ヤントラ」、「ラーシ・ヴァラヤ・ヤントラ(黄道12宮儀)」や「ナリ・ヴァラヤ・ヤントラ」なども面白い。「ラグ・サムラット・ヤントラ」(写真右)は、「サムラット・ヤントラ」の小型版で、20秒単位で時間を計ることができる日時計である。
「ジャイ・プラカッシュ・ヤントラ」(写真左)は、半円球の形をしており、太陽の位置、日の出、その他天体の位置観測に使用され、観測所内の他の観測機器すべてのダブルチェックとして機能するのだ。「ラーシ・ヴァラヤ・ヤントラ(黄道12宮儀)」(写真右)という12体からなる観測儀もある。それぞれが12の各星座の方向に向かっており、占星術師が利用したとの事。皆さん、それぞれ自分の星座の前で、記念写真を撮っていた。当然私も一枚、シャッターを押してもらった。ちなみに、私は蠍座である。
「ナリ・ヴァラヤ・ヤントラ」には、二つの円が付いており、一方が北半球、もう一方が南半球での太陽の位置を観測するのに使われたという。
ウィキペディア・フリー百科事典(ジャンタル・マンタル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB
ウィキペディア・フリー百科事典(ウルグ・ベク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%99%E3%82%AF
「ジャンタル・マンタル」での見学を終え、その後我々は、隣接する「シティ・パレス」に向かった。
14:15~14:48 「シティ・パレス」見学
「シティ・パレス」は、1726年、「ジャイ・スィン二世」によって造られた宮殿だ。旧市街の中心に位置し、街の七分の一の面積を占めている。「シティ・パレス」と呼ばれるのは、旧アンベール宮殿や新近代のラムバーグ宮殿と区別するためのようだ。宮殿には「サワイ・ジャン・シング」がアンベールから移り住み、今も王族が暮らしているとの事。
「ビレンドラ・ポル」(写真左)と呼ばれる装飾門をくぐり敷地内に入ると、中庭が広がる。その中央にあるのが「ムバラク・マハル(迎賓館)」(写真右)だ。1899年、賓客を迎える目的で、「サワイ・マドー・シン二世」により建てられた。設計は、英国の建築家「サミュエル・ジェイコブ」である。現在は、歴代の王が使っていた衣類などを展示する、「テキスタイル博物館」になっている。最初に我々は、博物館の見学から始めた。なお、内部の写真撮影は、固く禁じられている。
博物館には、「9kgの金糸を使ったマハーラーニーのサリーやマハーラージャが寺参りに行く時に着たサンガネール染めのローブなどがある。展示品の中で特に目を引くのが、シタールの後ろに展示されている真紅のガウン。バナーラスで特別に作らせたシルクのガウンは、サワーイー・マド・スィン一世(在1750~68)のもの。その巨大さから想像できるように、KONISHIKI並みの体の持ち主だったそうだ」(「地球の歩き方 ‘11~’12 インド」より)。
博物館を出て後、「ラージェーンドラ門」(写真左)を通り抜けて次の広場に向かう。そこにあるのは「ディーワン・イ・カース(貴賓謁見の間)」(写真右)だ。
「1730年の竣工で、大理石舗装の美麗なギャラリーがあり、現在は折に触れ式典などに使用されています。ホールの外にはガンガリジャスと呼ばれる巨大な銀製の壺が2個置かれています」(「デリー・アグラ・ジャイプル」より : 写真)。「1902年、エドワード七世の戴冠式に出席するためにマハーラージャがイギリス旅行に行く際、持って行ったといわれるもの。大変敬虔なヒンドゥー教徒だったマハーラージャは、この壺にガンガーの水を入れて、旅の途中でも常に体を清められるようにはるばるイギリスまで船で運ばせて、毎日沐浴をしていたそうだ。この銀の壺は人間の背丈ほどの高さがあり、ギネスブックにも登録されている世界で一番大きな銀製品」(「地球の歩き方 ‘11~’12 インド」より)との事。
約30分で見学を終え、トイレ休憩を兼ね、カーペットとテキスタイルのお店に行く。後で気が付いたのだが、「シティ・パレス」で有名な「月の宮殿」は訪ねていない。博物館ではなく、この宮殿を見に行けば良かったと、少々後悔している。
