December 09, 2009

平成22年度前半に発行される地方自治法施行60周年記念貨幣(高知県、岐阜県及び福井県)のデザインが決まる

平成22年度前半に発行される地方自治法施行60周年記念貨幣(高知県、岐阜県及び福井県)のデザインが決まる

昨日(12月8日)、財務省より、平成22年度前半に発行される地方自治法施行60周年記念貨幣(高知県、岐阜県及び福井県)のデザインを決定した旨、発表があった。
それぞれのデザインと発行枚数、発行時期は次の通り。

① 高知県
千円プレミアム型銀貨幣
Kouchi_1000_2
デザイン : 坂本龍馬と桂浜
発行時期 : 平成22年3月頃
発行枚数 : 10万枚


五百円バイカラー・クラッド貨幣
Kouchi_500_2
デザイン : 坂本龍馬
発行時期 : 平成22年7月頃
発行枚数 : 今後政令で定める
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② 岐阜県
千円プレミアム型銀貨幣
Gifu_1000_2
デザイン : 長良川の鵜飼
発行時期 : 平成22年4月頃
発行枚数 : 10万枚


五百円バイカラー・クラッド貨幣
Gifu_500_2
デザイン : 白川郷とれんげ草
発行時期 : 平成22年7月頃
発行枚数 : 今後政令で定める
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③ 福井県
千円プレミアム型銀貨幣
Fukui_1000_2
デザイン : 恐竜と東尋坊
発行時期 : 平成22年6月頃
発行枚数 : 10万枚


五百円バイカラー・クラッド貨幣
Fukui_500_2
デザイン : 恐竜
発行時期 : 平成22年7月頃
発行枚数 : 今後政令で定める

なお裏面は、これまで同様各都道府県共通。

詳しくは財務省のHPをご覧頂きたい(写真は同HPから)。
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk211208.htm
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/joukyou.htm

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December 07, 2009

北朝鮮、リデノミネーションで新通貨発行

北朝鮮、リデノミネーションで新通貨発行

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新聞やテレビの報道でご存知の方も多いと思うが、北朝鮮は、先月(11月)30日、旧通貨と新通貨を100対1で交換するリデノミネーション(デノミ、通貨呼称単位の変更)を行なうと発表した。新しい貨幣は、5,000ウォン、2,000ウォン、1,000ウォン、500ウォン、200ウォン、100ウォン、50ウォン、10ウォン、5ウォン紙幣の9種類、1ウォン、50銭、10銭、5銭、1銭硬貨の5種類。貨幣交換は12月2日の午前から6日までの間、朝鮮中央銀行の各支店で行われ、7日から新券の流通が始まる(写真 : 上から5,000ウォン、500ウォン、50ウォン紙幣の表[左側] と裏/2009.12.4 21:05付徳島新聞Webより)。

一人当たり交換できる金額は制限されており、最大10-15万ウォン(住民の不満をなだめるため、1世帯当たり10万ウォン[新貨幣1000ウォン]だった交換限度額を引き上げ、一人当たりさらに5万ウォンずつ交換できるようにしたとの報道もある)の旧貨幣を1000-1500ウォンの新貨幣に交換できる。また北朝鮮当局は、一人当たりの交換限度額を超える金は、1,000対1で交換するか、銀行に無制限で貯蓄できるとし、銀行に貯蓄することを指示しているという。しかし、貯蓄にも30万-300万ウォンまでの限度額が設けられている上、北朝鮮の銀行は預金者が自由に金を下ろせない「強制貯金所」のため、事実上10-15万ウォンが上限となるようだ。

北朝鮮の貨幣改革は1992年以降17年ぶり。北朝鮮は政権樹立以降、92年までに5度の貨幣改革(貨幣の交換含む)を行ったが、いずれも体制の変革期か、体制引き締め強化の必要がある時に実施された。今回のリデノミネーションについては、2002年に資本主義を一部導入する内容を盛り込んだ7・1経済改善措置の後に始まった極度のインフレ(物価上昇)を是正するためと言われている。当時、数々の改革の結果、通貨の流通は急激に増加したが、食糧や生活必需品の流通は増えることのないまま急激にインフレが進行した。北朝鮮は銀行が形だけの存在となっているため、金利政策も実効性がなく、いったん市場に供給した資金を回収する手段がない。そこで今回、リデノミネーションを通じて住民の「たんす預金」を没収するという手段に打って出たというのである。

