July 08, 2009

地方自治法施行60周年記念5百円貨幣(長野県、新潟県)の引換について

地方自治法施行60周年記念5百円貨幣(長野県、新潟県)の引換について

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平成21年6月15日に財務省から発表されたのでご存知のことと思うが、7月15日(水)に「地方自治法施行60周年記念5百円貨幣(長野県、新潟県)」(写真左 : 長野県 ・ 写真右 : 新潟県 / 財務省のHPより)の引換えが始まる。引換取扱機関については、銀行(信託銀行、ゆうちょ銀行など)、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合など多岐にわたるが、地域によっては取り扱いしない金融機関もあるので注意が必要だ。

各引換取扱機関の引換枚数及び引換開始時刻については、各店舗の店頭に、本日7月8日(水)から掲示される予定なので、確認しておく方が良いであろう。

財務省のHP(引換取扱機関)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk210615itiran.htm
財務省のHP(地方自治法施行60周年記念5百円バイカラー・クラッド貨幣(長野県、新潟県)の概要)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk210615sankou.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page56.html
当ブログ関連(地方自治法施行60周年記念貨幣・長野県と新潟県の図柄決定)
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2008/12/60-b964.html

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June 14, 2009

地方自治法施行60周年記念貨幣・茨城県と奈良県の図柄決定

地方自治法施行60周年記念貨幣・茨城県と奈良県の図柄決定

平成21年6月5日、財務省は地方自治法施行60周年記念貨幣のうち、茨城県及び奈良県分の貨幣(千円プレミアム型銀貨幣及び五百円バイカラー・クラッド貨幣)の図柄を決定したと発表した。
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茨城県の千円プレミアム型銀貨幣は、表面が「H-2ロケットと筑波山」(写真左)、裏面は全都道府県共通の「雪月花」(写真下左)。五百円バイカラー・クラッド貨幣は、表面が「偕楽園と梅」(写真中左)、裏面は全都道府県共通の「古銭のイメージ」(写真下右)である。また奈良県の千円プレミアム型銀貨幣は、表面が「大極殿正殿と桜と蹴鞠」(写真中右)、裏面は全都道府県共通の「雪月花」(写真下左)。五百円バイカラー・クラッド貨幣は、表面が「遣唐使船」(写真右)、裏面は全都道府県共通の「古銭のイメージ」(写真下右)である。
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なお、発行は平成21年後半の予定だ。
※写真はすべて財務省のHPから
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財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk210605.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page48.html

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April 13, 2009

100兆ジンバブエ・ドル紙幣

100兆ジンバブエ・ドル紙幣

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昨年12月18日付当ブログで取り上げた「ジンバブエ(ZW)・ドル紙幣」。当時最高額面のものとして「一千億ZWドル紙幣」をご紹介したが、その時点では既にデノミが実施され、「一千億ZWドル」が「新10ZWドル」になっていた。その後もインフレは収まらず、ジンバブエ政府が「新5億ZWドル紙幣」と「新2億ZWドル紙幣」の発行を決めたこともお伝えした。しかし驚くことに、その後さらにハイパーインフレが進行したため、100兆ZWドル紙幣まで発行されたと言うのだ。今回ご紹介する最初の紙幣はこれだ。(写真 : 100兆ZWドル紙幣の表と裏)

当ブログ・平成20年12月18日付「一千億ジンバブエ・ドル紙幣」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2008/12/zw-a348.html


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ところが、話はここで終わらない。今年2月に1兆ZWドルを1ZWドルにするデノミを行ったのである。これでは紙幣を発行する意味がないのではないかと思っていたら、同月、ジンバブエ政府は、公務員に対して米ドルによって給与を支払うと発表。これによりジンバブエ・ドルは全く流通しなくなったという。今回ご紹介するもう一つの紙幣は、このデノミ実施後のものである(写真上2枚 : 10兆ZWドル紙幣は2月のデノミ実地前のもので、デノミ実地後の10ZWドルに等しい・写真下2枚 : 新10ZWドル紙幣の表と裏)。

これらの紙幣は、「ネットのコイン屋さん・アイコインズ」の「4月の闇市」で入手することが出来た。インフレ紙幣を収集している私としては、見逃せない品であった。購入したのは、昨年8月に実施されたデノミ以降に発行された紙幣が、100万ZWドル、1千万ZWドル、5千万ZWドル、1億ZWドル、5億ZWドル、50億ZWドル、100億ZWドル、200億ZWドル、500億ZWドル、10兆ZWドル、20兆ZWドル、50兆ZWドル、100兆ZWドルの13種(2億ZWドル、10億ZWドルと100万ZWドル未満の11種類は未入手)と、今年2月のデノミ実施以降に発行された 1ZWドル、5ZWドル、10ZWドル、20ZWドル、50ZWドル5種(100ZWドルと500ZWドルは未入手)の計18種である。

1ZWドル=0.417円(4月9日現在)との事なので、今回購入した紙幣を日本円に換算すると、前者が約75円、後者は約36円の、合計で約111円だ(ちなみに購入価格は10,000円)。桁数に目がくらんでしまうが、円換算すると大した金額ではない。しかしこのように計算してみると、ハイパーインフレがいかに恐ろしいかが良く分かる。経済がここまで破壊されてしまうと、紙幣は貨幣の3つの機能(「価値の尺度」「交換の媒介」「価値の保蔵」)を、まったく果たさなくなってしまうのだ。

ところで、一つ気になることがある。それは、1枚の紙幣の印刷代の方が紙幣の価値より高いのではないかということである。日本の紙幣の場合、1枚当たりのコストが十数円と言われているので、「ジンバブエ・ドル」も同じだと仮定するならば、20ZWドル紙幣(日本円換算で約8円)では採算割れである。通常、紙幣を発行するとシニョリツジ(貨幣発行差益 : 通貨の額面と発行費用との差額)が生まれるのだが、ジンバブエの場合は、50ZWドル紙幣以上でないと採算が取れないのだ。しかもインフレが進行しているので、明日になれば50ZWドル紙幣でもシニョリツジが生まれるか否かは分からない。ジンバブエには紙幣を印刷する能力がないので、ドイツの印刷会社に外注しているようだが、すぐ無価値になる紙幣を造るために、外貨を無駄遣いしている時ではないように思うのだが・・・・。

※「ジンバブエ・ドル紙幣」については、ジンバブエ中央銀行のサイトにアクセスできないため、その他のネット上の情報でしか知ることが出来ない。ゆえに、情報の正確性については担保出来ないが、以下のサイトを参考にしたことを申し添えておく。

ウィキペディア・フリー百科事典(ジンバブエ・ドル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%96%E3%82%A8%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%AB
ジンバブエ・ドルの外国為替レート(対円)
http://ja.exchange-rates.org/Rate/ZWD/JPY
ネットのコイン屋さん・アイコインズ
http://www.rakuten.co.jp/icoins/791369/

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April 03, 2009

地方自治法記念貨幣(平成21年度前半発行分)の打ち初め式

地方自治法記念貨幣(平成21年度前半発行分)の打ち初め式

平成21年4月1日、造幣局は「地方自治法施行60周年記念貨幣(平成21年度前半発行分 : 長野県・新潟県)」の打初め式を、平成21年4月14日(火曜日)に実施すると発表した。詳細は造幣局のHPをご参照願いたい。

造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page50.html
地方自治法施行60周年記念千円銀貨幣(長野県分)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk201205/nagano1.pdf
地方自治法施行60周年記念5百円バイカラー・クラッド貨幣(長野県分)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk201205/nagano2.pdf
地方自治法施行60周年記念千円銀貨幣(新潟県分)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk201205/niigata3.pdf
地方自治法施行60周年記念5百円バイカラー・クラッド貨幣(新潟県分)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk201205/niigata4.pdf

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March 21, 2009

政府紙幣コレクション(その2)

政府紙幣コレクション(その2)

④ 「改造紙幣」

前回、「新紙幣(明治通宝)」(通称 : ゲルマン紙幣)は、「太政官札」などの旧札と交換して紙幣を統一するという目的を果たし、明治11年頃には流通札が「新紙幣」一色になったというお話をした。しかしこの紙幣は改ざんされ易く、また傷み易かったので、明治14年に「改造紙幣」と呼ばれる紙幣が発行されることになったということもお話しした。今回は、その新しく発行された「改造紙幣」についてご案内する。

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10円、5円、1円、50銭、20銭(写真)の5種類が発行された。当初の紙幣改造計画では、10円、5円、1円の3種類を発行して「新紙幣(明治通宝)」と交換、半円、20銭、10銭の「新紙幣(明治通宝)」については、銀銅の補助貨(硬貨)と交換することになっていた。しかし少額券の損傷が多いにもかかわらず、補助貨幣の鋳造が進まなかったため、50銭、20銭の少額紙幣も発行されることになったのである。

「改造紙幣」のうち、10円、5円(写真)、1円については、表面に「神功皇后」がデザインされていることから、これらの紙幣は「神功皇后札」と呼ばれている。紙幣の原版彫刻は、イタリア人のエドアルド・キョッソーネが製作した。「神功皇后」の顔立ちが西洋人的な印象を持っているのは、外国人による原版の作成だったからだと言われている。「容貌に関しては「日本書紀」中に、幼にして聡明叡智、容貌壮麗という文があるだけで、このほかによるべきものはなく、この短い文から想像して、イタリア人キヨソネが原図を描き原版彫刻を行ったのである。しかし実際は印刷局勤務者の中で美人と目される数名の写真から眉・眼・鼻・口などを参考として、今日行われているモンタージュ写真作成と似た方法を用いて、一つの像を完成したのではなかろうかと推定されている」(「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」より)との事。ちなみに、明治14年に発行された1円札よりも明治15年に発行された5円札の方が、「神功皇后」の顔は日本人的になっており、明治16年に発行された10円札は、さらに日本人顔になっている。

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ところで、なぜ「神功皇后」の肖像が選ばれたのであろうか。それは、「紙幣局の伺いによると、わが国貨幣の濫觴ははっきりしないが、「日本書紀」中に神功皇后が摂政のとき三韓から金銀を貢納した明文があり、このことは古来、金銀が貴重な存在であったことの徴証と考えられるので、皇后の尊影を掲載することを案出したとある。そのほか当時の征韓論なども影響しているものと考えられよう」(前掲「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」より)との事。
この「改造紙幣」は、その形・色が美しく、紙質も良かったことから、非常に好評を博したという。なお、10円札と5円札には、初めて「透かし」がすき入れらた。

・ウィキペディア・フリー百科事典(改造紙幣)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%B9%E9%80%A0%E7%B4%99%E5%B9%A3
・ウィキペディア・フリー百科事典(神功皇后)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%8A%9F%E7%9A%87%E5%90%8E
・ウィキペディア・フリー百科事典(エドアルド・キヨッソーネ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A8%E3%83%83%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%8D


(参考文献)
・「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」(日本銀行調査局編)[東洋経済新報社刊]
・「日本貨幣カタログ」(日本貨幣商協同組合編・刊)
・「日本紙幣収集事典」(石原幸一郎編)[原点社刊]
・「紙幣肖像の歴史」(植村峻著)[東京美術刊]
・「お札になった人々」(武光誠著)[青春出版社刊]
・「詳説日本史」(石井進ほか著)[山川出版刊]
・「新編日本史図表」(坂本賞三ほか編)[第一学習社刊]

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March 14, 2009

政府紙幣コレクション(その1)

政府紙幣コレクション(その1)

10年ぐらい前から、日本が構造的デフレを抜け出すための政策として、「政府紙幣」の発行が叫ばれるようになった。ノーベル賞経済学賞受賞者で経済学者のスティグリッツや、米連邦準備制度理事会(FRB)議長のバーナンキなども「政府紙幣」の発行を支持している。また今月10日に、自民党の政府紙幣と無利子国債を検討する議員連盟(田村耕太郎会長)は、「政府紙幣」などの発行を政府に求める提言をまとめた。

こういった「政府紙幣」の話が出ると、前例を見るため、過去に発行された「政府紙幣」について触れることも多いが、中央銀行制度が出来た後に発行された「政府紙幣」は、補助単位の少額のものに過ぎず、現在提言されている「政府紙幣」を議論する場合の参考とするには無理がある。しかしコレクターの立場から、「政府紙幣」と称されるものを集めてみるのは面白い。そこで今回、一般に「政府紙幣」と言われるものを集めてみた。
なお、海外でも数多くの「政府紙幣」が発行されているが、ここでは国内のものだけを取り上げた。

※フランスの革命政府が発行した政府紙幣「アッシニア」については、当ブログ、2009年2月15日付「第6回おおさか大収集まつり」をご参照願いたい。
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2009/02/26-131b.html


① 「太政官札」

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明治維新直後、財政補填と産業振興に充てるため政府が発行した紙幣で、十両、五両、一両、一分、一朱(写真左 : 表面・右 : 裏面)の5種類がある。明治元年(慶応4年 : 戊辰)5月から明治2年7月まで発行され、発行高は4,800万両にもなったが、当初の目的の一つである産業振興にはほとんど使われず、財政補填、特に軍事費として支出された。大政奉還後も「鳥羽伏見の戦い」や「戊辰戦争」など幕府軍との戦いが続いていたからである。経済の実力を遥かに超える紙幣が発行されたため、「太政官札」の価値は金百両に対し40両にまで下がったが、明治2年5月の布告で「金札5,000万両増発計画を3,250万両に制限すると同時に、通用期限13カ年を5カ年に短縮し、金札製造器械の焼棄を決め、明治2年冬から同5年までに新貨をもって金札を兌換し、この兌換にもれる金札があれば1カ月5朱(年6分)の利子をつけることにした」(図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―より)ことから、相場は持ち直した。しかし、「太政官札」の信用が上がると、今度は偽札が出回り、流通が阻害されるようになった。

写真の「太政官札」は、明治元年(慶応4年 : 戊辰)に発行されたもので、通用期限は13年である。昨今の政府紙幣に関する解説の中に、紙幣の流通期限近くになると日銀券と交換しようとする動きが出たり、政府紙幣を受け取らなくなるのではないかといった内容のものを見かけたが、これは、「政府紙幣」→「太政官札」→「流通期限」というイメージから出てきたものなのであろう。

ところでこれらの「太政官札」は、明治2年5月の布告通り、新貨に兌換されたのであろうか。答えは「否」である。元々財源がなく、金札の価値、信用を回復させるための布告に過ぎず、結局新紙幣(※)との交換をはかり、再び「太政官札」を不換紙幣化して、先の正貨兌換の約束を反故にしたのである。なお、1カ月5朱(年6分)の利子をつけることは実施され、「金札引換公債証書」と交換された。

(※)「新紙幣」は、③で取り上げる「新紙幣」(「明治通宝」 : 通称「ゲルマン紙幣」)のこと。

・ウィキペディア・フリー百科事典(太政官札)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E6%94%BF%E5%AE%98%E6%9C%AD


② 「民部省札」

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先にみた通り、「太政官札」は5種類発行されたが、概して額面が大きく、日常取引に支障を生じていた。この少額紙幣不足を補うために発行されたのが「民部省札」である。「太政官札」でも「一分」と「一朱」は発行されていたが、これらの少額札は発行された札全体の13%にすぎなかったのだ。太政官制が続いていたのに、「太政官札」ではなく「民部省札」という名称になったのは、当時「大蔵省」と「民部省」が合併したばかりで、通貨政策は「民部省」が担当していたからのようである。

「民部省札」は、二分、一分、二朱(写真左 : 表面・右 : 裏面)、一朱の4種類が発行された。当初は発行と同時に、同額面の「太政官札」を回収する予定であったが、廃藩置県にともなう行政費をはじめとする歳出増加に伴う「財政不足を補うため太政官札につけ加えて発行され、不換紙幣の流通に拍車をかける結果となった。だが、この札は太政官札の価値がかなり安定したのちに発行されたので、流通は比較的円滑」(図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―より)だったとの事。