14:58~15:44 カーペットとテキスタイルのお店でショッピング





ここでは最初に染色の工程を見せてくれ(写真上段)、その後店に案内された。一通り見て廻るが、特に欲しいものはない。しかし、奥の一角にミニアチュールが見えたので行ってみた。カジュラホで手に入れたような書籍ではなく、こちらは一枚ものである。十数枚見せてもらっている中に、街と庶民の生活(写真下段左)を描いたものがあり、なかなか良い作品だったのでこれを購入することにした。これはライスペーパー上に描かれたものだが、絹の上に描かれた像の作品(写真下段右)もあったので、これも追加した。こちらは、「Mazanu」という作家が描いた最近のものだ。時計を見ると少し時間オーバーである。しかし、他の皆さんも買い物に忙しく、予定の時間を大きく超えてしまった。
Shree Carpet & Textile Mahal
http://www.sarrafgroup.com
旧市街から西へ約2km。バスで「ビルラー寺院」に向かう。途中、「中央博物館(アルバート・ホール)」(写真)の前を通る(写真)。この博物館は、1863年、イギリスのアルバート王子により建てられたもので、インド・サラセン様式の秀逸な建築物と言われている。設計はサー・スィントン・ジェイコブの手によるもので、建築様式は英国に現存する建物がモデルになっているにもかかわらず、アーチ付ベランダやドーム型のパビリオンなど、ムガル様式の影響を受けているのが分かる。博物館は1887年に開館され、考古学に関する品々や、手芸工芸品などを所蔵する、ラジャスタン州最古の博物館だ。
1988年、ビルラー家によって建てられたヒンドゥー教の寺院。「ラクシュミ・ナラヤン・マンディル」とも呼ばれる。この寺院が建てられている敷地は、ビルラー財団が、わずか1ルピーというお印(しるし)だけの金額でマハラジャから購入したものだ。真っ白な外観のノーマルなヒンドゥー教寺院だが、「その内部が非常にユニーク。キリスト教教会のような色鮮やかなステンドグラスがあるのだ。もちろんそのモチーフはヒンドゥーの神話の神々」(前掲書より)である。なおここでは、門をくぐる前に靴を脱がなければならない。雨の日も同じ?
ウィキペディア・フリー百科事典(ビルラー寺院 [Birl Mandir,Jaipur : 英語版])
http://en.wikipedia.org/wiki/Birla_Mandir,_Jaipur
約30分で観光を終え、バスでホテルに戻る。
17:00 ホテルに到着
17:10 入室
夕食まで時間があったので、入浴、資料整理、荷物整理を済ませ、しばらくベッドの上で休む。
20:00~22:00 ホテルのレストランで夕食、その後、添乗員と話す



夕食のメニューは、次の通り。
・トマトスープ(写真左)
・パスタ&チーズソース(写真中)
・野菜&クリームソース(写真中)
・魚&黒豆ソース(写真中)
・野菜だんご、あんかけ(写真中)
・野菜焼きそば(写真中)
・マトンとグリンピースのキーマ(写真中)
・インドスパイスチーズ(写真中)
・インド風デザート(写真右)
・コーヒー
1時間ほどで食事を終える。中庭では、インド・フォークロアダンスがあるとの事だったが、本日訪れた場所でわからないこと、聴き洩らしたことなどを確認するため、レストランで添乗員と話し込んだ。
23:00頃 就寝
(参考文献)
・「地球の歩き方 ‘11~’12 インド」(地球の歩き方編集室)[ダイヤモンド・ビッグ社刊]
・「図説インド歴史散歩」(岩瀬一郎他編)[河出書房新社刊]
・「インド建築案内」(神谷武夫著)[TOTO出版刊]
・「インド古寺案内」(神谷武夫著)[小学館]
・「週刊世界遺産27(インド)」(菅家洋也編)[講談社刊]
・「週刊世界遺産83(インド)」(伊藤裕編)[講談社刊]
・「イスラーム建築の見かた」(深見奈緒子著)[東京堂出版刊]
・「デリー・アグラ・ジャイプール」(ラジャラマパンダ著)[ミッタルパブリケション刊]
・「デリー・アグラ・ジャイプル」(ダンラジ・アスワニ著)[シュリナート・ニューススタンド刊]



