しかし、金正日(キム・ジョンイル)総書記が三男の権力世襲にとって最大の障害物と見なしている“市場勢力(市場での自由商取引を通じて富を蓄積した勢力)”を無気力にさせる意図が一番大きいのではないかとも言われている。北朝鮮の中間層は通常、1世帯で100万ウォンほど保有しており、商売で金を稼ぐ人の中には数百万-数千万ウォンを家で保管する場合も多いという。交換限度額を超えた金は一瞬で紙切れになってしまうので、市場で金を稼いだ人に対する事実上の没収措置になるのだ。このような暴力的措置に対する反発から、騒乱事態が発生することを防ぐため、北朝鮮軍が戦闘準備態勢に入ったという。さらに国防委員会は、中朝国境の人民警備隊に「許可なく国境を越えた者については、その場で射殺してもよい」との発砲命令を下したという。突然金を奪われた能力のある中産層が、集団で脱北する可能性が高いためだ。

ところで、今回発行された新貨幣について、その発行年度が話題になっている。5000ウォン券、2000ウォン券など高額紙幣の発行年度が「2008年」となっており、また、500ウォン、200ウォン、100ウォン、50ウォン、10ウォン、5ウォン紙幣と1ウォン、50銭、10銭、5銭、1銭硬貨の発行年度が「02年」となっているためだ。今回初めて市場に流通する新貨幣だが、すでに02年、08年にそれぞれ印刷・製造されていたと言うのである。高額紙幣については08年に印刷し、デノミを準備していたが、金正日(キム・ジョンイル)総書記が倒れたことから今年に延期されたためであり、その他の貨幣については、02年に資本主義を一部導入した“7・1経済改善措置”を実施した際、新しい貨幣を製造したが、インフレーションの深刻化により流通させなかったためというのが理由である。

今回実施されたリデノミネーションだが、これを成功させるためには物資の不足を解消する必要がある。しかし、エネルギー不足や原材料不足に加え、インフラの老朽化などを考えると、中国などによる外国からの支援が不可欠である。リデノミネーションに、物価上昇を抑える力はない。供給を増やすことが先決である。ジンバブエのケースを思い出せば明らかであろう。


(参考HP)
Chosun Online「朝鮮日報」
http://www.chosunonline.com/news/20091205000017
ウィキペディア・フリー百科事典(デノミネーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
映画「選挙」の山さんBLOG[北朝鮮の新貨幣(新紙幣5種・新コイン5種)]
http://senkyo-yama.seesaa.net/article/134806627.html
2009.12.4 21:05付徳島新聞Web「北朝鮮デノミ、総連紙が初報道 通貨秩序を強化」
http://www.topics.or.jp/worldNews/worldInternational/2009/12/2009120401000953.html

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December 03, 2009

地方自治法施行60周年記念5百円貨幣(茨城県、奈良県)の引換日決まる

地方自治法施行60周年記念5百円貨幣(茨城県、奈良県)の引換日決まる

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12月1日、財務省から「地方自治法施行60周年記念5百円貨幣(茨城県、奈良県)」の引換日が発表された(写真左 : 茨城県、写真右 : 奈良県・財務省HPより)。
詳細は次の通り。

1.引換開始日
平成22年1月20日(水)

2.引換取扱機関
銀行(信託銀行、ゆうちょ銀行及び外国銀行在日支店を含む。)、信用金庫、信用組合、商工組合中央金庫、労働金庫、農林中央金庫、農業協同組合、信用農業協同組合連合会、漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会
各引換取扱機関の引換枚数及び引換開始時刻については、各店舗の店頭に平成22年1月13日(水)から掲示する予定。

詳しくは、財務省のホームページを参照願いたい。
財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk211201.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page69.html

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November 29, 2009

平成22年度後半及び平成23年度前半に発行される地方自治法施行60周年記念貨幣

平成22年度後半及び平成23年度前半に発行される地方自治法施行60周年記念貨幣

今月24日、財務省は地方自治法施行60周年記念貨幣のうち、平成22年度後半及び平成23年度前半に発行する都道府県を、次の6県にすると発表した。県名及びテーマは次の通り。

平成22年度後半
① 青森県(りんごとねぶた(ねぷた)、三内丸山遺跡等)
② 愛知県(生物多様性条約第10回締約国会議(COP10))
③ 佐賀県(佐賀県を代表する人物である大隈重信侯とその功績)