写真の「民部省札」は、明治2年(巳巳)に発行されたもの。「太政官札」とは異なり、「十三年限」といった通用年限は示されていない。

ところで、これらの「民部省札」も「太政官札」と性格が同一だったので、明治2年5月の布告の適用を受けることになるのだが、新貨に兌換されたのであろうか。答えは「否」。「太政官札」と同じく新紙幣または「金札引換公債証書」と交換されたのである。

・ウィキペディア・フリー百科事典(民部省札)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E9%83%A8%E7%9C%81%E6%9C%AD


③ 「新紙幣」(「明治通宝」 : 通称「ゲルマン紙幣」)

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印刷の粗雑な「太政官札」や「民部省札」、「藩札」と交換して、紙幣を統一するために発行された紙幣で、ドイツに注文して製造した高級印刷の紙幣であることから、「ゲルマン紙幣」とも呼ばれている。100円、50円、10円、5円、2円、1円(写真左 : 表面・右 : 裏面)、半円、20銭、10銭の9種類。100円、50円、10円、5円の4種は明治4年12月から、残りの5種は明治5年2月から発行された。

「新紙幣」の製造高は1億4,944万円で、うち三分の二にあたる1億353万円はドイツで、残りの三分の一にあたる4,590万円はドイツ製の原盤を用いて日本で製造されたものである。①「太政官札」のところで述べたように、札の信用が上がるに伴い偽札が出回り、流通が阻害されるようになったことから、精緻な新札を作ろうとしたが、当時の日本には高度な印刷技術は無かった。そこで、当初政府の顧問的協力者であったロンドンのオリエンタル・バンクに製造を依頼する予定だったが、フランクフルトのドンドルフ・ナウマン社が証券印刷のエキスパートであり、また最近開発した印刷技術が偽造防止に最適であること、そして印刷技術の我が国への移転も見込めたことから、ドイツの会社に製造依頼することになったのである。

「新紙幣」は①精巧美麗であること、②政府の基礎が強固になり政府紙幣に対する信用が確定したこと、③国民が紙幣の使用に慣れたことなどもあって、不換紙幣であるにもかかわらず順調に流通した。しかし、しばらくすると次のような欠点が指摘された。
第一に、9券種あるにもかかわらず、すべて同一デザインで、かつ4つのサイズに集約されていたことから、額面の改ざんが行われる。
第二に、洋紙に印刷されていたため、傷みやすく、変色しやすい。

国産化により紙質は改善されたが、額面改ざんの問題は解決しなかったことから、明治14年に「改造紙幣」と呼ばれる紙幣が発行されることになった。

ところで最初にお話ししたように、この紙幣は「太政官札」などの旧札と交換して、紙幣を統一するために発行されたのだが、この目的は順調に進み、最終的には100%近い回収となり、明治11年頃には流通札が「新紙幣」一色になったという。

・ウィキペディア・フリー百科事典(明治通宝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E9%80%9A%E5%AE%9D

(ご参考 : 当ブログ)
・2006年4月25日付「ゲルマン紙幣」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2006/04/post_b98f.html
・2006年4月27日付「ゲルマン紙幣一億円」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2006/04/post_7b4d.html

(参考文献)
・「図録日本の貨幣7―近代幣制の成立―」(日本銀行調査局編)[東洋経済新報社刊]
・「日本貨幣カタログ」(日本貨幣商協同組合編・刊)
・「日本紙幣収集事典」(石原幸一郎編)[原点社刊]
・「詳説日本史」(石井進ほか著)[山川出版刊]
・「新編日本史図表」(坂本賞三ほか編)[第一学習社刊]

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March 06, 2009

マニラで見つかった精巧な偽造1万円札

マニラで見つかった精巧な偽造1万円札

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2009年3月5日付「朝日新聞(ネツト版)」によると、フィリピンのマニラ市内などで、極めて精巧な偽1万円札が出回っていることが分かったという。国家警察当局は5日までに、偽札事件として捜査に着手、情報収集に乗り出したとの事(写真 : 上が本物、下が偽物・前出朝日新聞(ネツト版)より)。

今回の偽札は、2004年から発行されている新たな偽造防止技術を施した1万円札。日本の偽札鑑定の専門家によると、「北朝鮮が関与していると言われる偽1万円札よりも数段精巧で、商業印刷のレベルを超えている。知る限り最も高精度で秀逸な出来栄えで、現金自動受払機(ATM)を通過する可能性もあり、日本円のスーパーノート(北朝鮮が関与したとされる精巧な偽造米100ドル札)が出現したと言わざるを得ない」との事(2009年3月5日付毎日新聞(ネツト版)より)。

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例えば、見る角度で色や模様が変わるホログラム(写真左・中左・中右 : 日本銀行「新しい日本銀行券(一万円券)の偽造防止技術について」より)には、固定する特殊な透明シートが使用され、また、カラーコピーやレーザープリンターでは再現できない、マイクロ文字(写真右 : 前掲より)と呼ばれる肉眼では判別が難しい小さな文字がすべて再現されるなど、最新技術が模倣されている。高性能の設備を使って大量に印刷されたとみられ、組織的に製造された可能性が強いとの事。

まだ国内には持ち込まれていないようだが、出回ったとしても一見して本物と見分けがつかないぐらい精巧なもののようだ。偽札には
① 表の右側の太いカーブの部分にある細い線が印刷されていない
② ホログラムの図柄がやや不鮮明で、なぞると本物よりわずかに凹凸がある
③ 本物では札の端部分に入っている縦棒の透かしがぼやけ、わずかに薄い
④ 紙質は似ているが、色合いなどは真札と微妙に異なる
などの違いはあるという。

もし、不審な日本銀行券を見つけた時には、ただちに近くの警察、または日本銀行まで知らせよう。
なお、偽札を作ったり、偽札と知りながらそれを使用した場合には、法律で罰せられる。また、本物の日本銀行券の額面を書き換えたり、切ったりして変造することも、同じように法律で罰せられるのでご留意を。

主な取締法規)
▽ 通貨偽造・変造罪(刑法第148条第1項)
  → 無期又は3年以上の懲役
▽ 偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)
  → 無期又は3年以上の懲役

(ご参考)
日本銀行「新しい日本銀行券(一万円券)の偽造防止技術について」
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako03/bnnew3.htm
2009年3月5日付朝日新聞(ネツト版)
http://www.asahi.com/international/update/0305/TKY200903050311.html
2009年3月5日付毎日新聞(ネツト版)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090305-00000012-maip-soci

( ご参考 : 当ブログ)
2007年9月24日付「アナタの財布も危ない!ニセ札の恐怖」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2007/09/post_0839.html
2006年7月17日付「ニセ札はなぜ見破られるのか?」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2006/07/post_1889.html
2005年10月18日付「偽造ユーロ紙幣現る」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2005/10/post_cd3a.html
2005年1月22日付「これで偽札を撃退しよう!」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2005/01/post_29.html
2005年1月8日付「贋札は持たず、作らず、使わせず」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2005/01/post_10.html

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March 01, 2009

地方自治法施行記念貨幣(平成22年度前半発行分)決定

地方自治法施行記念貨幣(平成22年度前半発行分)決定

平成21年2月26日、財務省は平成22年度前半に発行する「地方自治法施行60周年記念貨幣」について発表した。発行される県とテーマは次の通り。 
 
① 福井県(テーマ : アジアの恐竜研究拠点)
② 岐阜県(テーマ : 長良川の鵜飼)
③ 高知県(テーマ : 坂本龍馬と太平洋~時代を切り拓いた土佐人とその風土)

詳細は次のHPをご参照願いたい。

財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk210226.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page48.html

(ご参考)
平成21年前半
・長野県(テーマ : 上高地・善光寺と牛)
・新潟県(テーマ : トキと佐渡島・トキと棚田)

平成21年後半
・茨城県(テーマ : 科学技術創造立県)
・奈良県(テーマ : 平城遷都1300年祭)


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December 18, 2008

一千億ジンバブエ・ドル紙幣

一千億ジンバブエ・ドル紙幣

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ゼロが11個付いた紙幣を入手した(写真左 : 表面・右 : 裏面)。ジンバブエの「一千億ジンバブエ(以下ZWと表記する)ドル紙幣」である。ご存知の通りジンバブエは、今年8月1日に100億分の一のデノミネーション(以下デノミという)を実施し、「一千億ZWドル」は「新10ZWドル」になった。本紙幣は、このデノミが実施される1か月前の7月1日に新規発行された紙幣である。平成20年7月31日付「日本経済新聞」によると、経済混乱が続く同国のインフレは200万%を越え、紙幣の桁数が大き過ぎてコンピーターシステムの運営に支障が出ていることからデノミを実施したとの事。

しかしデノミを実施したからと言って、経済の混乱が収まるわけではない。平成20年12月5日付「日本経済新聞」によると、同国ではコレラがまん延しているうえ、相変わらず超高率のインフレのため、医療などの公共サービスにも重大な影響が出ていることから、政府は国家非常事態を宣言したという。また12月4日には、ジンバブエ中央銀行は貨幣不足に対応するため、「新1億ZWドル札」と「新5000万ZWドル札」、「新1000万ZWドル札」の高額紙幣の発行を発表した。さらに12月12日付CNN・Webによると、「新5億ZWドル札」と「新2億ZWドル札」の発行も決めたようだ。そもそもこのようなインフレが起きる原因となったのは、2000年にムガベ大統領が白人農園を強制収用し、黒人農民に再配分するという政策を採り、農場から白人農場主を追い出した結果、農業技術が失われて食糧生産が激減したためである。政治の失敗は恐ろしいものである。

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ところで今回入手した紙幣は、近年最高額面の紙幣ではあるが、過去を振り返ってみると、もっとゼロの数が多い紙幣が発行されている。第二次大戦後にヨーロッパのハンガリーで発行された「10億兆ペンゴ紙幣」(写真左 : 表面・写真右 : 裏面)である。ゼロの数が21個になるのだが、「0」はまったく書かれておらず、紙幣には”1MILLIARD”と”B”の表示があるだけ。”B”は1兆を表し、”1MILLIARD”は10億の意味で、10億×1兆の紙幣なのでこのように呼ばれているのだ。もっとも「10垓(がい)ペンゴ紙幣」と呼ばれても、ピンとこないが・・・。第二次世界大戦後、ソ連側、いわゆる東側陣営に属するまでの短期間使用されたという。この紙幣は、1946年8月に「4×10の29乗」=新通貨「1フォリント」と交換された。ちなみに、最高額面の紙幣としてギネスブックに登録されているようだ。

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高額額面紙幣として忘れてはならないのが、第一次世界大戦後にドイツで発行された「100兆マルク紙幣」(写真 : 「日本銀行金融研究所貨幣博物館」より)だ。残念ながら、こちらもゼロ14個は書かれていない。歴史を振り返えると、史上空前の規模で戦われた第一次世界大戦の戦後処理はパリ講和会議で決定され、ドイツと連合国との間でヴェルサイユ条約が結ばれた。しかし、それはドイツにとって苛酷な内容で、アルザス・ロレーヌ2州はフランスに割譲、ザール炭田地方は国際連盟の管理になるなど、ドイツは鉄・石炭の主要な産地を失い、さらに海外植民地もすべて手放すことになった。また到底負担し得ないほどの巨額の賠償金(1,320億金マルク : 1マルク=金0.358g)を課せられた。ドイツは賠償金の支払猶予を連合国側に求めたが、フランスはこれを不誠意とし、1923年1月末にベルギーと共同して出兵、ドイツ復興の要となるはずのルール地方を征圧した。これに対してドイツはストライキによって「消極的抵抗」を行ったが、そのため国庫負担が増大し、自国通貨のマルクを乱発したことからハイパーインフレを招いたのである。このような中で発行されたのがこの紙幣だ。

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ハイパーインフレが生じた後には、高額額面の紙幣が発行されたが、ウエストファリア州だけは唯一金属コインを出した。これがいわゆる「ウエストファリア緊急通貨」だ。同州は、ルール地方が制圧された後も同地方が自州の一部であることを内外に誇示するため、金属コインの緊急貨幣を発行し続けたのである。この緊急通貨は発行する都度、一段とインフレが進むため、次々に高額の額面の貨幣が発行され、1923年には1兆マルクのコインまで発行された(写真左 : 表面・右 : 裏面・「ウエストファリア緊急通貨」は、50ペニヒから1兆マルクまで22種類発行されている)。ちなみに、同年10月に設立されたレンテン銀行が全国の土地などを担保とするレンテンマルク紙幣を発行して従来の通貨と交換を行い(1レンテンマルク=1兆マルク)経済を安定させたことから、ドイツのハイパーインフレは奇跡的な収束を迎えた。

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その他、私のコレクションの中からゼロが沢山付く紙幣をご紹介する。最初は「2000万トルコリラ紙幣」(写真左 : 表面・右 : 裏面)である。この紙幣はゼロが7個。ご存知の通り平成17年1月から100万トルコリラを新1リラ(=約0.75ドル)とするデノミが実施された。欧州連合(EU)への加盟実現に向けた経済改革の一環である。トルコでは一九七〇年代からインフレが進行していたが、特に2000~01年の金融危機時には消費者物価が年率70%の上昇率を記録し、対米ドル為替レートが一年で半値以下に下落(1ドル=約600,000リラからMax1ドル=約1,700,000リラへ)したのである。

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次は「500億クライナ・ディナール紙幣」(写真左 : 表面・右 : 裏面)。こちらはゼロが10個。クロアチアの西部クライナ地方を拠点としたセルビア人勢力の自治領(クライナ・セルビア人共和国)の紙幣。ご存知の通りクロアチアとスロベニアは、1991年にユーゴスラビア連邦から独立を宣言した。クロアチアでは、クロアチア内のセルビア人とクロアチア人が争い、またクロアチア領内のクライナでは、ユーゴスラビアの支援を受けたセルビア人がクロアチア人を追い出すなどの紛争が繰り返された。表面的には独立を保つクライナ・セルビア人共和国であったが、実質はセルビアの経済に依存していたため、セルビアで起きたハイパーインフレの影響をもろに受け、その結果ゼロの沢山並んだインフレ紙幣が登場することとなった。その時に発行されたのがこの紙幣である。ちなみにクライナは、1998年に平和的にクロアチアに統合されたため、現在は「クロアチア・クーナ」が流通している。

(参考文献)
・「日本銀行金融研究所貨幣博物館」(日本銀行金融研究所)
・「Standard Catalog of WORLD PAPER MONEY・1961-Date」(Krause)

ジンバブエ中央銀行のHP
http://www.rbz.co.zw/
ジンバブエ・インフレについて[WorldMess.net]
http://humorland.wordmess.net/20081025/what-the-real-crisis-is-like/
12月12日付CNN・Web
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200812120023.html
トルコ中央銀行のHP
http://www.tcmb.gov.tr/yeni/eng/
クロアチア国立銀行のHP
http://www.hnb.hr/eindex.htm

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December 11, 2008

地方自治法施行60周年記念貨幣・長野県と新潟県の図柄決定

地方自治法施行60周年記念貨幣・長野県と新潟県の図柄決定

平成20年12月5日、財務省は地方自治法施行60周年記念貨幣のうち、長野県及び新潟県分の貨幣(千円プレミアム型銀貨幣及び五百円バイカラー・クラッド貨幣)の図柄を決定したと発表した。

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長野県の千円プレミアム型銀貨幣は、表面が「上高地」(写真左)、裏面は全都道府県共通の「雪月花」(写真下左)。五百円バイカラー・クラッド貨幣は、表面が「善光寺と牛」(写真中左)、裏面は全都道府県共通の「古銭のイメージ」(写真下右)である。また新潟県の千円プレミアム型銀貨幣は、表面が「トキと佐渡島」(写真中右)、裏面は全都道府県共通の「雪月花」(写真下左)。五百円バイカラー・クラッド貨幣は、表面が「トキと棚田」(写真右)、裏面は全都道府県共通の「古銭のイメージ」(写真下右)である。Reverse_1000Reverse_500なお、発行は平成21年の前半の予定。

次は平成21年後半発行予定の、茨城県(テーマ : 科学技術創造立県)と奈良県(テーマ : 平城遷都1300年祭)のデザインが楽しみである。


※写真はすべて財務省のHPから

財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk201205.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page43.html