平成23年度前半
① 富山県(「立山・黒部」の自然と人間の関わり ~信仰・砂防・発電・観光~)
② 鳥取県(鳥取砂丘、浦富海岸に代表される山陰海岸の景観)
③ 熊本県(阿蘇)
なお、記念貨幣の図柄、発行枚数、引換開始日等については、後日決定する予定との事。
詳しくは財務省のHPをご参照願いたい。

※ご存知の通り、平成22年度前半に発行されるのは茨城県と奈良県。それぞれ187万枚、180万枚発行される予定で、引き換えは平成22年1月頃が予定されている。

財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk211124.htm
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/joukyou.htm
造幣局のHP
http://www.mint.go.jp/topics/new/page56.html

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November 13, 2009

天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の棒金をゲット

天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の棒金をゲット

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昨日から引き換えの始まった、天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣。本日から1人2枚までという制限がなくなったので、棒金(50枚)で引き換えるため、地元で最も規模の大きい銀行の支店に行ってきた。窓口で尋ねると、シッカリ残っていた。昨日バラで28枚引き換えているので、本日は棒金1本の入手に留めた。

銀行の窓口で引き換えるタイプの記念コインについては、昭和39年に発行されたオリンピツクの1000円銀貨以外まったくプレミアムは付かないので、数多く引き換えてどうするのかと言う方もおられるが、預金していてもほとんど利息の付かない時代。貯金箱に500円玉を貯めている思えばよいのだ。コレクターとしては、手元に100枚ぐらいあっても気にはならない。

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ところで棒金についてだが、かつては銀行の名前が入ったフイルムで、もっと古い時代はペーパーでコインが巻かれていた。しかし今回入手したものは、「金融機関共通巻き」と書かれたフイルムで巻かれていた。これはコスト削減のため、金融機関が共同で作成したものなのであろうか。支店でコインを棒金にするのは、手間ばかりかかって儲けにならないからなのであろうか。それとも今回のように、新しく発行されるコインだけなのであろうか。また記念コインは、各金融機関の支店に、どのような形で送られてくるのだろうか。日銀から各銀行の本店に麻袋に入った状態で送られ、本店で棒金にして各支店に割り当てるのだろうか。コインそのものよりも、その流れの方が気になったのだが、答えは良く分からない。どなたか教えてください。

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November 12, 2009

天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の引換え

天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の引換え

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本日、天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣(写真上 : 裏面、写真下 : 表面)の引換えに行ってきた。8つの金融機関を廻り、28枚のコインを手に入れた。「引き換え日初日は一人2枚まで」という財務省通達を守る金融機関が増えたため、いくつも廻らなければならないのだが、普段行かない信金や農協などを訪ねるのも楽しいので、苦にはならない。

昨日、関西のコイン商数社を訪れたのだが、どのコイン商も本日の引き換えには行かないと言っていた。なぜならば、初日は1人2枚なので引き換え効率が悪いからとの事。引き換え日の翌日に金融機関の本店や地方の中核となる支店に行けば、かなりの枚数が残っており、棒金(50枚)で何本も手に入れることができるのである。しかし、私のような個人コレクターの場合は、やはり引き換え日に入手したい。ただ、引き換えたコインをいくら丁寧に扱っても、すでにコレクターではない行員が業務としてコインを扱っているため、指の油によるくもりや、コイン同志のあたりキズなどは避けられない。やはり棒金の方が、もう少しコンディションは良いのかもしれない。

本日入手したコインの中から、比較的状態の良いものの写真を掲載したが、アップにすると細かな傷やくもりなどが目に付く。私もコイン商にならい、棒金で引き換えるため、明日もう一度金融機関を訪ねようかと考えている。

財務省のHP(天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の概要)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk211007sankou.htm

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October 14, 2009

天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の引換え日決まる

天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の引換え日決まる

平成21年10月7日付で、財務省より「天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣」(写真左/表面、写真右/裏面 : 財務省HPより)の引換え日が発表された。

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引き換え開始日は平成21年11月12日(木)。引き換えは銀行や信用金庫、農協などで出来る予定だが、地域によって取り扱いをしない金融機関もあるようなので、事前に財務省のHPで確認しておくことをお薦めする。

財務省のHP(天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣引き換え日を11月12日に開始します)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk211007.htm
財務省のHP(天皇陛下御在位20年記念5百円貨幣の概要)
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/kokko/kk211007sankou.htm