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November 04, 2008

地方自治法施行60周年記念5百円貨幣引き換え予定日発表

地方自治法施行60周年記念5百円貨幣引き換え予定日発表

本日、財務省から、地方自治法施行60周年記念5百円貨幣(北海道、京都府、島根県)の引換えについて発表があった。引換開始日は平成20年12月10日(水)。引換は従来同様、銀行なと゜の窓口で行われる予定である。

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ちなみに、今回発行される記念貨幣の表面のデザインは、次の通り。
・北海道(洞爺湖と北海道庁旧本庁舎 : 写真左・発行枚数210万枚)
・京都府(国宝「源氏物語絵巻」宿木二(部分) : 写真中左・発行枚数205万枚)
・島根県(銅鐸とその文様・絵画 : 写真中右・発行枚数197万枚)

なお、裏面は各種共通である(写真右)。

※写真は財務省のHPより

財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk201104.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page43.html

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October 06, 2008

地方自治60年記念硬貨(京都・島根)打ち初め

地方自治60年記念硬貨(京都・島根)打ち初め

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造幣局は、本日、今年度発行予定の地方自治60年記念硬貨の打ち初めを行った。打刻したのは京都府と島根県の記念硬貨で、千円銀貨と500円硬貨の2種類だ。ご存知のとおり、京都府の千円銀貨が「源氏物語絵巻(宿木三)」(写真左)、500硬貨は「源氏物語絵巻(宿木二)」(写真中左)、島根県の千円銀貨が「御取納丁銀と牡丹」(写真中右)、500硬貨は「銅鐸とその文様・絵画」(写真右)である。裏面のデザインは各種共通(千円銀貨「雪月花」(写真下左)、500円硬貨「古銭のイメージ」(写真下右))。

なお、京都府の千円銀貨の申し込みは終了しているが、島根県の千円銀貨については10月に販売要領が発表される予定。500円硬貨については、北海道の硬貨と合わせ、12月頃に銀行窓口で引き換えられる予定だ。
また、来年度前半に発行が予定されているのは新潟県と長野県で、貨幣のデザインは、新潟県が「特別天然記念物トキ放鳥」、長野県は「日本アルプスや国宝善光寺などの豊かな自然と文化」とされている。

※写真はすべて財務省のHPから

(参考)
・当ブログ・2008年5月14日付「地方自治法施行60周年記念貨幣・北海道の図柄等が決まる」

(財務省のHP)
500円硬貨の発行枚数
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk200912.htm
発行要領(京都府・島根県)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk200624.htm

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June 27, 2008

スイスの現行コイン

スイス・フランス・ルクセンブルク・ベルギーの旅(第10回)

今回は、スイスのコインについてお話しする。ご存知のとおり、スイスの貨幣単位は、スイスフランとサンチーム(またはラッペン)である。スイスの人口は約750万人で、民族構成がドイツ系65%、フランス系18%、イタリア系10%、ロマンシュ系1%、その他6%と分かれているため、国民が使用する言語(公用語)も、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つとされている。

各コインの表面を見ると、「HELVETIA」(ヘルヴェティア)または「CONFOEDERATIO HELVETICA」(コンフェデラティオ ヘルヴェティカ)と国名が刻まれているが、これはラテン語表記である。先に見たとおり公用語は4つあるが、コインに4言語すべてで表記出来ないので、中立性を保つためラテン語が用いられているのだ。またコインの単位表示も同じで、フラン(FRANC)額面のものは「FR」で表わされているが、それ以下の補助額面コインには数字しか表記されていない。「FR」は4言語共通の単位だが、フランス語圏で用いる「サンチーム」は、ドイツ語圏では「ラッペン」というように異なっているためだ。
ちなみに紙幣は、4言語すべてで発券銀行名と額面が表記されている。

ところでスイスの歴史をみると、その始まりは1291年8月1日で、この日に、ハプスブルグ家に対抗するため、「ウリ」と「シュヴィーツ」、「ウンターヴァルデン」の3地域が「永久同盟」を結び、神聖ローマ帝国内に留まり、最低限の自治獲得を目的とするために相互援助を誓約しあったのである。なおこの日8月1日は、現在のスイスの建国記念日とされている。この時から考えると長い歴史を持つスイスだが、国家として確立されたのは憲法が制定された1848年で、現代スイスコインの歴史も、それまでスイス連邦を構成する各州(カントン)が持っていた造幣発行権を、連邦政府に集約した1850年が始まりである。

以下、現行の各コインについて見てみよう。
①「5フラン」(写真左 : 表面・写真右 : 裏面、以下同じ)
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表面 : アルプスの羊飼いの男像(ウィリアム・テル像とも言われている)
裏面 : 国章が国花アルペンローゼ(右)とエーデルワイス(左)に囲まれている
金属素材 : 白銅(銅75%、ニッケル25%)
直径 : 31.45mm
重量 : 13.20g
厚さ : 2.35mm
エッジ : レタード「DOMINUS | PROVIDEBIT★★★★★★★★★★★★★」の陽刻

②「2フラン」
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表面 : ヘルヴェティア立像(スイスを擬人化した自由の女神像)
裏面 : 額面
金属素材 : 白銅(銅75%、ニッケル25%)
直径 : 27.40mm
厚さ : 2.15mm
重量 : 8.80g
エッジ : ギザ縁

③「1フラン」
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表面 : ヘルヴェティア立像
裏面 : 額面
金属素材 : 白銅(銅75%、ニッケル25%)
直径 : 23.20mm
重量 : 4.40g
厚さ : 1.55mm
エッジ : ギザ縁

④「1/2フラン」
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表面 : ヘルヴェティア立像
裏面 : 額面
金属素材 : 白銅(銅75%、ニッケル25%)
直径 : 18.20mm
重量 : 2.20g
厚さ : 1.25mm
エッジ : ギザ縁

⑤「20サンチーム」
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表面 : ヘルヴェティア頭像
裏面 : 額面
金属素材 : 白銅(銅75%、ニッケル25%)
直径 : 21.05mm
重量 : 4.00g
厚さ : 1.65mm
エッジ : プレーン

⑥「10サンチーム」
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表面 : ヘルヴェティア頭像
裏面 : 額面
金属素材 : 白銅(銅75%、ニッケル25%)
直径 : 19.15mm
重量 : 3.00g
厚さ : 1.45mm
エッジ : プレーン

⑦「5サンチーム」
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表面 : ヘルヴェティア頭像
裏面 : 額面
金属素材 : アルミ青銅(銅92%、アルミ6%、ニッケル2%)
直径 : 17.15mm
重量 : 1.80g
厚さ : 1.25mm
エッジ : プレーン

※写真はすべてスイス中央銀行のHPから引用した。

(参考文献)
・ 地球の歩き方「スイス07~08」(地球の歩き方編集部編・刊)
・ 「物語スイスの歴史」(森田安一著)[中央公論新社刊]
・「2004 Standard Catalog of WORLD COINS」(Chester L.Krause and Clifford Mishler)[krause publications]
・ 「世界コイン図鑑」(平石国雄・二橋瑛夫編・共著)[日本専門図書出版刊]
・ 「世界の現行コイン」(R.S.ヨーマン著)[泰星スタンプ・コイン刊]
・ 「Swiss Coin Catalog1798-2005」(H.U.Wartenweiler)[UBS,Gold &Numismatik]

スイス中央銀行のHP
http://www.snb.ch/en/iabout/cash/id/cash_coins
Swiss Coin CatalogのHP
http://www.muenzenkatalog.ch

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May 24, 2008

地方自治法記念貨幣(北海道)の申し込み受付始まる

地方自治法記念貨幣(北海道)の申し込み受付始まる

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5月21日、造幣局より「地方自治法施行60周年記念千円銀貨幣」(以下「記念貨幣」という)の申し込み受付を始める旨、発表があった。販売されるのは次の3種類。

A:単体セット(写真左 : 記念貨幣をプラスチックケースに収納)・価格6,000円
B:単体セット+記念切手入り特製ケース(写真右)・価格7,800円
C:単体セット+特製ケース・価格7,400円
※「記念切手」は、郵便事業株式会社が発行する『ふるさと切手「地方自治法施行60周年記念シリーズ 北海道」』(80円×5枚)。

販売予定枚数は10万枚。申し込みは葉書のみで、6月11日(水)締め切り(消印有効)。詳しくは造幣局のHPでご確認を。

なお、「今回の記念貨幣は、新たな地方自治の時代における地域活性化という願いを込めて発行するものであることから、この趣旨に鑑み、当該都道府県(北海道)に居住されている申込者の入手が著しく困難とならないよう配慮することとしております」との事。第一回目の募集だけに、申し込みが多くなりそうなので、他府県の者にとっては不利になるのではないか、少々心配である。

※写真はすべて造幣局のHPより。

造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/coin/kahei/tushin_hanbai/page51.html

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May 14, 2008

地方自治法施行60周年記念貨幣・北海道分の図柄等が決まる

地方自治法施行60周年記念貨幣・北海道分の図柄等が決まる

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最初に発行される「地方自治法施行60周年記念貨幣」のうち、北海道分の図柄等詳細が決定し、財務省より発表された。発行されるのは、千円と五百円の各硬貨。千円はプレミアム型の銀貨(写真 : 財務省のHPより)で、コインのデザインは、表面が「洞爺湖とタンチョウ」(写真左 : 財務省のHPより)、裏面は「雪月花」(写真右 : 財務省のHPより)。販売価格は6,000円。平成20年7月頃に10万枚を発行予定である。

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五百円はバイカラークラツド貨幣(ニッケル黄銅、白銅及び銅) 。表面が「洞爺湖と北海道庁旧本庁舎」(写真左 : 財務省のHPより)、裏面は「古銭のイメージ」(写真右 : 財務省のHPより)。平成20年12月頃に銀行窓口において、額面での引換えが行われる予定で、発行枚数は未定。なお、今年発行予定の京都府及び島根県分の五百円貨幣も、同時期に引換えるという(デザイン等は未発表)。

以前にもお話したとおり「地方自治法施行60周年記念貨幣」は、平成20年6月から平成28年前半までの約8年間にわたり、年5~6都道府県ずつ発行する(初年度は3県)計画で、発行される貨幣の内容は、五百円の引換え型と千円のプレミアム型の2種。前者は年2回、後者は年5~6回に分けて順次発行するとしていたので、今回の発表は概ね計画通りだ。

コレクターである私の希望としては、
① 引換え型やプレミアム型ではなく、流通型にすること。
② 発行貨幣の額面を100円以下にすること。
③ プレミア型を発行するのであれば、希望者全員に行き渡るようにすること。

の3点に配慮してもらえればと考えていたのだが、①~③のすべてが満たされない結果となってしまった(③については、購入希望枚数が10万枚以下であれば満たされることになる)ようだ。大変残念だが、仕方がない・・・・。

(関連当ブログ)
平成19年11月18日付当ブログ「地方自治法施行60周年記念貨幣」
平成20年2月22日付当ブログ「地方自治法施行60周年記念貨幣発行について」

(財務省のHP)
平成20年5月13日付・財務省「地方自治法施行60周年記念貨幣(北海道分)の図柄等を決定しました」
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk200513.htm
地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合(第一回)配布資料
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/siryou/191218top.htm
地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合(第一回)議事要旨
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/giji/191218giji.htm
地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合(第二回)配布資料
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/siryou/200116top.htm


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February 22, 2008

地方自治法施行60周年記念貨幣発行について

地方自治法施行60周年記念貨幣発行について

先日、大阪心斎橋で開催された、「おおさか大収集まつり」に行ってきた。多くのコレクターが来ており、売り場は大変賑わっていた。私も各コイン商のブースを廻った。各店のショーケースには、色々なコインが展示されている。しかし最近私が興味を持っている、ハンザ同盟に関連するコインは見当たらない。一通り見て廻った後、再び親しいコイン商のブースに立ち寄った。そのとき話題になったのが、「地方自治法施行60周年記念貨幣」である。ご存知のとおり、この貨幣は地方自治法施行60周年を記念して、平成20年6月から平成28年前半までの約8年間にわたり、年5~6都道府県ずつ発行される(初年度は3県)予定だ。発行される貨幣の内容は、500円の引換え型と1,000円のプレミアム型で、前者は年2回、後者は年5~6回に分けて順次発行することが検討されている。

この件について私と意見が一致したのは、主に次の3点。
① 引換え型やプレミアム型ではなく、流通型にすること。
② 発行貨幣の額面を100円以下にすること。
③ プレミア型を発行するのであれば、希望者全員に行き渡るようにすること。
これらの意見のベースにあるのは、若い世代の貨幣コレクターが増えてほしいということだ。

①について、記念コインを発行する場合は、同額面の通常貨は発行しないようにすべきである。引換え型では、引換え日に交換出来ないと、あとはコイン商でプレミアムを支払って手に入れる以外方法がないからである。通常貨が新しく発行されなければ、記念コインが流通し、コレクターも流通貨からコレクションすることが出来る。
②について、500円硬貨ではすべての種類を集めると、2万円以上のお金が必要になる。ましてプレミア型の1,000円銀貨の場合、発行価格は従来のものと同様に考えると、1枚6,000円での発行になるため、25万円もの資金が必要になる。どう考えても、気軽に集めようという気になる金額ではない。
③については、これまでに発行されたプレミア型記念コインは、葉書で申し込み、抽選で購入が決まった。抽選に外れると、コイン商などで購入するしか方法は無く、これまでの例を考えると、1枚につき20,000円程度の資金が必要になる。これでは益々コレクションが困難になってしまう。既存のコレクターでも嫌になる。少なくとも、発行時に購入を希望するもの全員がコインを手に出来るようにすべきであろう。

「地方自治法施行60周年記念貨幣」発行については、以前にもお話したとおり(平成19年11月18日付当ブログ)、アメリカ合衆国で行われている州ごとのコインシリーズと同じ発想のものである。これによって新たなコレクターが増えたらしいが、こちらで発行したコインは25セントという小額貨幣で、かつ記念コインが発行されたときには通常貨は発行していないのである。先にお話したとおり、これであれば新たなコレクターもコレクションを始め易いし、子供でも十分負担できる金額で済む。クレジットカードやお財布携帯の普及などで、コインの発行枚数は減っている。今回の記念シリーズコイン発行、造幣局の失業対策や財政赤字に悩む政府の発行差益獲得のためだとは思いたくないが、これまでのような議論では、そのような穿った見方をされてもやむを得ないのではないだろうか。今後も、議論の行方を注視したい。

(財務省のHP)
地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合(第一回)配布資料
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/siryou/191218top.htm
地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合(第一回)議事要旨
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/giji/191218giji.htm
地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合(第二回)配布資料
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/siryou/200116top.htm


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November 18, 2007

地方自治法施行60周年記念貨幣

地方自治法施行60周年記念貨幣

平成19年11月14日、財務省から「記念貨幣発行」について発表があった。地方自治法施行60周年を記念するもの。47都道府県ごとの図柄で、平成20年度以降順次発行するとの事。記念貨幣の発行に関する詳細は、今後決められる予定だ。あわせて、記念切手も発行される模様。

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このような形での記念貨幣発行は、ご存知の通り、既にアメリカ合衆国で行われている。1999年を初年度に2008年までの予定で、毎年5州の25セント記念貨幣が発行されており、貨幣の裏面には、その州に関連する図柄がデザインがされている。白銅貨以外に、プルーフ貨や銀貨も発行されている(写真 : 2004年フロリダ州発行白銅貨)。

今回の記念貨幣発行については、アメリカ合衆国と同様の形態を予想するのだが、何かサプライズがあることを期待したい。

造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page36.html
財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk191114.htm

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September 24, 2007

アナタの財布も危ない!ニセ札の恐怖

「アナタの財布も危ない!ニセ札の恐怖」(松村喜秀著)[扶桑社刊]

今回は、「アナタの財布も危ない!ニセ札の恐怖~ニセ札鑑定の世界的権威が、いま、明かす~」(松村喜秀著)[扶桑社刊]をご紹介する。ご存知の方も多いと思うが、著者の松村氏は、ニセ札鑑定機を製造販売する松村エンジニアリングの代表取締役で、世界を震撼させたニセ100ドル札「スーパーK」の発見者である。

まず本書を読んで疑問に思ったことだが、何故本物と同じニセ札を造らないのかということである。これまでにニセドル札として、「スーパーノート」や「スーパーK」、「スーパーM」、更に究極のニセ札と思われた「スーパーX」、そしてそれをも超える「スーパーZ」、「スーパーZ1」、「スーパーZ1+」などのニセ札が現れている。「スーパーZ」以上のニセ札は、本物以上に成功なニセ札といえる出来ばえだという。では何故これらのニセ札が「偽」だと判別できるのであろうか。それはニセ札を作った本人たちが、ニセ札と本物の見分けがつかなくならないように、紙幣のどこかに本物と区別するための目印を入れているからであり、その部分を見ることによって真偽が判別できるのである。本物と違わないものを作れるのであれば、わざわざ真偽の区別が出来る紙幣出なくても良いように思うのだが、この点について本書は「ニセ札作りという“機密”を守るセキュリティの一種と考え」れば良いと述べている。ニセ札に暗号を入れる技術者チームが幾つかあり、それぞれのチームは他のチームが何処に暗号を入れたかを知らない。もしどこかのチームに裏切り者が現れたときでも、裏切った人物が知らない暗号を入れておけばセキュリティになるというのだ。

次に本書を読んで初めて知ったことだが、米ドル紙幣には緑色のシールが刷られたグリーンバックと呼ばれる「連邦準備銀行券」以外に、刷られた色の違う紙幣が3種類存在するということだ。それは、青シールの「兌換銀券」、だいだい色シールの「兌換金券」、そして赤いシールの「合衆国銀行券」である。現在、発行されているのは「連邦準備銀行券」だけで、流通している米ドル紙幣の99.99%がこの紙幣だというから、他の種類を見たことがないのも仕方がないのかも知れない。米国の金準備が豊富で、金兌換を認めていた時代の紙幣である。わが国でも、明治時代に発行された銀兌換文言が入った紙幣で、法的に現在でも流通の認められている紙幣があるが、銀との引換えは出来ない。米ドルの場合は現在でも金・銀との引換えは出来るのだろうか。

第三に、これも本書で初めて知った事なのだが、米国造幣局の保証書つき「百万ドル札」(写真 : The Million Dollar BillのHPより)が存在するということである。Front_and_back_of_mill_bill
本書によると、「日本では、よく温泉宿とかに行くとお土産屋さんに「十万円札ペナント」みたいなのが売っていたりするでしょう。あれは完璧に業者さんが作ったオモチャですが、この百万ドル札のすごいところは、それをアメリカの造幣局が作っている」のだという。しかも「印刷も本物のドル紙幣とまったく同じ方法。インクもまったく同じインク。まさに本物と同じような手法で作られている」優れもの。とはいえ、紙幣としてはニセモノだ。しかし著者も手触り感から本物と思ってしまったというのだから、相当な出来ばえなのだろう。ちなみに、この「百万ドル札」はネットで入手できる。本書で紹介されていたネットのアドレスは次のとおり。
The Million Dollar BillのHP
http://www.millbill.com/index.htm

更に本書を読んで身近に感じたことだが、米ドル紙幣に比べてまだまだ日本円紙幣のニセは少ないが、それでも最近増えてきているということである。わが国で見つかるニセ紙幣の特徴を見ると、「機械を騙すニセ札」が多いという。ニセ札には大きく分けて「人間の目を騙すニセ札」、「機械を騙すニセ札」、「人間の目と機械の両方を騙すニセ札」の3種類があり、自動販売機などが著しく普及しているわが国では、見た目が「偽」だとわかるレベルでも、機械さえ通れば良いので、このような傾向が現れるのである。そして何故わが国では「スーパーK」以上クラスのニセ札が出ないのかと言うと、わが国紙幣の方が、ニセ米ドル紙幣作り以上に高度な技術が要求されることもあるが、世界で簡単に使用できる範囲が狭いということが大きいようだ。ただ、保有外貨に占めるドルの割合が下がりつつある現在、ユーロの次に注目される通貨が「日本円」であることを考えると、近い将来「スーパーK」以上のレベルの円紙幣が現れることも十分注意しなければならないであろう。

先日、信用不安からイギリスの中小銀行の一つに、預金を下ろすため長い行列が出来ていた。列に並ぶ一人のお客さんがテレビのインタビューに対し、「タンス預金にするの」と応えていたのが印象に残る。日本でも数年前、ペイオフ解禁が話題になった頃、タンス預金という言葉をよく耳にした。「どうせほとんど金利も付かないのだから、銀行に預けているより安全」と言うわけだ。しかしこれは保有している紙幣が「偽」ではないという前提である。老後のためにコツコツとタンスに貯めたお金がすべてニセ札だった、なんてことになると大変である。ニセ札は我々の生活を脅かす。日本経済を混乱に陥れる。著者も本書で心配していたが、ニセ札作りはとんでもない犯罪なのに、性能の良いパソコン、スキャナー、プリンターなどが簡単に手に入るため、大人だけでなく、小中学生でもニセ札を作る時代になってしまった。本書を読んでニセ札作りの現状を知るとともに、ニセ札作りが重大犯罪だということをあらためて認識していただければと思う。一読されることをお薦めしたい。

「アナタの財布も危ない!ニセ札の恐怖~ニセ札鑑定の世界的権威が、いま、明かす~」(松村喜秀著)[扶桑社刊](¥680・税別)

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September 06, 2007

北京オリンピック記念銀貨

北京オリンピック記念銀貨

平成19年9月6日付日経速報ニュースによると、泰星コイン株式会社は、「北京2008オリンピック競技大会公式記念コイン300元1Kgカラー銀貨<大型貨第1次販売>」の日本国内での販売を、明日9月7日(金)より開始するとの事。開催国である中華人民共和国の中国人民銀行が鋳造・発行するもので、今年2007年と開催年である2008年の2回に分けて販売されるようだ。
<大型貨第1次販売>
300元1Kg銀貨1種
*2007年9月7日発売
*178,500円(税込価格)
<大型貨最終販売>
300元1Kg銀貨1種
*2008年発売予定(発売日未定)
*価格は未定

1kgphoto
コインの表面(写真左 : 泰星コイン株式会社のHPより)を見ると、漢字で都市を意味する「京」と、躍動するスポーツ選手の姿を重ね、印章をモチーフにした<Chinese Seal, Dancing Beijing>の周囲を、中国の伝統的図柄『双龍』が囲むデザインが彫られている。
裏面(写真右 : 同上)には、中国の民族体育の象徴として龍舟競争と馬術競技が描かれ、300元の額面と中国語で「第29回オリンピック競技大会」の文字が刻まれたデザインである。

発行枚数は20,008枚だが、中国国内での需要が高いため、対日割当数はわずか500枚との事。碁盤型のコインケースに入って販売される。詳しくは泰星コイン株式会社のHPをご参照。

泰星コイン株式会社のHP
http://www.taiseicoins.com/special/0lympic2008/1kg.htm
商品画像:300元1Kgカラー銀貨 表面
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0169453_01.jpg
商品画像:300元1Kgカラー銀貨 裏面
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0169453_02.jpg
商品画像:コインケース(開いた状態)
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0169453_03.jpg
商品画像:コインケース(閉じた状態)
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0169453_04.jpg
中国人民銀行のHP
http://www.pbc.gov.cn/

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August 24, 2007

ユニバーサル技能五輪記念銀貨申込開始

ユニバーサル技能五輪記念銀貨申込開始

昨日(23日)造幣局は、「2007年ユニバーサル技能五輪国際大会記念千円銀貨幣」を販売すると発表した。Page38_uni
プレミアム型の記念貨幣で、プルーフ(※)仕上げの彩色を施したカラーコイン。特製ケースに収納した貨幣セットとして販売される(写真 : 造幣局のHPより)。
コインのデザインは、表面が「虹と大会シンボルマーク」、裏面は「富士山」。材質は銀100%で、量目31.1g、直径40mm。(写真 : 財務省のHPより)
販売価格は6,000円(消費税・送料込み)。販売予定数は80,000セット。申し込み方法等詳細は、造幣局のHPをご参照。UariomoteUariura


 ※プルーフ仕上の貨幣とは、特殊な技術を用いて製造した貨幣で、表面に光沢を持たせ、模様を鮮明に浮き出させた貨幣のこと。

造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/coin/kahei/tushin_hanbai/page38.html
財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk190417.htm


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June 02, 2007

10円で何が買えたのか

10円で何が買えたのか

1034
先日、スーパーで買い物をした際、貰ったつり銭のなかに昭和34年銘の10円玉(写真)が入っていた。普段はコインコレクターの目で見るのだが、この日は何故か違った気分で10円玉についてあれこれ想像していた。例えば、子供の頃にお手伝いや肩たたきなどをして、お駄賃に10円を貰った時、すごく嬉しかったことなど。当時の10円は購買力が大きかったので、現在の子供が10円をもらった時の嬉しさとは随分差があるのではないか。

そこで昭和34年銘の10円玉が発行された当時、これ1枚で何が買えたのかを「戦後値段史年表」(週刊朝日編)[朝日文庫]で調べてみた。すると、鉛筆1本(昭和25年→10円 : 平成7年→40円・以下後半価格は平成7年)、 コロッケ(昭和35年→10円 : 80円) 、たいやき(昭和33年→8円 : 120円)、 納豆(昭和30年→10円 : 78円) 、駄菓子屋で売られている並の”饅頭”(昭和31年→10円 : 80~140円)が買える。浅草・浅草寺のおみくじ(昭和35年→10円 : 100円)もOKだ。上野動物園入園料も子供料金であれば10円(平成7年→小学生以下無料)なので大丈夫。郵便は封書(10円 : 80円)も葉書(5円 : 50円)もOKである。”あんぱん”は昭和33年→12円(平成7年→100~120円)なので、残念ながら少し足りない。東京都の銭湯も1回の入浴料が昭和35年→17円(平成6年→350円)のためダメ。

しかし、10円玉も数枚貯まるだけで、東京の高級パーラで食べるアイスクリーム(昭和30年→1個60円 : 800円)、あんみつ(昭和30年→50円 : 750円)、岩波文庫(昭和37年→50円 : 210円)、ガソリン(昭和34年→38円/l : 128円)、キャラメル(昭和25~43年20円 : 100円)、金太郎飴(昭和30年→15円 : 150円)、クレヨン(昭和36年→50円 : 380円)、週間朝日(昭和36年→40円 : 280円)など数多くのものが買える。

手元にある昭和34年銘の10円玉と平成18年銘の10円玉。どちらも直径23.5mm、品位(銅)950(亜鉛)40(錫)10、量目4.50gと全く変わっていないが、発行時点での購買力を比べると、随分異なる。約50年現役を努める昭和34年銘の10円玉。傷ついたり、汚れがひどくなると日銀に回収されるところ、現在までクリーンな状態で生き延びてきたわけだが、インフレが進むなか、その購買力は著しく低下した。製造コストは上がっているようにも思えるのだが、何時まで現在の10円玉でいられるのか。電子マネーやクレジットカードなどの普及により、コインの需要は減少傾向にある。銅地金価格の上昇も気になるところだ。

スーパーで貰った釣銭、昭和34年銘10円玉1枚で、色々と考えてしまった私は、よほど暇なのだろうか・・・・。

(参考価格 : 前出「戦後値段史年表」より)
・ 公務員の初任給(昭和34年→10,680円 : 平成6年→180,500円)
・ 国家公務員の賞与(昭和34年→28,560円 : 平成5年→949,760円)
・ 銀行の初任給(昭和34年→15,000円 : 平成6年→174,000円)
・ もりそば(昭和34年→35円 : 平成7年→443円)
・ カレーライス(昭和36年→110円 : 平成7年→600円)
・ 東京・銀座「三愛」付近の1坪の地価(昭和36年→360万円 : 平成7年→9,000万円)
・ 玉子1kg当たり(昭和35年→223円 : 平成5年→273円・さすが物価の優等生)
・ コーヒー(昭和35年→60円 : 平成7年→450円)
・ マヨネーズ(昭和34年→75円 : 平成7年→232円・キューピーは今月から値上げするようだ)

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September 18, 2006

黄金島・ジパング-謎解き・金の日本史

黄金島・ジパング-謎解き・金の日本史

最近お気に入りの番組がある。9月だけの1ヶ月間の放送だが、非常に面白い。その番組とは、「NHK知るを楽しむシリーズ」の「黄金島・ジパング-謎解き・金の日本史」だ。既に2回放送されているので、残りは2回しかないが、これだけを見ても十分面白いと思う。

第一回目は「ジパングはどこにある?-黄金伝説の始まり」。マルコ・ポーロが広めたと言われている「黄金の国ジパング」。しかしそのことはマルコ・ホーロが伝える四百年も前から知られていたと言う。それは遣唐使が唐の文化を仕入れるため、大量の黄金を持って大陸に渡ったためである。では何故日本で”金”が沢山採れたのか。それは火山の国だからである。地下にある”金”は、200℃以上のお湯と一緒に地表に吹き上がってくるため、大量の”金”を採取し易い環境にあったのだ。

第二回目は「金閣は何のため?-「日本国王」空前の演出」。足利義満は何故金閣寺を造営したのか。それは中国・明との貿易を行いたかったからである。しかし当時の日本には”金”が少なくなっていたので、中国・明の信頼を得るため、金ピカの建物を造ったのである。それでは義光は何を得るために中国・明との貿易を望んだのか。答えは”銭”が欲しかったからである。平安末期頃から、わが国は貨幣経済が発達し始めたにもかかわらず、”銭”は中国の”銭”である銅銭に依存していた。義光は当時購買力のあったこの”銭”が欲しかったのである。

第三回は「秀吉が金ピカだったわけ」、第四回は「小判がつくった天下泰平」と続く。放送は毎週木曜日午後10:25~10:50まで、再放送は翌週木曜日午前5:05~5:30までである。まだ第二回目の再放送には間に合うので、朝の眠さに勝てる方は再放送からご覧頂ければと思う。なおテキストも販売されている。日本放送出版教会刊、定価消費税込650円だ。

番組のHP
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200609/thurseday.html#1

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September 17, 2006

「コインと紙幣の事典」

「コインと紙幣の事典」(ジョー・クリブ著 : あすなろ書房刊)

今回は「知のビジュアル百科」シリーズ、第30巻「コインと紙幣の事典」を紹介する。このシリーズは世界各地で出版されており、私はドイツ・ベルリンの「ペルガモン博物館」で、本書のドイツ語版を入手した。辞書を片手にチャレンジしたが、消化不良に終わったので、日本語版が出るのを待ち望んでいた。今回やっと日本語版が出版されたので、即座に購入した。

内容は古代ギリシャ・ローマ時代から現代まで、全世界の貨幣が対象になっている。しかも個人で手に入れることが出来ないような珍しいコインや紙幣の写真も掲載されているので、非常に参考になる。具体例を挙げると、例えば「フランスの貨幣」では、古代ローマ領ガリアの硬貨やケルト族の金貨、ルイ14世の肖像画が彫られたエキュー銀貨、アッシニア紙幣、ギロチン処刑される直前に発行されたルイ16世の5リーブル銀貨、ユーロ切替直前まで発行されていたフランス紙幣・コインなどである。

また国別だけでなく、テーマ別にも編集されている。例えば「最初の紙幣」では、世界最大の紙幣「大明通行寳鈔」や世界初の印刷紙幣「スウェーデン・ストックホルム銀行券」、「ノルウェーの商人手形」、日本の「しおり形紙幣」など多数の写真が掲載されており、興味をそそる。更に新しい所では「小切手とカード」という項目を設け、貨幣の機能について考えさせてくれる。

本書に一通り目を通せば、世界中のまた古代から現代までのコインと紙幣について鳥瞰することが出来る。コインコレクターだけでなく、金融史に関心がある方にもお薦めの一冊である。定価2,000円+消費税。A4変形64ページ。

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July 17, 2006

ニセ札はなぜ見破られるのか?