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September 08, 2009

世界最古のコイン

マイ・コイン・コレクション(第34回)

今回ご紹介するのは、世界最初のコインと言われているリディア王国の「エレクトロン(エレクトラム)貨」である。エレクトロンとは、金と銀の自然合金のこと。
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写真(上 : 表面・下 : 裏面)は1/3スタテル(※)・エロクトロン貨で、縦径 : 1.1cm、横径 : 1.4cm、品位 : 金2銀1ぐらいか? (金73%銀27%との説もある)、量目 : 4.72gで、表面にサルディスの紋章である「ライオンの頭」が刻印され、裏面には価値を示す長方形のくぼみが打刻されている。このタイプのコインは、ギュゲス王(在位680~640B.C.年)の時代である650~561 B.C.年頃に造られたものである。

(※)通貨の基本単位は「スタテル」(1スタテルは約14g)で、1/3スタテル以外に、1スタテル、1/6スタテル、1/12スタテル、1/24スタテル、1/48スタテル、そして1/96スタテルという小さな硬貨も発行された。

「エレクトロン貨」の名称については、古代ギリシャ語の「エレクトロン」に由来する。琥珀を意味する言葉として「エレクトラム」があるが、これは古代ギリシャ語の「エレクトロン」を語源とし、琥珀の黄色に通じる「輝くもの」の意味を持つ。そこで、金と銀との自然合金が琥珀の黄色と極似の色彩を帯びていることから、エレクトラムを素材とした貨幣のことを「エレクトロン貨」とよぶようになったのである。ちなみに、「琥珀には、その表面を布などで摩擦すると、その部分が枯葉とか紙切れといった小さくて軽いものを吸引するという特異な性質がある。(省略)この自然現象に、科学の立場から挑んだのが16世紀イギリスの科学者W.ギルバートである。(省略)不可思議な現象を起こす力を、まずこの現象の提供者であるエレクトラムの名称からとってエレクトリック(電気性物・起電物体)と命名することにした」との事(「江戸の貨幣物語」(三上隆三著)[東洋経済新報社刊]より)。

ところで、「エレクトロン貨」の素材となる金と銀との自然合金は、どこから入手していたのであろうか。これらは主に、リディアの首都・サルディスの近郊を流れるパクトロス川からだという。これに関連する有名なギリシャ神話があるので、ご紹介する。
「フリュギア王のミダスは、酒神バッカスことディオニソスの友シレノスを助けた。ディオニソスはその礼として、ミダスのいかなる望みもかなえると約束した。ミダスは金持ちになるため、彼の身体にふれるすべてのものが黄金になることを願った。この願望は直ちに約束通りにかなえられた。しかしそのうち、予想だにしなかったことが起こった。彼が手にする飲食物までもがすべて黄金になり、何も口にすることができなくなった。空腹に耐えきれなくなって、喜びは一転して苦痛になってしまった。
かくてミダスはディオニソスに救いを求めることになる。ディオニソスはパクトロス川の水で身体を清めればよいと教えた。早速に教示にしたがって川でみそぎ沐浴をしたので、ミダスはもとの状態に戻り、ようやく空腹を癒す事ができた。沐浴によってミダスの身についていた黄金化怪力が水とともに川に落ちてしまったからである。その結果、パクトロス川からその怪力によるたくさんの砂金がとれるようになったのだというのである」(前掲「江戸の貨幣物語」より)。

以上のように、リディアで世界最古のコイン「エレクトロン貨」が発行されたわけだが、長続きはしなかった。紀元前6世紀の中頃以降、「エレクトロン貨」に代わり、主に「銀」でコインが造られるようになる。これは、
① 古代近東においては、長い間「銀」が主要な取引媒体とされていた
② 「エレクトロン貨」は金と銀との合金だったので、その地金価値を測ることが難しかった
ためである。
世界最古の「銀貨」と「金貨」も、リディア王国最後の王、「クロイソス」(在位560~547B.C.年)によって造られたと言われている。「金貨」、「銀貨」とも「ライオンと牡牛」のデザインで、銀貨の単位は「シグロス」(1/20スタテル)が用いられた。これらの貨幣は、リディア王国がアケメネス朝ペルシャに征服された後も発行されたという(※)。

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写真(上 : 表面・下 : 裏面)は「2シグロス銀貨」で、縦径 : 1.3cm、横径 : 2.0cm、品位 : 銀100? 、量目 : 10.40gで、表面にサルディスの紋章である「ライオンと牡牛の頭」が刻印され、裏面には価値を示す長方形のくぼみが2つ打刻されている。