「ニセ札はなぜ見破られるのか?」(西島裕之著)[不空社刊]

本書は、世界的な贋札鑑定の専門家であり、紙幣鑑定機製造会社「株式会社松村テクノロジー」社長でもある松村氏を、約10年にわたって取材した著者(西島氏)のメモをまとめることで出来上がった。

我々一般人が新聞やテレビで知る贋札事件は、贋札が造られたとか、実際に何処そこで使われたといったことに限られ、贋札作成の手口を知ることは出来ない。スキャナーでパソコンに取り込みプリンターで印刷したとか、両面カラーコピーされたなどの情報は流されても、具体的に見分けるポイントなどは知らされない。本書においても伏せられている部分はあるが、ある程度贋札の実態を知ることが出来る。

本書では、最初にドル札について取り上げている。まず贋ドル札は約四千種類あり、90年代半ばには約九百種類が流通、特に本物と同じ方法で作られる精巧な贋ドル札は、十数種類あるという。この精巧な贋ドル札は「スーパーノート」と呼ばれ、中でも最高ランクの贋百ドル札は「スーパーK」と名づけられている。「K」は贋札の製造元が北朝鮮ということで付けられたようだ。このクラスの贋ドル紙幣を作ろうと思えば、最低でも五十人の作業員が必要で、初期投資として総額25億円程度の資金が必要らしい。

しかしこの後、このような最高の出来栄えと思われる贋ドル札を超える精巧な贋ドル札が現れたというから驚きである。「スーパーM」と名づけられた。「スーパーK」並みの精巧な贋ドル札を作る場合、「印刷機械」、「版下」、「インク」、「紙」の4要素が揃わなければならない。そしてこれらに加えて「印刷の順番」も重要である。「スーパーK」のケースでは印刷の順番が異なっていたため、肉眼では識別出来ないくらいではあるが本物と比べて微妙に異なった色になっていた。しかし「スーパーM」の場合はこの点までもが一緒であったため、お札の偽造グループ自身が真贋を判定できるようにワザと入れた暗号部分が無ければ分からないという。そしてこれを判別するには顕微鏡が必要とのこと。当然肉眼では分からないので、我々一般人が見ても全く分からないのだ。

ではこのような紙幣の真贋を、どのようにして鑑定機で判別できるようにするのであろうか。一般に思いつくのは本物のデータを入れて、それと異なる部分があれば偽と判定する方法だが、実際は偽物のデータを入れておいて、それに合致しなければ本物と判定するようにしているらしい。しかしこの方法では、ありとあらゆる偽造紙幣を集めなければならないので、民間企業が行うにはかなり危険を伴うのではないだろうかと思う。だが実際この方法で確実に贋札を識別しているというから驚いてしまう。

ところで、これまで贋ドル札のお話であったが、日本円はどうなのだろうか。円はドルのような基軸通貨ではないので、ドル紙幣と同じくらい大掛かりな贋札は出ていないが、今後は注意が必要だと本書は警告する。日本ではまだ「スーパーK」クラスの贋札は出ていないようだが、このレベルの紙幣が登場する日も近いという。わが国で見つかった贋紙幣は、大きく分けて「見た目が本物に近い紙幣」と、「磁気パターンだけ真似た紙幣」の2種類に分類できる。特に後者については、自動販売機普及率世界一の日本では注意が必要だ。一昨年に発行された新紙幣には偽造防止対策として「特殊発行インク」、「すき入れバーパターン」や「ホログラム」などが施されているが、わが国の自動販売機のほとんどはこれらをチェックして真贋を判定していないという。印刷インクに含まれる磁気のパターンで判別しているのだ。そのため、この部分だけ本物に合わせておけば、見た目は気にする必要が無い。深夜、人通りの無い自動販売機に贋札を投入すれば、お釣りで本物の紙幣が戻ってくるのである。

現在はこのような状況だが、今後は見た目と磁気パターンを同時に真似た紙幣が現れても不思議ではない。特に旧紙幣については要注意である。新紙幣のような偽造防止技術が施されていないにもかかわらず、現行紙幣として使用出来るからだ。まして日本の場合はタンス預金が多く旧紙幣の回収率は低いので、まだまだ旧紙幣にお目にかかる機会は多い。これまでの日本では、贋札にお目にかかる機会がほとんど無かったこともあり、自分とは無縁のことのように思ってしまうが、本書を読むと意外に身近な所まで来ているということを認識させられる。海外旅行などでドル紙幣を手にする機会の多い人は尚更である。

最後に、贋札作りは重大な犯罪行為である。贋札を造っても、贋札と知って使っても重く罰せられる。ご留意願いたい。

(ご参考)
平成17年10月18日付「偽ユーロ紙幣現る」
平成17年1月22日付「これで偽札を撃退しよう!」
平成17年1月8日付「「贋札」は持たず、作らず、使わせず」

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July 06, 2006

沈黙は”金”なり?

沈黙は”金”なり?

“金”と”銀”のどちらの方に価値があるかと問われれば、間違いなく”金”と答えるであろう。事実、7月6日現在の小売価格ベースでは、1gあたり”金”が2,474円、”銀”が47.56円と約52倍の差で”金”の方が高い。またオリンピックのメダルを見ても”金メダル”が最高である。

わが国の諺の中にも、「沈黙は”金”なり」というのがある。すなわち口舌の災いを戒めた言葉で、”沈黙”を最も価値のある”金”に例えているのだ。同様に「雄弁は”銀”なり、沈黙は”金”なり」という諺が西洋にもある。

ところで、このような当たり前のことを何故取り上げたのかと言うと、理解出来ない一文に出会ったからである。その文章とは、「ギリシャの大雄弁家デモステネスは言った。沈黙は”金”の価値よりないが、雄弁には”銀”の価値がある」だ。これまでの私の常識では理解出来ない一文である。このような疑問を暫く棚上げにしていたのだが、最近納得できる回答に出会った。実は当時”銀”の方が”金”より価値があったのだ。

国際通貨としての”金・銀”について調べていたところ、紀元前の世界では、”金”は”銀”に比べて遥かに容易に手に入れることが出来たのである。科学技術の差だ。”金”の場合は純金またはそれに近いものが”砂金”という状態で手に入れることが出来た。一方”銀”を手に入れるには、”砂金”に比べて遥かに複雑な作業、精錬技術が必要なため、科学の未発達・生産力水準の低い時代では、”銀”は”金”よりも高価だったのである。

しかし、絶対埋蔵量は”金”の方が著しく少なかったので、砂金など地表面に近いところにある”金”を採り尽くすと、”金”と”銀”の価値の差は少しずつ縮小、やがては逆転して”金”の価値が”銀”に比べて数倍、数十倍に膨らんだのである。特に水銀を注入して”銀”を取り出す方法を発見してからは、”銀”の採取が著しく容易になったため、"銀"は大量に供給されてその価値を下げることになった、。

西洋諸国を中心に”金”と”銀”との関係、すなわち金銀比価を見ると、13世紀に「金:銀=1:9」であったが、アメリカ大陸の”銀”が流入し始めた17世紀には「1:11」に、また18世紀の初めには「1:15」になった。6月28日付ブログでご案内した「ラテン通貨同盟」では、「1:15.5」に定められ、暫くの間金銀比価は安定を保っていた。だが、イギリスを除くほとんどの国が「銀本位制」または「金銀複本位制」を採っていた時代に、普仏戦争に勝利したドイツがイギリスに続いて「金本位制」に変更した頃から、”銀”の価値は下落の速度を早めた。1873年には「スカンジナビア通貨同盟」(4月30日付および6月24日付ブログご参照)加盟のスウェーデン、ノルウェー、デンマークが、更に1875年には「ラテン通貨同盟」加盟のフランス、イタリア、ベルギー、スイスが、そして1897年に日本、ロシア、1900年にアメリカが「金本位制」を採用したことで、先進諸国の中での”銀”の通貨としての価値は薄れてしまったのである。

話を戻すが、「ギリシャの大雄弁家デモステネスは言った。沈黙は”金”の価値よりないが、雄弁には”銀”の価値がある」の意味は、古代ギリシャ時代の金銀事情を前提にして初めて理解できる言葉なのである。しかしそこまで理解しても、日本人としては「沈黙は”金”なり」の方があっているように思える。それは私が”雄弁”ではなく、ただ”無駄口”が多いだけだから・・・?。

(参考文献)
「経済学事始」(三上隆三著)[東洋経済新報社刊]
「金(ゴールド)が語る20世紀」(鯖田豊之著)[中央公論新社刊]
「ことわざ小事典」(江藤寛子編)[福音館書店刊]
「ゴールド」(ピーター・バーンスタイン著、鈴木主税訳)[日本経済新聞刊]
「マネー」(ジョン・ガルブレイス著、都留重人訳)[TBSブリタニカ刊]
ほか

(関連する当ブログ)

2007.8.8 「デモステネスと沈黙は金」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2007/08/post_6247.html
2007.8.6 「Jhonさん、ご指摘ありがとうございます」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2007/08/jhon_2f6d.html
2006.7.6 「×××さん、ご指摘ありがとうございます」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2007/04/post_f914.html

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June 30, 2006

米国0.25%の追加利上げへ

FOMCと連銀と米ドル紙幣

FOMC(連邦公開市場委員会)でFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標を0.25%上げ、5.25%とすることが決定された。2004年6月30日から17回連続の利上げである。また、同目標に1%上乗せする公定歩合も0.25%引き上げ、年6.25%とした。市場の一部には0.5%の利上げになるのではないかという声もあったが、大方の予想通りの結果となったことを受け、NYの株式相場は大幅な上昇となった。
今回の声明では、経済指標次第で金融引き締めがさらに必要になるかもしれないと、利上げの可能性を留保する一方、景気が減速を示していることについても触れ、景気とインフレの両面に配慮する姿勢を見せている。
今後の利上げについては、8月のFOMCで慎重に検討される見込みだが、市場の見方は、ほぼフィフティー・フィフティーに分かれているようだ。

The Federal Reserve Board(6.29付のFOMC声明)
http://www.federalreserve.gov/boarddocs/press/monetary/2006/20060629/

ところで先日、FOMCについて質問を受けた。新聞紙上で頻出する言葉だが、意外に知らないことも多い。そこで連邦準備制度も含めて簡単に整理してみた。
FOMCはFederal Open Market Committeeの略。FRB(Federal Reserve Board)が定期的に開く会合で、連邦公開市場委員会のことを言う。この委員会は、FRB(連邦準備制度理事会)の理事7名とニューヨーク連銀総裁、その他4つの地区連銀総裁(1年交代)の12名で構成され、ここではFFレートの誘導目標やマネーサプライの目標値、外国為替市場への介入方針などを決定する。
Usdollarold
FRBは連邦準備制度(Federal Reserve System : 略称Fed)の政策決定機関で、わが国の日銀のような中央銀行に相当する。14年任期の理事7人で構成され、その中から大統領が議長・副議長を任命する。議長・副議長の任期は4年で、今年2月からグリーンスパンに代わりバーナンキが議長を務める。
なお、FRBの監督下に全米12の地区連邦準備銀行(連銀)があり、市中銀行の監督・規制などの業務の他、連邦準備券(ドル札)の発行も行う。12の連銀は次の通り。

第1地区 ボストン連邦準備銀行-A
第2地区 ニューヨーク連邦準備銀行-B
第3地区 フィラデルフィア連邦準備銀行-C
第4地区 クリーブランド連邦準備銀行-D
第5地区 リッチモンド連邦準備銀行-E
第6地区 アトランタ連邦準備銀行-F
第7地区 シカゴ連邦準備銀行-G
第8地区 セントルイス連邦準備銀行-H
第9地区 ミネアポリス連邦準備銀行-I
第10地区 カンザス連邦準備銀行-J
第11地区 ダラス連邦準備銀行-K
第12地区 サンフランシスコ連邦準備銀行-L
Usdollarnew
ちなみに米ドル紙幣について、どの地区連銀が発行した紙幣かを見分けるには、次の点をチェックすれば良い。旧シリーズの米ドル紙幣(写真前者)の場合、肖像の左にアルファベットの記載された丸い部分(B : Bは第二地区のニューヨーク連邦準備銀行所在の印刷所を表す)を見れば、当該紙幣を作った印刷所の所在地が判る。新シリーズ(写真後者)の場合は、左端のアルファベット(L12 : Lはサンフランシスコ)がこれに相当する。またお札の記号番号のアルファベット(旧シリーズB04584842AのB、新シリーズGL03525019のL)も同じだ。

The Federal Reserve BoardのHP
http://www.federalreserve.gov/fomc/

米国印刷局のHP(ドル紙幣に関して)
http://www.moneyfactory.gov/section.cfm/4

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October 27, 2005

秋のコイン・オークションシーズンがやってきた

秋のコイン・オークションシーズンがやってきた

コインオークションの会社から、オークションカタログが送られてきた。秋のコインオークションシーズンである。手元にあるのは二社分。インターネットで入札できる会社もある。もう一社はオークションの案内だ(28日から受付開始)。

オークションでコインを購入する場合、コイン商から買うよりも安く手に入れることが出来るメリットがある。欲しいコインのグレードとコイン商での販売価格を睨みながら入札する。入札では入札価格以外に手数料とその消費税、郵送料と購入代金の振り込み手数料が必要になるので、この分の出費も考えておかなければ、高値落札になってしまうので注意が必要だ。

普段なかなかお目にかかれなかったコインが出てきた場合は、カタログ価格を参考に、自分自身がどのくらいそのコインを欲しがっていたかの程度に応じて入札価格を決めている。長い間欲しかったにもかかわらず、なかなか出会わなかったコインについては多少高値でも入札する。しかし今回が稀に見るチャンスと思ったにもかかわらず、次のオークションにも同グレードのコインが続けて出てきたり、いつでもあると思っていたら、全く姿を見なくなると言うことも有るので運次第かもしれないが、チャンスは確実にものにした方が良い。

今回は、A社に3件、B社には5件の入札をした。結果が出るのは先であるが、どれだけ落札できるか、今からワクワクしている。

オークション内容については、次のHPで見ることが出来るので、ご案内する。

第17回「銀座コインオークション」
http://www.ginzacoins.co.jp/
オークション・ネットの古銭入札誌(3)
http://www.auction-net.com/
泰星コイン誌上オークション
http://www.taiseicoins.com/shop/auction/auction.html

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October 12, 2005

泉屋博古館の特別企画展

泉屋博古館の特別企画展

9月19日付投稿でお話したように、京都の泉屋博古館で「大判・小判と世界のコイン」展が開催されている。コイン業者「泰星コイン」の担当の方の取材記事が、同社のホームページに掲載されていたのでご紹介する。

http://www.taiseicoins.com/coin/coinshow/izumiyahakukokan/

10月23日まで開催しているので、お時間のある方は見に行かれることをお薦めする。

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September 05, 2005

「借用書の達人・板庭」さんへ

明治の二十円金貨

「借用書の達人・板庭」さん、コメント有難うございました。
このHP左上に掲載している金貨について興味を持って頂きましたが、同じ様に関心を示して下さっている方もいるかもしれないと思い、投稿することにしました。

これは明治3年銘の二十円金貨です。新政権である明治政府は、欧米に倣い金本位制を導入しましたが、その際発行された金貨のうちの1つです。二十円、十円、五円、二円、一円の5種類が発行されました。
詳しくは、平成17年1月6日付投稿をご覧下さい。

なお、コイン商で販売されている価格については、財務省の近代金貨放出が決まってから値下がり傾向にあります。これについては9月2日付投稿をご参照下さい。
平成19年までに近代金貨のオークションが何回か実施されますが、これらが終われば価格も安定するものと思われます。
ちなみに最近のコイン商の即売会での価格を見ていると、この明治3年銘の二十円金貨の場合、未使用で550万円程度、極美品で350万円ぐらいです。

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June 12, 2005

インドのコイン

「インド貨幣史―古代から現代まで―」P.L.グプタ(著)

インド株投資を考えて色々と調べていると、どうしても趣味のコイン収集に繋がってしまう。インドでは、第二次世界大戦後独立するまでは、英連邦の一部として貨幣を発行している。また、それ以前のムガール帝国時代から更に遡ると、多数の藩王国が各々コインを発行したり、アラブの影響を受けた国が誕生しコインを出すなど、非常に複雑な様相を呈している。加えて、考古学的資料が残されていなかったこともあり、不明な点が多く、インド貨幣収集は、ある意味コイン収集家泣かせの分野ではないかと思う。
しかし、インドはインダス文明に始まる古い歴史を持ち、アジアとイスラム、アジアとヨーロッパを繋ぐ貿易の中継点として重要な役割を果たすと共に、各国の影響も多く受けていることから、政治・経済そして貨幣制度など非常に興味深いところでもある。
そこで今回は、インド貨幣に関する書籍をご案内する。本書はインド貨幣について日本語で書かれた数少ない文献である。紀元前の打刻印貨幣の時代から、インド・ギリシャ人王国の貨幣、グプタ朝・ヒンズー諸王国の貨幣、ムスリムに支配された時代の貨幣、ヨーロッパ諸国に支配され発行した貨幣、そして独立後の貨幣と時代を追って丁寧に記述されている。貨幣の図版も366種類掲載されており、カタログ的役割も果たしてくれる。
Tguptakingqueenobv
Takgobv
図版を眺めるだけでも、例えばムスリム時代のコインから急に肖像などが消え、ペルシャ文字の銘文だけでコインの表裏が占められるなど、イスラム教の影響を受けたことが良く分かり、非常に面白い。(写真はグプタ朝のコイン(左)とムスリム時代[ムガール帝国]のコイン(右))
本書はインドの歴史と経済、そして貨幣制度や一枚一枚のコインの観察と、貨幣収集家のみならず、考古学ファンも興味を持って読めるのではないだろうか。
なお、古代からのインド貨幣について知るには、インド貨幣博物館のHPが役に立つので、アドレスをご案内する。
http://www.rbi.org.in/currency/museum/gallery.html

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June 02, 2005

ギリシャ・ローマの芸術品

今回の狙いは?

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コインオークションのカタログが送られてきた。
今月12日(日)に、有楽町の東京交通会館で行われるオークションの出品カタログである。
世界のコイン、日本貨幣、古金銀・穴銭、古銭関係書籍など、800点を超える出品物の写真と説明、グレードと入札最低価格が掲載されている。
カタログは見ているだけで楽しく、つい時間が経つのを忘れてしまう。特に古代ギリシア、ローマ、オリエントの貨幣は個人でも手に入れることが出来る芸術品であり、小さな世界遺産といっても良い。歴史書を見ても分かるように、古代人の肖像がコインで紹介されるケースは多い。珍しいコインの肖像を見ると、歴史書を紐解き、その人物像や当時の政治・経済情勢を想像してしまう。
ところで、オークションに出品されるコイン等については、ネットでも見ることが出来る。
また、オークションのビットについても、当日会場に行って直接出来るだけでなく、郵便やネットでも可能だ。
コインだけでなく、歴史に興味のある方も見るだけでも面白いと思うので、一度ご覧になることをお薦めする。
* 写真の肖像はアレキサンダー大王(オークション・ネットのHPより)

オークション・ネットのHP
http://www.auction-net.com/auction/0506/index.html

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May 19, 2005

外国紙幣の収集

新たに始めた海外紙幣のコレクション

今日はコレクションの紙幣整理に必要な紙幣アルバムを購入するため、コイン商を訪ねた。
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先日の旅行から戻った後、チェコには20コルナ紙幣(写真)もあることを知り、是非とも入手したいと思っていたところ、偶然このお店で入手することが出来た。1枚400円。現地で両替出来なかったから仕方ないが、1コルナ約5円とすると20コルナは約100円である。う~ん。4倍になっている。仕方が無い。チェコでは20コルナは紙幣ではなく、コインが流通していたので両替できなかったのだから。
ついでにコインを見ると、10コルナ、5コルナ、2コルナ、1コルナ、50ハーレル、20ハーレル、10ハーレルの7枚セットを1,000円で販売している。こちらは約5倍である。仕入れが少し古いのか、私が現地で入手するのに苦労した、現在使われていない20ハーレルと10ハーレルが入っていた。
ところで、これまでは専らコイン、特に大型金貨を中心に収集し、保管の難しい紙幣はほとんど集めていなかったのだが、何故急に紙幣の整理を始めたかと言うと、今回の旅行で入手した現地の紙幣を観賞していた時に、これまでも海外旅行に行く毎に、その国のコインと紙幣一揃えを持ち帰り、写真と一緒に保管していたことを思い出したからなのである。
紙幣をすべて出してくると、100枚は軽く超えていた。モルジブ、セーシェルズ、エジプト、メキシコ、タヒチ・ニューカレドニア、フィジー、マレーシア、シンガポール、香港、オーストラリア、フィリピン、インドネシアなど、本当に色々な国の紙幣が出てきたのである。スキューバー・ダイビングを趣味にしていたので、潜ることの出来る国ばかりなのだが・・・。
紙幣を見ると、それぞれの国の特徴が出ていて面白い。エジプトはアブシンブル宮殿がデザインされていたり、セーシェルズは牛に粉を挽かせたり、網で魚を獲る様子が描かれている。さらに、コインと異なり色使いは綺麗である。
また、私の持っている紙幣のうち、既に使われていないものもあった。通貨危機に遭ったインドネシアや政権の変わったセーシェルなどである。
これまで持っているだけの紙幣であったが、あらためて整理すると膨大なコレクションになった。これで集める分野が増えてしまった。
さて、またユーロ圏以外のヨーロッパの国々を訪ねてみたくなったが、私の財布の日本円が減っているのに気が付いた。どうしようか・・・。


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April 12, 2005

楽しみなネットオークション

コインのネットオークション


コイン収集家にとって楽しみなオークションが始まった。
インターネットで申し込めるので便利である。
現物を下見指定場合は、地方在住者にとってはハンディがある。
ネット上で確かめるか、カタログを取り寄せてみた上でオークション会社に
問い合わせるしかない。
しかし、ネットやカタログ上の評価はそれほど期待はずれにはならないので、
比較的安心して参考になる。
ただ、美術品に対する評価と同じで、絶対評価ではなく、個人差もある点は留意する
必要がある。
古代のコインから現代の記念貨幣まで、またギリシャ・ローマ、三国志時代の中国、
ナポレオンやビクトリア女王など色々なコインが1,000点近くオークションに
かけられている。
また、コインだけでなく、コインに関連する書籍もオークションに出品されている。
コイン関連の書籍を後から集めようと思ってもなかなか難しいので、このオークションで
手に入れると良いかもしれない。
今回は、前から欲しいと思っていた品が出品されていたので、入札した。
なお、入札価格の10%を手数料としてオークション会社に支払わなくてはならないので、
コイン業者の即売会で入手できるような物は割高の購入になる可能性もあるので、
注意が必要だ。
でも、普段余り目にしない商品も出て来るので、オークションは止められない。


[ご参考] 今回ご紹介のネットオークションのHP
http://www.auction-net.com/

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February 18, 2005

見るだけで楽しいコインショー

My「今日の出来事」(17) 平成17年2月18日(金)


今日は、日本貨幣商共同組合・日本郵便切手商協同組合が主催する「大収集まつり」に参加した。初日ということもあり多数の人で混雑していた。東京・大阪などのコイン商36社が出展していた。私は、この1~2年でかなりのコインを収集したので、今回どうしても手に入れたいコインはなかった。コインに関する最新の情報を仕入れ、また珍しいコインがあれば見せてもらうつもりで各社を廻った。
最も目を引いたのは1889年に出た「フランス革命100年記念プルーフ貨幣セット・オリジナルケース入り」。このコインセットを展示しているコイン商”ダルマ”によると、「このコインはフランス革命100年記念という歴史性、希少性、優れたデザインによる品格、このすべてを兼ね備えたフランスコイン史上特筆される存在」との事である。販売価格は1,350万円。驚きの値段、誰が買うの???
次に訪れたコイン商”ワールドコインズ・ジャパン”も珍しいコインを多数展示していた。販売員の方より「希少価値が高く、イギリスで値上がりが著しいコインがある」との事。見せてもらったのは1902年にイギリスで発行された「5Pounds~1/2Sovereinの金貨4種と、Crown~Pennyの銀貨9種の計13種セット」である。Matte Proof仕上げなので、通常のProofのような鏡状の輝きはない。しかし、金粉を吹き付けて艶消し処理をしたところが何とも言えない味を出す。価格は30万円。
最後に、私のコレクションの対象ではないが、気になった品を一つ紹介する。それは昨年秋に発行された五千円札である。販売価格をみると24万円である。現行の五千円札が・・・。理由を聞いて見ると、コレクターは少しでも発行番号の若い紙幣を求めるからとの事であった。よく見るとお札の記号は「A000206A」と確かに若い。更に説明を聞くと、Aの100番台位までは公共機関に配布される為、コレクターが購入できるのは200番台位からなのだそうだ。確かに日銀のHPをみると「A000001A」は日銀貨幣博物館、「A000002A」は台東区、「A000003A」根津美術館と公共機関に寄贈配布されている。2番3番は樋口一葉に関係の深い先である。私もコインコレクターであるが、珍番の紙幣に興味はない。しかし珍番コレクターには垂涎の的なのであろう。そういえば昨年、日銀の職員がゾロ目番号のお札を抜き取って交換する事件も起きていた。値上がり期待なのか?
他にも各社から多数のコインが展示されており、見るだけで楽しい時間を過ごすことが出来た。世界各国の古代から現代までの色々なコイン・紙幣が揃っているので、歴史や経済の勉強も兼ね、皆さんも一度参加されては如何か?

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February 14, 2005

盛り上がりに欠けますネ!

My「今日の出来事」(15) 平成17年2月14日(月)

今日は「愛知万博記念500円白銅貨」の発行日だったので、朝から開店前の銀行に並んだ。5~6人並んで居たが、開店後500円貨との交換手続きをしていたのは3名であった。バブルの頃の「天皇在位60年記念金貨」や古くは「東京オリンピック記念銀貨」の時に長い列が出来ていたのと比べると様変わりである。最近の記念コインにはプレミアムが付かないので魅力はないかもしれない。しかし、記念のために一枚持とうという思いがあっても良さそうなものだが・・・。コイン収集家としては何か寂しい。
ところで、財務省のホームページでは記念コインの交換について、「発行の当日は1人1枚限り」と書かれていたが、これだけ不人気であれば1人1枚に限ることは無いだろうと思い2~3の金融機関を回ってみた。A銀行では交換専用の窓口を設けていた。窓口に行き、4枚交換を申し出ると「1人1枚です」言われた。しかし私の後ろには誰も並んでいなかったこともあり、窓口の受付嬢の後ろにいた上司らしき人が「換えて上げなさい」の一言。スンナリ交換できた。B銀行では特別の窓口は設けず預金のハイカウンターでの受け付け。6枚交換を申し出ると、両替表に書いて欲しいとのこと。記入した両替表を出すと直ぐに交換してくれた。この銀行も朝2~3人並んだだけと言う。C銀行では本日交換があることを知らなかった。奥に行って確認してくれると「確かに交換できます。1人1枚です」との回答。10分ほど待つがなかなか順番が来ないのでキャンセルする。D金融機関に行った。ロール1本との交換を申し出ると、住所と名前を記入して欲しいと用紙が提示された。記入を済ませると五百円記念硬貨50枚のロール1本と交換してくれた。金融機関によって対応が違うものだと思いながら金融機関を後にした。
調子に乗って交換していたが、気が付いたら全部で60枚、3万円両替してしまった。預金しても利子は付かないに等しいから「マ ~ いいか」と「愛知万博記念500円白銅貨」は我が家のコレクション兼タンス預金になった。

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February 12, 2005

美しく輝くプルーフ金貨

img10321339742My「今日の出来事」(14) 平成17年2月12日(土)

遂に「愛知万博記念金貨」を手にした。商品が届くまでに1ヶ月位かかると聞いていたので、まだまだ先の事と思っていた。ところが本日届いたのである。開封すると、地球の写真がデザインされた箱が出てきた。更にその箱を開けると中にはスカイブルーのビロードケース。ケースの中にはパックされた1万円金貨がキラリ! プルーフ仕様なので金貨の表面は鏡のようにピカピカだ。「う~ん、やはり金貨はいいな~」と思いながら暫く眺めていた。
今回金貨を入手出来たのは、キャンセルが出て繰り上げ当選となったから。非常にラッキーである。残念ながら千円銀貨は落選だったので、今月18日から開催されるコインの即売会で購入しようと考えている。抽選で当たった場合は造幣局から6,000円で購入できるのだが、コイン業者から買うと20,000円程度する。仕方ない・・・。
14日には銀行で五百円「愛知万博記念白銅貨」の引換えがあるので、朝から並んでゲットしようと思う。プレミアムは付かないが、皆さんも1枚ぐらい如何ですか?

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February 07, 2005

古銭がいっぱい!

平成写真版真贋古銭対照譜    椿井琢光(編)

最近偽造通貨のニュースが多い。贋金の特徴など色々と報道されているが、文章だけではなかなか理解できない。本物を並べて比べるのが一番良く分かる。触ってみることが出来ればなお良い。しかし、贋金を一般の人に配ることは出来ないので、写真で比較するのが最良の方法であろう。
さて古銭の世界でも贋金は出回っている。特に中国の古文銭や安南銭(現在のベトナム)などはコレクターでも判別が難しい。本物と贋物を並べて比較できれば良いのだが、個人で集めるには限界がある。そのような悩みを解決してくれるのが本書である。
本書は30年以上の収集キャリアを持つ編者や地区古銭会のメンバーがコレクションを持ち寄り協力して出来上がった。本物と贋物の写真を並べ、かつ夫々の拓本(古銭を魚拓のように型採りする)も掲載され、一つ一つに解説が施されている。自分のコレクションが贋物ではないかと気になるコレクターはもちろん、古文銭などのコレクターでなくても興味を持って読む事が出来る。山のようにある贋金のうちの一部を採り上げたに過ぎないかもしれないが、本書を読み通せば、贋金の傾向が分かるであろう。
中国古文銭、渡来銭、輸入銭コレクターにとって本書は必携の書である。

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January 28, 2005

今ごろ当選したの???