(※)「アケメネス朝はリュディアの都でありコインの発行地でもあるサルデイスを征服すると、そこでデザイン(リュディア王家のライオンと牛)もそのままの金貨、銀貨を発行した。やがて前6世紀末から独自のコインを発行する。(省略)金貨(約8.4g)と銀貨(約5.4g)が発行され、ギリシャ人からそれぞれ「ダレイコス」、「シグロス」と呼ばれた」(「ペルシャ文明展 ―煌く7000年の至宝―」(大津忠彦ほか監修)[朝日新聞社・東映刊]より)。


ウィキペディア・フリー百科事典(リディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2
ウィキペディア・フリー百科事典(エレクトロン貨)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E8%B2%A8
ウィキペディア・フリー百科事典(ミダス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%80%E3%82%B9
ウィキペディア・フリー百科事典(ディオニューソス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%82%B9


(参考文献)
・「江戸の貨幣物語」(三上隆三著)[東洋経済新報社刊]
・「図説・お金の歴史全書」(ジョナサン・ウィリアムズ著)[東洋書林刊]
・「カラー版・世界コイン図鑑」(平石国雄他編著)[日本専門図書出版刊]
・「貨幣から見た世界史・文明の血液」(湯浅赳男著)[新評論刊]
・「カラー版世界コイン図鑑」(平石国雄・二橋瑛夫編・共著)[日本専門図書出版刊]
・「ゴールド」(ピーター・バーンスタイン著)[日本経済新聞社刊]
・知っておきたい「お金」の世界史(宮崎正勝著)[角川文庫]
・「Greek Coins and Their Values VolumeⅡ」(David R . Sear著)[Seaby Publicacations刊]
・「知のビジュアル百科・コインと紙幣の事典」(ジョー・クリブ著)[あすなろ書房]
・「ペルシャ文明展 ―煌く7000年の至宝―」(大津忠彦ほか監修)[朝日新聞社・東映刊]
・「最新世界史図説タペストリー」(川北稔他監修)[帝国書院刊]

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September 07, 2009

知っておきたい「お金」の世界史

知っておきたい「お金」の世界史(宮崎正勝著)[角川文庫]

本書は、先日ご紹介した「世界史の誕生とイスラーム」と同じ著者の作品である。本書の構成を見ると、次の通り。

第一章 世界の文明とさまざまな「お金」
第二章 膨張する「お金」と投資と投機
第三章 と民革命も産業革命も「お金」で動いた
第四章 金本位制と国際通貨ゴールド
第五章 地球をめぐるドル
第六章 電子マネー・ドルと証券バブルの大崩壊

世界初のコインであるリディアのエレクトラム貨幣に始まり、古代ギリシャ、古代ローマ、ペルシャから、イスラーム世界のコインへ、さらに新大陸の銀で潤ったスペインやその後を受けて経済発展するオランダ、イギリスのお金。そして最後にバトンを受け取り基軸通貨として君臨するアメリカ・ドル。本書を読み通すと、「お金」を軸に世界の歴史を見ているので、高校で習った世界史とは全く違った面白さがあるうえ、お金の流れで繁栄する国々が移りゆく姿を知ることもできる。
また、オランダのチューリップバブルやイギリスの南海会社泡沫事件などの、お金がもたらした事件について触れている点も、読者を飽きさせない。

残念なのは、図表が全く使われていない点だ。文庫本なのでやむを得ない面はあるだろうが、出来れば「世界史の誕生とイスラーム」と同じような交易図に加え、コインや紙幣の写真などを載せてもらえれば、一段と面白いものになったのではないだろうか。お金の歴史に興味がある方だけでなく、コインコレクターや金融史、経済史を勉強している方にもお薦めできる一冊である。税別552円。

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September 06, 2009

サーサーン朝ペルシャのコイン

マイ・コイン・コレクション(第33回)

今回ご紹介するのは、サーサーン朝ペルシャ帝国の初代君主「アルダシールⅠ世」(在位A.D.224(未確定)-241)の1ドラクマ銀貨である(写真上 : 表面 ・ 写真中 : 裏面)[「THE ANCIENT & CLASSICAL WORLD 600B.C.-AD.650」NO.789~795]。