My「今日の出来事」(8) 平成17年1月28日(金)

今日、造幣局から「払込用紙」が送られてきた。愛知万博記念金貨の抽選に当選したとの事だ。思わず目を疑った。申し込みは随分前の平成16年10月中旬で、当選した場合は11月下旬に造幣局から「払込用紙」が送られてくる予定であったからだ。「落選したと思って諦めていたのに何故今頃送ってくるのか?」 と思い、「造幣局」に電話を架けて確認すると、キャンセルが出て、私が繰上げ当選になったとの事であった。これまで当選したことがなかったので「ビックリ ! 」である。資金を振り込んでから商品が送られてくるのに1~2ヶ月かかるそうだ。
ご存知のとおり、2005年3月25日から愛知県で日本国際博覧会が開催される。これを記念して金貨、銀貨が発行されたのである。「1万円金貨」、「千円銀貨」並びに「1万円金貨・千円銀貨2点セット」の3種類で、それぞれ35,000セットずつの販売である。いつもは落選すると直ぐにコイン業者から購入するのだが、今回に限って「あわてなくてもいい」と思い購入していなかったので、何か得したような感じである。ちなみに、現在コイン業者は45,000円位の値段で販売している。
ところでコイン業者は、どのようにして今回のコインを確保しているのだろうか。申し込みは葉書に限られており、しかも1人1枚に制限されているので、1名義で何枚も申し込めない。某コイン業者の話によると、このような記念貨が発売される時は、家族や親戚、さらにいつも協力してくれる友人を確保し、それぞれの名義で100枚近い葉書を出して抽選に臨むそうだ。
ちなみに、今回の抽選倍率は「1万円金貨」 14.9倍、「千円銀貨」 46.3倍、金・銀2点セット 27.1倍である。
最後に情報を一つ。昨日財務省から、平成17年2月14日(月)に、全国の金融機関、郵便局の窓口を通じて「2005年日本国際博覧会記念500円ニッケル黄銅貨幣(発行枚数824万1千枚)」の引換えを開始するとの発表があった。引換開始当日の引き換えは1人1枚が限度との事。銀行に行ってゲットしよう。でも金融機関の窓口で交換できる現行の記念コインは「東京オリンピック記念銀貨(昭和39年)」を除きコイン業者に持って行ってもプレミアムは付かないので、「ガッカリ」しないように。

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January 26, 2005

米の値段が下がっては・・・・

資本主義は江戸で生まれた  鈴木浩三(著)

今は江戸時代、あなたは「武士」です。「士・農・工・商」の身分制度では最高の身分です。毎年年貢が入ってきます。戦もなく領民も良い人たちで平和に暮らしています。町に出れば欲しい物も売っており、お金を出せば何でも買えます。嬉しいことに今年は大豊作で年貢も昨年よりも増えると言うことです。言うことなしですネ。でも嬉しいはずの大豊作が「貨幣経済」の元では大変な不幸をもたらすのです。何故か? そうです。お気づきの方もおられると思いますが、米の需給バランスが崩れ、米の値段が下がってしまったのです。武士も生活するには必要なものを買わなくてはならないので、米を売ってお金を手に入れます。ところが今年は昨年より手取額が減ってしまったのです。これは大変、米を増やそうと領民に声をかけ農地を開拓し米の生産を増やしました。今年は昨年以上の米が取れました。でも皆が同じ事をしたので余剰米が山のように出来て、米の値段は昨年の半値になってしまいました。米を貨幣に換えたいあなたは急いで米を売りに行きますが、商人に足下を見られ安く買い叩かれます。今年は更に手取額が減ってしまったのです。生活するにも少しお金が足りません。そこで已むなく商人から借金をします。毎年借金を繰り返しているうちに返済できないくらいの金額になってしまいました。あなたは仲間と一緒に幕府に陳情します。すると改革派の殿様が現れ「徳政令」などを出し、あなたたちを救済してくれるのです。武士から見ると正義派の改革者が現れたと大喝采です。歴史の教科書にはこちらが残ります。でも商人にとってはとんでもない悪政なのです。権力者側ではないので不満は持っても逆らえません。しかし、一度「貨幣経済」が発達すると「米本位経済」は衰退・消滅する運命なのです。あなたの借金も「徳政令」でゼロになりましたが、あなたを取り巻く経済環境は変わっていないので、生活は苦しく、また借金するしかありません。しかし「徳政令」に懲りた商人はもうあなたにお金を貸してくれません。苦しい生活が続きます。あなたは思い始めます。政治が悪い、幕府が悪いと。幕府が倒れ、江戸時代が終わったのは外圧もありますが、本当は「米本位経済」が「貨幣経済」に駆逐されたことが一番大きな原因ではなかったのでしょうか。
さて、今回お薦めする本書はこのような観点から江戸の社会を見ています。資本主義なんて言葉がタイトルにあるので、難しいのではないかと思ってしまいますが、実は読みやすく面白い内容です。
本書によると江戸時代の経済システムは「米本位経済」と「貨幣経済」という二つの大きな枠組みの上に成り立っており、この構造は江戸初期から幕末までの間、基本的には変わらなかったと言います。しかし時代が進むにつれて、「米本位経済」から「貨幣経済」へと経済活動全体がシフトし、それに伴ない、武士と商人間の力関係が逆転するようになったようです。江戸時代の最初から最後まで色々な改革(享保・寛政・天保の改革など)が行なわれていますが、「米本位経済」と「貨幣経済」の綱引きであったように思えます。
目次を見ると「江戸のケインズ政策」、「大名はなぜ没落したか」、「焼け石に水だった享保の改革」、「幕藩体制の延命策-----寛政改革」、「引き継がれた行政指導の伝統----明治維新」など興味深いものばかり。文庫本化されており、持ち運びも便利なので電車の中でも気楽に読めるのが嬉しいですネ。ぜひ一読を。

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January 25, 2005

コインで音楽も聴けたらい~のにネ

コインの中の音楽家たち   千葉一良(著)
私たちが日常手にするコインは500円、100円、50円、10円、5円、1円の6種類である。それぞれにデザインが刻まれている。500円「桐」、100円「桜花」、50円「菊花」、10円「平等院鳳凰堂」、5円「稲穂・歯車・水」、1円「若木」である。少し時代を遡ると1銭アルミ貨「富士山」、5銭錫貨「鳩」、10銭アルミ貨「稲穂」などもある。明治時代にはこのホームページ左上の写真にあるような「龍」を用いているものが多い。明治に初めて貨幣を発行する際、天皇の肖像を使うのは畏れ多いということで「龍」が使われたことは「貨幣ぶらり旅(1)」でお話したとおりである。このように見ると紙幣と異なり「人物」が使われていないことに気付く。
しかし外国に目を向けると、国王など人物がデザインになっているコインが多数発行されている。一番多いのは「エリザベス女王」である。大英帝国の名残、旧イギリス植民地でも用いられている。その他には「ナポレオン皇帝」、「マリア・テレジア」・「ビクトリア女王」など数え切れないほどの人物が登場する。政治に関わる人だけではなく科学者や芸術家もいる。
本書は世界のコインのうち「音楽家」を刻むコインを取り上げた書物である。なにより面白いのは著者が「ピアニスト」であることだ。単なるコイン収集家でも単なる著述家でもない著者は、音楽家として独自の観点から「音楽家コイン」を解説する。
本書によると世界で初の音楽家コインは、1920年にドイツで発行されたベートーベン生誕200年記念コインである。以後世界の音楽家コインは現在までに250を超える種類が発行されているという。本書ではそのうち約130種類を採り上げ、それぞれのコインについて音楽家の観点から解説をする。「ベートーベン」をはじめ「メンデルスゾーン」、「ショパン」、「リスト」、「ロッシーニ」など等。「ブラームス」の解説ではコインに刻まれた楽譜の音符が違っているなどの指摘もある。
コインの写真は豊富で、本書を見ているだけでも楽しいが、本書で書かれている音楽家について詳しく知ると、何故か本物のコインも手に入れたくなる。いろいろなコイン収集の方法はあると思うが、本書をベースにして音楽家コインを集めるのも面白いであろう。

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January 19, 2005

山吹色とは之の事か・・・・・

外国金貨の収集  外国コイン研究会(編)

コイン収集は「貴族の趣味」などと言われるが、なかでも金貨の収集はゴージャスな趣味と言える。黄金の輝き、ズッシリとした重み、何とも言えない手触り・・・・・。
金貨の収集は2種類に分類できる。一つは地金型コインの収集、もう一つは通貨としての金貨の収集である。
地金型コインは金貨の収集としてあまり面白いものではないかも知れない。分散投資の一環として金の延べ棒を買う代わりのようなものだからである。現在、地金型コインとして有名なのは、オーストリアの「ウィーン金貨」とカナダの「メイプルリーフ金貨」である。これらは貴金属商などから時価で購入できる。その他にはオーストラリアの「カンガルー金貨(ナゲット金貨)」や中国の「パンダ金貨」などもあるが、この2種類はコイン業者から買わなければならないので、地金型コインとしては割高になる。ただし「パンダ金貨」は毎年デザインが変わる上、可愛いのでコレクションには良いかもしれない。なお、かっては南アフリカの「クルーガー・ランド金貨」が有名であったが、アパルトヘイト問題以来わが国には輸入されていない。
一方、通貨としての金貨、すなわち流通貨幣として発行された金貨や記念金貨、これらはコレクションに適している。どの金貨から集めようかという時、わが国で発行された金貨については貨幣商組合から出されている「日本貨幣カタログ」をはじめ色々と参考にできる書物がある。しかし、外国の金貨となると日本語版のものは絶無に等しい。1,000ページを超える世界の金貨だけを掲載したカタログや、世紀ごと・国ごとに金貨を含めた全通貨を対象にしたカタログもあるが大抵は英語版である。慣れてくるとこれらも面白いが、収集を始めるにあたり参照する本としては分厚過ぎるうえ、人によっては英語が障害になる。本書はこんな悩みに直面する金貨コレクターにお薦めできる一冊である。
本書の編者は「外国コイン研究会」である。この会はわが国における外国コインコレクションの権威、平石國雄氏をはじめ多数のコレクターで構成されている。本書はまず「金と金貨の歴史」から始め、その後便宜上1959年までに発行された金貨と1960年以降に発行された金貨に分けて解説する。そして最後に大型金貨の収集について触れる。コインの写真が豊富でそれぞれのコインの特徴も詳しく説明されており、初心者からベテランコレクターにも役に立つ内容である。
皆さんも本書を読み、歴史と資産性のある金貨のコレクションを始めてみては如何だろうか?

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January 17, 2005

お宝は・・・・・ナシ

My「今日の出来事」(4) 平成17年1月14日(金) -バックデート-
市内で開催された地元コイン業者の即売会に行ってきた。7社がブースを出していたが、前回より出展業者数は減っている。初日なのにお客さんも少ない。お客さんは古くからのマニア的コレクターが中心で、若い人は少ない。この2~3年、開催されたコイン即売会などの催事に行って感じたことであるが、新しいコレクターは増えていないのではないだろうか?特に若い人は少ない。携帯などの通信費やファッションなどにお金が必要で20~30年前のようにコインコレクションに廻すお金がないのだろうか?
これまでコイン収集が大きく盛り上がったのは昭和43~45年頃と昭和61~63年頃である。前者は純粋なコレクターも増えてはいるが、後者はどちらかと言えば値上がり期待の投機的コレクターが多かったように思う。天皇在位60年記念金貨が発行されたのもその頃である。金貨を手にするには引換抽選券が必要で、引換抽選券も売買されるなど、バブル景気を背景に大いに盛り上がっていたように記憶している。
2007年頃から、いわゆる「団塊の世代」の退職が始まる。骨董品や絵画などに興味を示す人も増えるであろう。貨幣も歴史を学びながら集めると、単なるコレクションとは異なる面白さがある。同好の士が増えることを期待する。
ところで今回の催事では、欲しいと思っていた「大明通行寶鈔」(中国・明)は無かった。残念である。2月には貨幣商組合が主催する規模の大きなコインショーが開催される。全国の業者が参加するので、そちらに期待したい。

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January 11, 2005

え~?、まだ使えるの、このお金!

日本のお金―近代通貨ハンドブック   大蔵省印刷局 (編集)

昨年日銀に行って、秋に発行された新紙幣の「リーフレット」と一緒に「現在有効な銀行券」の案内書を貰ってきた。「現在有効な銀行券」の案内を見ていると、何と明治18年に発行された旧兌換銀行券1円、通称「大黒1円」(貨幣商では未使用品を1枚350,000円で販売している)や明治22年に発行された改造兌換銀行券1円(未使用品1枚100,000円)等が載っていた。「大黒1円」と同時期に出された「大黒100円」や「大黒10円」は既に使えないのに、なぜ1円だけが有効なのか?そんな時に役立ったのが本書である。貨幣に関する法令に基づき貨幣の変遷について解説しているからである。
本書は大蔵省印刷局時代に出版され、日本のお金、特に明治以降の近代通貨に関して豊富な写真を掲載、解説も充実している。また、解説では「和同開珎」から「渡来銭・輸入銭」・「江戸の貨幣」についても触れており、近代通貨とのつながりが理解しやすいように工夫されている。さらに、通貨製造工程の解説や、主要法令・通貨の発行高・貨幣年表も掲載されており、本書だけでお金について必要な知識は十分に得られる。
「お金」について本格的に学びたい方に、まず本書を読むことをお薦めする。

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January 10, 2005

ゼロが6つも消えた!!

図解デノミネーション 吉田春樹・今田寛之(著)
トルコ政府は今年から、100万リラを新1リラ(=約0.75ドル)とする通貨リラのデノミネーション(denomination)[以下デノミと言う]を実施し、新紙幣と硬貨の流通が始まった。欧州連合(EU)への加盟実現に向けた経済改革の一環である。トルコでは一九七〇年代からインフレが進行、特に2000~01年の金融・為替危機では対米ドルの為替レートが一年で半値以下に下落(約1ドル=600,000リラからMax約1ドル=1,700,000リラへ)、消費者物価は年率70%の上昇率を記録した。
 わが国でもデノミの議論は政治の場を賑わしてきた。これまで先進国でドルに対し3桁の通貨はわが国とイタリアの2国であったが、イタリアがユーロに参加したため、現在ではわが国だけとなった。
「円」は一単位当たりの価値が小さいため、金額表示をすると桁数が大きくなり国際社会では分かりにくいため、円もドルやユーロと合わせる必要はあるであろう。
ところで、デノミは本来「貨幣の単位名」の変更の意味しか持たないが、わが国では貨幣の呼称単位の変更、つまり100円を新1円にすると言う新しい貨幣単位の制定の意味で使われている。しかし今回のトルコのデノミ報道などで使われている「デノミ」の意味は少し違っている。インフレの後始末として行われる通貨の基本単位の平価の変更として使われているのである。本書ではこのような意味の混同を避けるため、まずデノミを貨幣単位の呼称の変更に過ぎない「単純デノミ」と国家主権に基づく「通貨措置」という意味でのデノミとを区別することから論じ始めている。続いて、デノミをするとどうなるのか、デノミの問題点、実施の手順、海外でのデノミの事例などデノミに関する知識が満たされるように必要十分な解説が分かりやすく為されている。さらに円の誕生からバブル後の資産デフレまでの説明もあり、通貨に関する知識を補強してくれる。貨幣問題としてだけでなく経済を知るため、本書でデノミについて学んでおいて損はないであろう。

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January 08, 2005

「贋札」は持たず、作らず、使わせず

贋札の世界史  植村峻(著)
わが国でもデジタル技術の発達により贋札が増えている。昨年秋には偽造防止の工夫を凝らした新札が発行されたが、新年早々旧札の贋札が神社のお賽銭にまで使われた。
しかし、贋札は今に始まった事ではなく世界で初めて紙幣が発行された時からのことである。本書はわが国をはじめ世界各国の贋札の歴史を紹介するだけでなく、最近の偽造防止対策の実情についても採り上げている。
贋札は国家や経済に脅威を与えるのであってはならない事である。しかし、欲に目のくらんだ人が贋札造りに手を染める可能性は否定できない。そのように思って本書を読み進めるなか非常に興味を持ったのが「第三章 戦争と紙幣偽造」である。個人やグループによる贋金造りではなく、国家が紙幣を偽造するのである。本書によると「戦時中、敵国の国民生活を疲弊させるなどの目的から相手国紙幣を偽造することは、古来、作戦のひとつとして行われてきた」そうである。
まずナポレオンⅠ世が1805~06年アウステリッツの三帝会戦でオーストリア帝国に勝利した後、フランス軍の戦費不足を補うためウィーンの国立銀行券を偽造させたと言う事例。やり方がスゴイ。フランスの占領下にあるオーストリア銀行を接収し、その紙幣印刷所に保管されていた本物の紙幣印刷用の印刷版面をひそかにパリに送って、ウィーン国立銀行券を大量に印刷したのである。それでも用紙が本物と少し違っていたので偽造券と分かったそうである。
国家による偽造例としては第二次世界大戦のときのナチスドイツが大量に造ったイギリスポンド紙幣もある。当時のポンド紙幣のデザインはシンプルで模倣し易く見えたが、紙幣の「用紙」は容易に偽造出来るものではなかった。またポンド紙幣の記号や番号は特殊なルールで印刷されているため適当な番号を印刷してもすぐに偽造紙幣と露呈してしまう仕組みであった。そこでナチスドイツはイギリス紙幣の偽造犯としてオランダで逮捕されていた囚人を高級技師として迎かえ入れ、またスパイが紙幣の記号や番号の付け方のルールをイングランド銀行関係者から聞き出し、漸くきわめて精巧なポンド紙幣を作る事が出来たのである。しかし、それでも微妙な違いがありイングランド銀行もこれらの相違に気付き偽造対策を採ったという。
わが国でも偽造を行った例がある。日中戦争、太平洋戦争中の日本軍である。中国に進出した日本軍は中国通貨を排除して日本の経済的な支配体制を確立するため、「中国連合準備銀行」などを設置して円貨幣により、ある程度の経済支配体制を作り上げていた。しかし中国法定の紙幣は依然として力を持っていたため、日本軍が必要な戦略物資や食料などを調達する場合にも円貨幣では円滑に購入する事ができないような状況であった。そこで中国の法定通貨を駆逐するため偽造券を多発し中国の貨幣制度を崩壊させる作戦を採った。
当初自前の工場で贋札を製造したが、太平洋戦争突入後日本軍が香港を占領すると、本物の中国の法定紙幣の印刷用の印刷版面などを入手し本物そっくりの偽造券を製造するようになったと言う。この贋札はほとんど真券と区別出来ないような高品質のものであったようだ。このような完璧に近い偽造券を供給するようになったが、戦争の進行に伴い物資の不足や中国政権に対する中国国民の信頼減退などの理由からインフレが進み偽造券の価値が少額紙幣化した。このようなインフレ経済の状況から考えると、日本軍による偽造紙幣作戦は、日中戦争の初期段階では戦略物資の買い付けなどにある程度の効果はあったかもしれないが、結果的には苦労した割にあまり効果をあげたとは言えないと著者は結論付けている。
本書はその他「世界初の贋札」・「日本の贋札史」・「世界の贋札史」・「贋札作りは割に合わない」などの章を設け興味深い事例を数多く紹介している。
贋札を掴まされないためにも本書を一読することをお薦めする