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直径 : 2.4cm、品位 : 不明、量目 : 4.2g。表面には王権を表すリボンや球体装飾(コリュンボス)の付いた冠をかぶった(※)、長い髭と肩にまでかかる髪が特徴の「アルダシールⅠ世」の頭像がデザインされ、周囲にはパフラヴィー文字で「マズダー崇拝者、主アルダシール、イランと非イランの諸王の王、神々の子孫」と書かれ、裏面にはアケメネス朝の獅子足の玉座がついたゾロアスター教の拝火壇が描かれ、上部周囲にはパフラヴイー文字で「アルダシールの火」と記されている。アルダシールⅠ世は、アルサケス朝パルティアを倒してサーサーン朝を創始、アケメネス朝ペルシャの再興をめざして「諸王の王」を名乗り、ゾロアスター教を国教とする中央集権を確立した(写真下 : アフラ・マズダー(右)より王権の象徴を授受されるサーサーン朝のアルダシール1世(左)のレリーフ(ナグシェ・ロスタム) ・ ウィキペディア・フリー百科事典(ゾロアスター教)より)。

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(※)王はその王に特有な冠をかぶっており、他の王の冠と似通ってはいるものの、どれ一つとして同じものは無い(写真はアルダシールⅠ世のもの。図は「サーサーン朝ペルシアのコイン ー王の肖像が語る歴史と文化―」より)。


「イランを含む西アジア地域のコインのデザインは、アレクサンドロス大王の東方遠征以降に、この地域で発行されたギリシャ系コインのデザインがその基本となっている。つまり、表側には発行者、すなわち王の胸像、裏側には守護神が表される。サーサーン朝ペルシアのコインも基本的にはこれを踏襲しているが、裏側に拝火檀が描かれている点が異なる。拝火檀はサーサーン朝ペルシアの国教であったゾロアスター教の礼拝の中心であった聖なる火を安置したものである。裏側には「アルダフシールの火」や「シャーブフルの火」という、いわゆる「火の称号」を表す銘文が刻まれていることから、サーサーン朝ペルシアの諸王は自らの守護となる火をコインに描かせたということがわかる」(「サーサーン朝ペルシアのコイン ー王の肖像が語る歴史と文化―」より)。


サーサーン朝ペルシャの時代にも、さまざまな重量の金貨や銀貨、銅貨が造られたが、その中心となったのは、今回ご紹介したドラクマ銀貨(※)だ。この銀貨はサーサーン朝の貨幣体系の基礎であったが、非常に信用度が高かったことから、その周辺諸国にも流通した。西はシリアなどの東地中海沿岸、東はアフガニスタンや中央アジア、そして遠く中国でも多数出土しているという。いわゆるシルクロード世界の交易を支えた国際通貨としても用いられたのである。

(※)一般的には「ドラクマ」が使用されているが、書物によってはギリシャ・ドラクマのペルシャ化である「ディレム」が用いられている。


銀貨の素材である「銀」については、周辺の銀山から豊富に供給されており、その代表的なもののひとつが、アルメニア、ラジスタン、コウカサスの山々のある黒海から中央アジアに至る鉱脈だ。その他にも、アゼルバイジャン(イラン高原北)やエルブルズからソグディアナ、フルガーナ、サースあたりに広がるカスピ海南岸地区など、多くの銀山に恵まれていた。このことにより、品位、量目とも安定したコインを供給することが可能となり、国際通貨としての地位を得ることが出来たのである。


ウィキペディア・フリー百科事典(サーサーン朝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%B3%E6%9C%9D
ウィキペディア・フリー百科事典(アケメネス朝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B1%E3%83%A1%E3%83%8D%E3%82%B9%E6%9C%9D
ウィキペディア・フリー百科事典(アルダシールⅠ世)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%80%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%AB1%E4%B8%96
ウィキペディア・フリー百科事典(ゾロアスター教)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BE%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%95%99


(参考文献)
・「サーサーン朝ペルシアのコイン ー王の肖像が語る歴史と文化―」(岡野智彦ほか編)[中近東文化センター刊]
・「ペルシャ文明展 ―煌く7000年の至宝―」(大津忠彦ほか監修)[朝日新聞社・東映刊]
・「THE ANCIENT & CLASSICAL WORLD 600B.C.-AD.650」(Michael Mitchiner著)[Hawkins Publications刊]
・「貨幣から見た世界史・文明の血液」(湯浅赳男著)[新評論刊]

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