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January 04, 2005

貨幣史の入門書として最適

お金でさぐる日本史 Ⅰ~Ⅲ  松崎 重広 (著), 原島 サブロー (絵)

「おもしろ日本史入門」(全8巻)シリーズのうちの第4巻から第6巻が本書「お金でさぐる日本史Ⅰ~Ⅲ」である。一見子供向きのようであるが、大人でも十分に楽しめる内容になっている。Ⅲのあとがきに「貨幣制度は政治の中心になるが政治権力者の意のままにはならない」「お金にはお金の経済法則がある」と言った事が述べられており、これらについて全3巻を通して良く表現できている。
Ⅰは「現代のお金」と「古代のお金」について書かれている。皇朝十二銭についてはポイントが要領良くまとめられており読みやすい。
Ⅱは「中世のお金」と「近世のお金」について書かれている。皇朝十二銭の製造を止めた後、貨幣経済が芽生え始めたため、「渡来銭」「輸入銭」が活躍した中世の姿、そして貨幣経済の成長とともに家康の定めた「三貨制度」が変貌していく近世のお金の様子について纏められている。
Ⅲは「近現代のお金」「お金の博物館」「お金の豆知識」について書かれている。江戸幕府の「両・分・朱」制度から明治政府の「円・銭・厘」制度への変遷について述べており判り易い。。
貨幣に興味を持つ人だけでなく日本史を学校で習うのとは違った角度から学んでみたいと思う人にもお薦めできる。

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もうコレクションしなくてもいいかしら?

日本通貨図鑑―カラー版 利光 三津夫, その他著

内容を見て「びっくり!」した。貨幣のカラー写真が豊富で日本初の貨幣「和銅開珎」から昨年秋に発行された新紙幣を含む現在までの通貨が収録されている。貨幣史の研究に際し実物を見たいと思うことがあるが、本書を見れば一発でわかる。また本書は前半がコイン、後半が紙幣に分けられているが、時代順に並んでいるので頭から眺めるだけで日本の貨幣史を鳥瞰できる。また嬉しいことに試作貨や未発行貨も載っており参考になる。貨幣発行の時代背景や個々の貨幣の解説も詳しく貨幣史の研究だけでなく貨幣コレクターにとっても役に立つであろう。本書で全体感を掴んだ後であれば更なるステップアップもし易い。ただ豪華本なので重いのが難点?

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December 27, 2004

マンガといっても侮れません

お金100のひみつ 工藤 洋久, 久保田 聡著

本書はマンガですが内容は非常に充実しており、子供だけでなく大人にも役立つ書籍である。現行の貨幣に始まり世界の貨幣や貨幣の歴史について書かれている。また電子マネーやクレジットカードなど貨幣以外で貨幣の役割を果たすお金?についても触れている。さらにお金の流れを知るために銀行の仕事や外国為替など簡単な金融制度全般についても描いている。本書は貨幣収集の入門者が知識を得る手掛かりになるだけでなく、ベテランコレクターにとっても頭の整理に役立つ。情報のバランスが良く短時間で読み通せるのも魅力である。これを足がかりにさらに専門的な書物へステップアップできれば最高である。

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December 26, 2004

分かり易くて納得、「円」誕生の謎

¥の歴史学―貨幣に秘められた謎を解く 三上 隆三 (著)

三上 隆三氏の別著「円の誕生―近代貨幣制度の成立」(増補版)のうち「円の由来」以下の部分に、最新の研究成果を加えかつ易しく著したのが本書である。前著で消化不良を起こしていた読者も本書を読めば胃腸薬の宣伝ではないが「スッキリ爽やか」に理解できるものと思われる。
本書の構成をみると「なぜ円と呼ばれるようになったのか?」と「なぜ\マークが使われるようになったのか?」の大きく2つに分けることが出来る。当たり前のようで実はよく分かっていないこれらの疑問について多数の資料を紹介しながら推論を重ね解明していく本書は時間を忘れて読み耽けさせるだけの魅力を持っている。あわせて同著者の「江戸の貨幣物語」も読めば一段と理解が深まるのではないかと思う。

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December 25, 2004

貨幣コレクター必携の書

日本貨幣収集事典

本書は「貨幣手帳」(ボナンザ版)の改訂版である。貨幣コレクターにとっては必携の書であるにもかかわらず版元の経営破綻のためこれまで古本でしか手に入れることが出来なかったが、版元を変えて待望の出版となった。貨幣関係の書籍としては出土銭を中心に考古学的視点で書かれたもの、日本史の中で述べられているもの、貨幣制度と絡めて経済史をベースに論じているもの、純粋コレクター向きに出されているもの等大きく4つに分けられるが、本書はコレクター的な観点でありながら他の3つの要素も十分に加味した好書である。内容水準は高く、学術書の参考文献としても取り上げられている。図や写真も豊富で視覚的にも楽しませてくれる。また長い間改訂版が出ていなかったため、最後の章は「現代コイン・通常貨幣55年の軌跡」となっており「貨幣手帳」の時の「現行コイン35年の軌跡」との差を感じる。「天皇御在位60年記念金貨」の発行にあたり法律の矛盾が明らかになり「新貨幣法」に繋がって行った事や大量の偽造通貨が出回ったことなど新たな記述も面白い。いずれにしても本書は貨幣コレクターだけでなく経済・歴史等研究する方にも大いに参考になるお薦めの一冊である。

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自分の権威を守るための為政者の見栄?

中世初期における貨幣鋳造権の所在をめぐって 樋口 圀彦 (著)

本書の著者は、いわゆる輸入銭・渡来銭の時代である中世初期における貨幣鋳造権の在り処について貨幣をはさんでの政治的駆け引きという観点から論じようと試みている。まずわが国の古代から中世までの貨幣の発行と流通について中国銭も交えながら丁寧にまとめた後、まだ商業資本が未発達な時代から論じる。中国に対し日本が一人前であることを立証しようと律令政府は無理に貨幣(皇朝十二銭)を発行するが流通に失敗、そして遣唐使の廃止により中国に対する見栄を張る必要が無くなると貨幣の発行を中止してしまう。しかしその頃次第に商業資本が発達し大陸からの宋銭に頼ることになるが、朝廷は貨幣鋳造権は唯一朝廷にありその権威を守るため宋銭の流通を阻止しようとした。結局為政者の見栄のため商業資本の発達と貨幣の流通はうまく機能せず、上手くいくには江戸の貨幣制度まで待たなければならなかったと著者は考えている。輸入銭・渡来銭の時代については「荘園制で貨幣がそれほど必要とされなかった」とか「平氏の政治力が弱かった」とか「貨幣の輸入は平氏が独占していたので実質平氏の発行と同じである」と言った色々な見解がある中で本書の指摘もなかなか面白い。

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国内通貨が変動相場制下の庶民の生活とは?

江戸の銭と庶民の暮らし 吉原 健一郎 (著)

ご存知のように江戸時代の貨幣制度は金・銀・銭の「三貨制度」である。金は定額貨幣の小判であるが銀は秤量貨幣であり交換相場が立つ。銭は1両=4貫文=4000文と定められていたので相場変動の影響はないのかと思ってしまうが実は変動があった。ゆえに銭を一番使う庶民も相場変動の影響を大いに受けたのである。幕府財政悪化により出目を狙い、小判の「金」の含有量を下げるという悪貨への改鋳が行われたかと思うと今度は反省して含有量をアップする。そしてまたもや出目狙いの悪化への改鋳。一方銭の方も当初の銭に比べて薄くなったり、銅銭が鉄銭・真鍮銭になったりするので貨幣価値は不安定で庶民は大混乱である。
面白く興味をもって読める本書は「銭相場の変動を材料として庶民の生活実態を追究」しようと言う著者の目的を十分に達しているのではないだろうか。現在の貨幣は素材価値にこだわらない名目貨幣であるから簡単。当時に生きなくて良かったと思う反面現在のお金が紙くずになってしまうのではとチョッと心配したりして・・・。

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分かりやすくて面白い

江戸幕府・破産への道―貨幣改鋳のツケ 三上 隆三 (著)

本書の著者の別著「江戸の貨幣物語」と重なる部分も多いが、本書の方がハンディでかつ内容も分かりやすい。本旨から少し外れるが関連のある話を加え理解の助けになるように工夫されている。そしてその部分がまた面白い。たとえば足袋の大きさ・長さを表す「文」は文銭から来ているとか、また現在では死語になっている「図なし」の起源は日本人の体型から外れた大きさで足袋の型紙がないことから来ており、知能・素行の悪いという意味での人並み外れの人間を指す隠語として使用された等である。
土地本位で石高制を取り「米遣いの経済」を基本とする江戸幕府の体制は、経済の発展による「金遣いの経済」への対応に苦しみ、収入が増えない中商品経済の発達による支出の増大から財政赤字になり、その対応のため貨幣改悪鋳による出目を狙ったり、不況対策として物価の引き上げを狙ったりといった状況に陥る。しかし財政の建て直しは旨く行かず江戸幕府は厳しい対応を迫られていたが、幕府破綻をさらに早めたのが黒船来航であった。実質金本位制で銀貨は名目貨幣となっていたが表向きは金銀両本位であるという貨幣制度の矛盾も噴出し財政は一気にどん底へそして破綻へと向かって行った。貨幣と経済に視点を置いた江戸時代の見方も提供してくれる。

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超低金利下日本の「円」は基軸通貨になり得るか?

円の社会史―貨幣が語る近代 三上 隆三 (著)

本書の著者三上隆三氏の別著「円の誕生―近代貨幣制度の成立」や「\の歴史学―貨幣に秘められた謎を解く」を既に読んだ方には一部重なる内容の処はあるが、新書版とコンパクトに纏まっており読みやすいので併せて読むことをお薦めする。前掲書に書かれていなかったところでは「保証準備屈伸制限制度」や「最高発行額屈伸制限制度」の章が面白い。いつの時代でも同じで、国にお金が無くなると財政赤字が膨らみ通貨発行量は膨張、反省しての緊縮財政、通貨発行量規制制度を設けたりするが、やがて政府支出が増加しまたもや財政赤字。そして折角の通貨発行量の規制を有名無実にしてしまう。現在の経済状況にも同じようなことが言えるのではないか。ただ物余り状況でインフレにはなっていないが・・・。
また、最終章の「こしかた、ゆくすえ」も興味を抱かせる。本書はバブル真最中の平成元年に出版されていることもあり当時の「円」の強さが強調されている。世界の基軸通貨になった国の金利は超低金利であったとか。現在(平成16年)の日本はどの国にも負けない超低金利のチャンビオン国であるが未だに世界の基軸通貨にはなっていない。日本の通貨戦略はどこで間違ったのかと考えさせられる。
この他にも「円」について面白く興味を持たせてくれる本書は「円」を使う日本人にとって必読の書である。

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わが国の貨幣経済の生成・発展がわかる

江戸の貨幣物語 三上 隆三 (著)

本書の著者の代表作「円の誕生―近代貨幣制度の成立」の理解がイマイチと言う人には本書を読む事で江戸の貨幣制度までの部分はスッキリするのではないか。平安末期頃から貨幣経済が自立的に成長し始めるが、皇朝銭の鋳造はストップされており貨幣がない。そこで活躍したのが渡来銭・輸入銭であり、これによりさらに貨幣経済が発達して行くことになる。やがて戦国時代に向かい米よりも銭、そして戦にはなによりも銭という時代になっていく。武田信玄など金山の開発に力を入れたのは結局は軍事力の強化のためであり、織田信長などは金銀をいかに多く持ち、どの武器の購入に重点を置くかで戦の勝負が決まるということを知っていたので金銀の支配に力を入れていた。このような中で天下を取っていた期間が短かった信長・秀吉に実現出来なかった貨幣制度を作ったのが徳川家康である。家康は天下を取っていることを示すには力だけでなく貨幣制度も重要であるということを知っていたから信長の頃から使われだした金銀に重点を置いた新たな貨幣制度を制定したのである。それでも銭を含めた実質的な「三貨制度」になったのは家康の後であった。
当初金銀は豊富に備蓄され、また金山等の開発も進んだため財政も豊かであったが、やがて贅沢がたたり3代目家光のころから財政赤字になって行く。財政再建のため行われたのが小判等の品位の低下による出目である。しかし、それなりの効果を挙げたのも最初だけ、続けているうちにインフレも起こり経済は混乱するが、米遣いの武士を守ろうとする政策を打つため益々泥沼化して行く。また、秤量貨幣である銀を定額の名目貨幣化するのに成功し出目をも得るが、ペリー来航等外圧により貨幣制度の矛盾が噴出し金の大流出を招く。これによりさらに財政難は厳しくなり幕府の寿命は加速度的に短くなっていくのである。本書ではこのようなことが人々の日常生活を基礎とした「社会史」・「生活史」の視点から述べられている。難しい事も色々なエピソードを交え分かりやすく書かれている本書はお薦めの一冊である。

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推理小説よりも面白い「円」誕生の謎解き

円の誕生―近代貨幣制度の成立 三上 隆三 (著)

何故「円」と命名されたのかについては簡単に分かりそうだが、実は分かっていなかったのである。これまでにもわが国の高名な学者が色々な説を展開している。丸い貨幣であることを理由とする「形状説」やイギリスが香港で鋳造した銀貨の単位が「円」であり、わが国は香港造幣局の鋳造機械を購入して銀貨を作ったことから香港銀貨に倣ったという「香港ドル説」、そしてその「折衷説」などである。しかしどれもイマイチ説得力に乏しい。そこで著者は政治的に分断されている江戸時代と明治時代を一つの流れとして捕らえ、江戸の貨幣制度にまで遡って考察する。結論は本書を読んでのお楽しみであるが、結論に至るまでの過程で「円」は明治より遥か以前、1800年ごろには貨幣単位名同然のものとして存在していたこと、また西洋諸国から中国に入ってきた銀貨を中国人は「銀円」と呼んでいたこと、そして現代のわが国のインテリが米国から情報を取り入れようとするのと同様、当時の日本の知識人は中国に学んでいたこと、さらに江戸時代の「三貨制度」は実質的に「金本位制」であったことなどを論じている。本書は当たり前のようで実は解明されていなかった「円誕生の謎」を新しい視点で丁寧に論述している好書である。貨幣史・経済史を学ぶ者だけでなく貨幣収集を趣味とするコレクターにもお薦めできる。

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